東京ビッグサイトで開催された「第4回教育ITソリューションEXPO」にソニーの「デジタルペーパー」端末試作機が出展されていたので、その試用感を動画とともにレポートする。
ソニーが5月13日に発表した13.3インチ「デジタルペーパー」端末。15日に台湾E Ink Holdingsが正式発表したフレキシブルモノクロ電子ペーパーパネル「E Ink Mobius」を採用した同端末だが、15日から東京ビッグサイトで開催されている「教育ITソリューションEXPO」のソニービジネスソリューションブースで参考展示されていた。
発表されて日が浅いということもあり、同ブースには同端末を実際に確かめようと多くの人が並んでいたが、遠目にも分かる13.3インチ(1200×1600ドット)という大画面。記者の順番が回ってきた時、その大きさに驚いたが、実際手にしてみると、その軽さにさらに驚いた。担当者によれば、「Mobiusを採用したのは、そのフレキシブル性を生かすためというより、軽さのため」とのこと。実際の重さはカタログスペックで358グラムだが、その大画面とのギャップで軽量性が際立って感じられる。
展示されていた試作機には、Excelで作成した3D縦棒グラフがまるで紙に印刷されているかのように滑らかに表示されており、またグラフ下のデータテーブルの小さな文字もつぶれずに読むことができた。
紙の場合、1つの資料に複数ページある場合には、パラパラとめくることができるが、同端末では、全体を見渡せるよう縮小表示させ、目的のページを素早く見つけて表示させることができる。その際にも大画面ディスプレイは威力を発揮していると感じた。
タッチパネルは電磁誘導方式ペン入力に対応しており、付属のペンで紙のように書けるとのことだったので、ペンの太さは二段階。実際に書いてみると、滑らかで、まるで紙のように筆跡が追従し、ストレスなく筆記できた。マーカーや付せんメモ機能も用意されており、PDFに筆記すると、特別な保存作業なしに保存される。(試作機にはメニューに『Save as New』という項目もあったため、別ファイルとして保存することも可能)。
誤って記入してしまった場合、「消しゴム」機能が用意されているが、よくあるペイントソフトのように消したい個所すべてをなぞる必要はなく、数文字記入した場合はそれらを一直線になぞれば、また、ワンストローク消したい場合にはその線のどこかをペン先でタッチすれば素早く消すことができ、こちらもストレスなく操作できる。
デフォルトで、ペンの種類や消しゴムなどを選ぶためのツールボックスはドキュメント上部に表示されるが、その近辺から書き始めると、自動的に下部へと移動する。筆記の邪魔にならないようにとの配慮とのことだった。
「ノート」機能も用意されており、PDFへの書き込みだけでなく、まっさらなノートブックに書き込むかのように必要な情報を書いていくこともできる。なお、このノートもいちいち保存操作をする必要はなく、閉じれば自動的に保存される。また、指先で左にスワイプすれば、次の新しいページが表示される。
全体的に操作感は良好で、「デジタルペーパー」の名にふさわしく、紙のように扱えるため、大学の講義などで、テキストだけではなく、今まで人数分印刷していた教材を、作成後にサーバーに保存、出席者がそれをダウンロード、必要な情報を書き込んでいく姿が容易に想像でき、効率化、ペーパーレス化に貢献できると感じた。
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