男前系妄想女子、upppiで“俺の嫁”を創作してみる

「俺の嫁創作コンテストでその力を存分に発揮してほしい」――そんなミッションが編集長から下された。カップリング妄想は大好きだが、個人出版はしたことがないわたしがupppiで初体験。

» 2013年06月10日 13時45分 公開
[渡辺まりか,ITmedia]
俺の嫁創作コンテスト

 「俺の嫁創作コンテストでその力を存分に発揮してほしい」――カップリング妄想が趣味だと日ごろから喧伝していたわたしにeBook USERの編集長は静かにそう言った。「俺の嫁」という言葉が意味することはもちろん知っているが、それを真顔で言われたことに思わず吹き出しそうになった。

upppi 電子書籍投稿&編集プラットフォーム「upppi」

 平静を装いつつ詳しく聞くと、「俺の嫁創作コンテスト」は、電子書籍の投稿・編集プラットフォーム「upppi」で開催されている投稿コンテストだという。eBook USERはそれに協賛しており、その紹介をしてほしい、というのが新米編集者のわたしに与えられたミッションだった。

 募集作品は「理想の『俺の嫁』をイメージした妄想ショートショート」。文字数は2000文字から4000文字程度。嫁の次元や性別・種族は問わず、純愛・官能・ゆるふわ・SMなど、ジャンルも自由だという。妄想を他人に公開するのは少し気恥ずかしいなと思っていたが、upppiは同好の士が多く集まり、公開された作品には読者が感想などのコメントを寄せ、それを参考にして著者が内容の修正や改訂が行える創作環境として確立されているので、その心配は無用だと告げられた。

個人出版って簡単じゃないか

 簡単な説明を受けた後、何はともあれやってみないと始まらない、ということで、実際にupppiでコンテストへの作品投稿を試してみた。upppiのWebサイトを見ると、俺の嫁創作コンテストのエントリーはすでに30作品ほどが並んでいる。コメントがついた作品を幾つか見てみると、そのほとんどが前向きな意見で、それを参考に作者が改訂を加えている様子が確認できる。これは楽しそうだ。

 作品の投稿は、ユーザー登録を行った後、画面右上の「作品を掲載」ボタンから行える。こうした作品投稿自体が初めてのわたしは、「個人出版は意外と大変」という先入観を持っていたが、結論を先に書くと、upppiでの作品投稿はとても簡単だった。

 作品投稿は全部で7ステップあるが、それぞれのステップですべきことは明確だ。例えば最初のステップでは、タイトルを決め、簡単な作品紹介、そして有料販売をするかの選択(俺の嫁創作コンテストは無料での公開を選択する)。作品本文は、Webブラウザ上で直接入力していくこともできるし、テキストファイルやEPUBファイルなど、すでに手元にある原稿をアップロードすることもできる。

作品投稿手順その1。タイトル・解説などの入力。紹介文は省略できない
作品投稿手順その2。作品本文の入力。ここでは画面上で直接入力したが、プルダウンメニューからファイルのアップロードなども可能

作品投稿手順その3。表紙画像の設定。後述するが表紙画像はぜひ設定しておきたい
作品投稿手順その4。作品分類の指定。コンテスト参加設定のプルダウンメニューから「俺の嫁創作コンテスト」を指定することで自動的にエントリーとなる。必要に応じて検索用タグを設定することで、読者の目にも止まりやすくなるだろう

作品投稿手順その5、6。公開範囲は「誰でも閲覧可」に。編集権限をほかのユーザーに与えて共同編集なども可能だが、ここでは「自分のみ編集可」にした
投稿ボタンを押すと最終確認画面に。利用規約の確認にチェックを入れれば公開できる

 設定はどれも迷うところなくスルスルと進めていけるが、「作品分類を指定」のステップで、「コンテスト参加設定」のプルダウンメニューから「俺の嫁創作コンテスト」を選択するのを忘れないようにしたい。これが選択されていないと、コンテストへの応募とみなされないからだ。なお、これを選択すると、作品の検索用タグに「俺の嫁創作コンテスト」が自動で付与される。もちろん、こうした設定は後からでも変更できるので、神経質にならなくとも大丈夫だ。

 はっきり言って、素人のわたしでも、何ら迷うことなく投稿できてしまった。投稿後ほどなくして、upppiのサイト上に自分の作品が表示されたのを確認して、少しうれしくなった。

すぐに公開された。upppiではブラウザ上ですべて読むことができる

 こうして何の苦労もなく作品を公開できてしまったわけだが、公開後、「これは必須だな」と思う要素も発見できた。

 それは、表紙画像の設定だ。表紙画像の登録は任意で、登録しない場合はデフォルトで用意されている書影が適用されるが、これはとても味気ない。表紙画像を登録したものと比べれば、見た目のインパクトもまるで違う。折りしもupppiでは「BL小説表紙コンペ」というカバーイラストの公募も実施しているが、なるほど表紙はとても重要だなと思う。読者の興味を喚起するためにも、作品の顔となる表紙は適切に設定したいところだ。

同コンテストの応募作品。ほかの作品が表紙画像をきちんと設定し、見栄えのよいものになっている中、デフォルト画像の私の作品はいかにも味気ない。表紙画像は設定しておきたい

 ともあれ、コンテストへの応募はこれで完了。残りの時間は改訂の作業に充てたいと思うが、私の勝手な妄想に本当にコメントが付くのかドキドキする。これも個人出版といえるだろうが、読者とともに作り上げていくupppiのスタイルは、孤独なイメージがあった出版を身近なものにしてくれそうだ。作品の募集期間である6月25日(午前9時59分59秒)まで、わたしも著者として、一読者としてこのコンテストを楽しみたいと思う。

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