優しい気持ちで泣けるおじいちゃん4コマ『ぱじ』私設図書館シャッツキステ63冊目

本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。今日はエリスからの紹介です。

» 2014年08月01日 12時00分 公開
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 夕日が落ちたあとの涼しい風にほっとする季節。夜風のそよ吹く街の片隅に、メイドが営む私設図書館がありました。

 そこには書架を守る司書メイドがいます。ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。司書メイドの好感度を上げようと、今日もお気に入りの1冊を持って、書架にメイドがやってきます。

優しい気持ちで泣けるおじいちゃん4コマ『ぱじ』

エリス

うぇえええん。


ミソノ

あらあらエリスさん、どうしたんですか?


エリス

この4コマ漫画を読んでいたら、もう何度も読んだ本のはずなのに、また泣いてしまったのです。


『ぱじ(愛蔵版コミックス)』(村上たかし/集英社) 『ぱじ(愛蔵版コミックス)』(村上たかし/集英社)

エリス

お父さんがコロリと死んで、お母さんがポロリと死ぬ……こんな悲しい1コマから始まる4コマ漫画がかつて存在したでしょうか! 『ぱじ』って可愛いタイトルだわ〜と思い、ふらりと手に取ったが最後、まずその名前の由来で泣くことになります。

主人公のももちゃん(4才)は、お父さんとお母さんを交通事故で亡くしてしまい、おじいちゃまと2人で暮らしています。パパ代わりのおじいちゃんなので、「ぱじ」という名前なのです。


ミソノ

小さな子の境遇が変わってしまうお話は、胸が痛いですね……。ぱじという名に込められた、一人二役でがんばるおじいちゃまの姿が脳裏に浮かんできます。


エリス

はっ! でも誤解しないで下さい、私が泣いていたのは悲しいストーリーだからではありません。どんなに悲しい事が起きても、仲良く寄り添って笑顔で毎日を送るももちゃんとぱじが、あまりにも幸せそうでじ〜んと感動して泣いてしまったのです。

著者の方が巻末で「他愛のない、うつくしい話を描きたかった」とおっしゃっているように、2人は日々の何気ない幸せをとても大事にするのです。お話は、ももちゃんとぱじの2人の生活を中心に、近所のおじいちゃまやおばあちゃまとのほっこりするお話が、4コマ漫画形式で描かれています。大きなお話の流れとしては、ご両親が亡くなったり、ぱじが失職したりと大変なことがいろいろと起きるのですが、4コマ漫画だからこそ1つ1つのお話は面白くて、ほっこりじ〜んとくるお話になっているのだと思います。


ミソノ

2人の暮らしをずっと見守っていたい、そんな気持ちになりますねぇ。


エリス

何よりおじいちゃまっ子として育った私には、ぱじが萌えキャラ過ぎてたまりません。「きてぃ」の発音が出来なくて「きてー」と書いていたり、きちんとした身なりに帽子をかぶるファッションだったり、夏の半袖シャツから見える細くしわしわの腕だったり、ももちゃんのために懸命に頑張る姿だったり……おじいちゃまを思い出してキュンキュンします。


ミソノ

私も幼いころ、祖父に「『スパゲッティー』って言ってみて!」なんてねだった事がありました。祖父は「すぱげっちー」と何度も応えて、私を笑わせてくれたものでした……。


エリス

過ぎてしまった「あのころ」を思い出と一緒に振り返る……そうそう!

各章の間に描かれている、咲田家のアルバムというコーナーがこれまた素晴らしいのです! ぱじの若かりしころの写真に、誠実で勤勉そうな文字で記された撮影日時と場所。この若かりしころを経て、今のぱじがあるのだわと思うとより一層興奮してしまいます! ああ、作者さまはおじいちゃま萌えの何たるかを熟知してらっしゃる!!! た、たまりませんわ!!! ハァハァ……!


ミソノ

あらあら、さっきまで泣いていたと思ったら。いつものエリスさんに戻って安心しました。


エリス

作者の村上たかしさんが描かれた人気作品『星守る犬』も、泣ける作品としておすすめですが、あちらは号泣してしまうので……。ほっこり幸せな気持ちでほろりと泣きたい、そんな気分の時には『ぱじ』をオススメしたいです。


ミソノの好感度パラメーター

本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?

エリス:38% レイラ:66% サヤ:71%


本日のメイド

ミソノ ミソノ:いつもニコニコ、図書館を影から支える司書メイド。好きなジャンル:絵本、児童書、旅行記、本、紙、図書館
エリス エリス:ちょっぴりドジなお姉さま?! シャッツの総メイド長。黒髪ロングがそろそろ膝に達しそう。好きなジャンル:ホラー、古代文明、イラスト、ビジネス書、少年マンガ

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