インディーズ著者は、飽和状態にある市場で自著を目立たせるための手段を常に探している。毎日数千冊の新たな電子書籍が出版される中、読者やファンの獲得は至難の業だ。米Amazon.comは、新たなプログラム「Kindle Scout」でこうしたインディーズ著者を支援しようとしている。
Kindle Scoutは、まだ世に出ていないコンテンツのための、読者からの人気に基づく出版プログラムである。ここでは書籍を出版するかどうかの決定を読者が助ける。選ばれた書籍はKindle Pressが電子出版し、著者は5年単位で更新する契約、1500ドルのアドバンス(印税の前払い)、売り上げの5割の印税、簡単な版権返還機能、Amazonによるマーケティングを享受できる。
Kindle Scoutに作品の登録を申請した著者は、通常数日かかる審査の後、登録の可否の連絡を受ける。うれしいことに、Amazonの専任スタッフが審査するので、ある程度の品質が保証される。登録できる作品の条件は、Microsoft Wordのフォーマットで5万ワード以上、表紙画像付きであること。また、著者の略歴と近影、作品概要、謝辞なども必要だ。この謝辞は、作品の出版を支持してくれた読者に自動的に配信される。
Kindle Skoutでの作品キャンペーンは30日間で、その間に作品が読者からの十分な数の推薦を獲得すると、Amazonが向こう5年間有効な出版独占権と引き換えに1500ドルのアドバンスを支払う。Amazonは作品の売り上げを伸ばすための宣伝も援助する。
筆者はKindle Scoutのアイデアが気に入った。これは読者が出版すべき作品を決める手堅い方法といえるだろう。表紙画像や作品概要のレベルが低いと、作品は日の目を見ない。うまくいけば、Kindle Scoutはインディー著者にどんな作品が支持されるかを学ばせる場にりそうだ。また、作品が支持されるかどうかを分析するケーススタディにもなるだろう。いずれにせよ、ある程度の読者集団が必要だ。
大手出版社はKindle Scoutを期待の目で見ているようだ。このプログラムは文学の新潮流の傾向や、どんなジャンルが読者の共感を呼ぶのかを示すだろう。熱心な読者が実際に時間を費やして選ぶ最新のトレンドは何だろうか? こうした情報は、ベストセラーに依存し、シリーズ作品を好む業界にとって価値がある。
Kindle Scoutのキャンペーン例はこちら。同プログラムについてもっと知りたい著者はKindle Scoutのページを参照されたい。
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