DB-P2――NEC電子書籍端末ショーケース

古今東西の電子書籍端末をショーケース風に紹介する「電子書籍端末ショーケース」。ここでは、NECが1990年代に販売していた「DB-P1」の後継製品「DB-P2」を紹介。

» 2014年08月27日 10時00分 公開
[山口真弘,eBook USER]

製品概要

 NECが発売した電子ブックリーダーで、DB-P1の後継製品。従来と同じストレート形状を採用しており、画面サイズと解像度こそ同等だが、30ミリの厚みが19ミリになり、電池込みの重量が430グラムから360グラムになるなど、大幅な薄型軽量化を実現している。

 電源は従来モデルと同様、専用バッテリー、単3電池のほか、ACアダプタによる駆動にも対応する3WAY方式を採用。乾電池使用時の駆動時間が従来の4時間から10時間になるなど、長寿命化も果たされている。

 保存可能なデジタルブックの容量が1冊から2冊へと増えたほか、従来モデルで好評だった碁盤および将棋盤のソフトを標準添付し、2台揃えることで赤外線による対局も行えるなど、囲碁・将棋プレーヤーとしての色が強い。

 電子書籍は3.5インチのフロッピーディスクで読み込む構造だが、ドライブは本体に内蔵されておらず、別売の外付けドライブを接続して転送する。フロッピーディスクユニットのセットモデル「DB-P2-S」もラインアップされる。1996年のグッドデザイン賞受賞製品。

スペックで見る「DB-P2」

メーカー NEC
国内発売時期 1996年3月
発売時価格 3万9800円
専用/汎用 専用
OS MS-DOS
OSバージョン 3.10
サイズ(※最厚部) 115(幅)×185(奥行き)×19(高さ)ミリ
重量 約310グラム(単3電池込みで約360グラム)
解像度 320×400ドット
ディスプレイ 液晶
カラー/白黒 モノクロ
画面サイズ 5.6インチ
通信方式 なし
Bluetooth なし
内蔵ストレージ デジタルブック2冊分の容量
メモリカードスロット なし
バッテリー持続時間(メーカー公称値) 約10時間(アルカリ電池使用時)約2.5時間(専用バッテリーパック使用時)
タッチ操作 非対応
対応フォーマット MS-DOSフォーマット
コネクタ FDD接続用専用コネクタ
電子書籍ストア なし
その他 オプションの専用フロッピーディスクユニットでデジタルブックを転送
最終更新日:2014年8月27日

写真で見る「DB-P2」

右60度傾斜外観 DB-P1に比べて大幅にスリムになったボディ。画面サイズや比率は現行の電子書籍端末に近く、画面下のボタンで操作する。タッチ操作には非対応
本体を持った写真 従来モデルでは画面右にあった前ページおよび次ページへの移動キーが右下へと移動し、ボタン類はすべて下部にまとまった
CDとの比較 画面サイズは5.6インチで、比率は5:4とやや独特

単体正面 正面。画面下段の左から上下左右キーと、機能、取消、次頁、前頁、目次の各キーが並ぶ
左側面 左側面。特に端子類はない
右側面 右側面。スライド式の電源キーとストラップホール、電源コネクタのほか、FDDおよびPC-98との接続に使用するコネクタがカバーに覆われている

上面 上面。新たに光通信機能を搭載し、2基の本製品でデータのやり取りが行える。従来モデルにあった液晶のコントラストの調整キーは本体メニュー内に移行した
底面 底面。特に端子類はない
裏面 裏面。中央に深めのスリットがある。下段は電池ボックス

単3電池×2本で駆動する 単3電池×2本で駆動する
カバーを開くと、FDDおよびPC-98との接続に使用するコネクタが現れる カバーを開くと、FDDおよびPC-98との接続に使用するコネクタが現れる

起動画面 起動画面。MS-DOS ver 3.10の表示がある
メニュー画面 メニュー画面。コンテンツはフロッピーから転送する。本体内には従来の2倍、2冊のコンテンツが保存できるようになった
日本語コンテンツを表示したところ 日本語コンテンツを表示したところ。縦書き、横書きそれぞれに対応。フォントサイズは固定されている

ページ指定ジャンプのほか、検索、拡大、辞書検索、マーカーといった機能を備える。自動ページめくりなどの機能もある
ゲームコンテンツも多数用意され、中でも囲碁や将棋関連は人気を博した。本モデルでは赤外線を用いた対局機能も追加されている

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