出版業界ニュースフラッシュ 2015年1月第3週

帝国データバンクが発表した2014年の出版業者の倒産件数などが話題に。

» 2015年01月19日 11時00分 公開
[新文化通信社]
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2014年、「出版業者」「書籍販売業者」「印刷業者」の倒産件数が減少

 帝国データバンクによると、出版業者の倒産件数は33件で、2013年の37件から4件減少。負債総額は13年の約30億円から約89億円とおよそ3倍に増加した。2014年12月、東京地裁から破産手続き開始決定を受けたインフォレストの負債が約29億円で、全体を押し上げる格好になった。

 書店などの書籍販売業者の倒産件数は前年から4件減の16件。負債総額は13年の約21億円から約12億円と半減。印刷業者は、前年の119件から99件に減少。その負債総額前年の約365億円から約117億円と、およそ3分の1程度になった。

 なお、2014年に倒産した国内全体の倒産件数は9180件で、8年ぶりに1万件を下回った。上場企業の倒産は1990年以来、24年ぶりになかったという

大阪屋の大竹深夫社長、再生へ施策3点

 1月10日、大阪・東大阪市の本社(関西ブックシティ)で行った「新春おでんの会」で、同社再生に向けた施策の概要を発表。(1)楽天、大日本印刷、リーディングスタイルのノウハウや商材を活かした「ハイブリッドなサービス提供」、(2)「サービスの質を高める」、(3)競争と協業を前提にした「新たな本の空間づくり」の3点に着手すると宣言。

 2014年12月29日から今年1月3日までの書店売り上げ前年同期比は、全体で7.7%減。コミックは前年を超えたが、ムック文庫、新書などは80%台だったとした。大阪屋の昨年4〜12月末までの売上高は499億円(前年比0.2%減)。返品率は全体で41.6%(前年比1.2ポイント増)。「書籍」は46.4%(同2.2ポイント増)と悪化しており、「非常事態と認識している」と話した。当日は1344人が出席した。

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