これでもう迷わない、電子書店完全ガイド――eBookJapanあなたに合った電子書店を見つけよう(1/5 ページ)

eBook USERがお届けする国内の主要な電子書店の徹底レビュー。そう、これは“書店のレビュー”だ。今回は「eBookJapan」を紹介する。

» 2012年12月28日 08時00分 公開
[鷹野 凌,ITmedia]

 電子書籍というと、どうしても「どの端末がいいかな?」とハードウェアありきで考えがちですが、筆者は「どの端末を選ぶか?」より「どのストアを選ぶか?」の方が重要だと考えています。読みたい電子書籍を探したり、購入したり、読むためのツールを提供したり、保管したりといった、総合的な「サービス」を提供しているのが電子書店だからです。

 この特集では、それぞれのサービスをじっくりと時間を掛けて使い込んだ筆者とeBook USER編集部が、国内の主要な電子書店を徹底解説します。「本当によいストアはどこなのか?」を知るガイドにしてください。この内容は定期的にアップデートし、サービスとしての電子書店の成長をつぶさにお届けします。

 本特集では、以下の5つの要素に基づき電子書店をレビューしていきます。

 各項目について、3点を平均とし、いい所があれば加点、悪い所があれば減点という形で評点を付けます。記事の最後に、これらの評点結果をチャートグラフにしたものを用意していますので、そちらも参考にしてください。

eBookJapan

第10回目は、「eBookJapan」をレビューします。株式会社イーブックイニシアティブジャパンの運営する電子書店です。出版社に勤めていた現会長が2000年5月に独立・創業したベンチャー企業で、昨年10月には東証マザーズへ上場(証券コード:3658)を果たしています。「SAVE TREES!」を合言葉に、12年間ずっと電子書籍1本でやってきた会社です。

 eBookJapanは、コミックを中心としたラインアップをebiという独自の画像形式フォーマットで配信してきましたが、つい先日.bookやXMDFといった他のファイル形式にも対応、「総合書店」として展開するようになりました。マルチデバイスに対応しており、「トランクルーム」というインターネット上にファイルを保管できるサービスをいち早く開始した電子書店でもあります。

ラインアップは充実しているか?

 eBookJapanのWebサイトを開くと、上部に総ラインアップ数が表示されています。2012年12月14日時点で7万1130件が配信中です。

 次に、ジャンル別の数字をチェックしましょう。以下の数字はPC Webでトップページに表示されているものですが、これとは別にPCでは閲覧できないタイトルが約3000ほどあるそうです。ダイナマイツについては後述します。

ジャンル 作品別
少年・青年マンガ 33668
少女・女性コミック 21767
ハーレクイン 4735
総合図書 4831
ダイナマイツ 4785
eBookJapanのジャンル別ラインアップ(2012年12月14日時点)

 もう少し細かいジャンル分類でチェックしてみます。[成人向け作品の閲覧]設定を[閲覧する]にした状態で、各ジャンルの[もっと見る]ボタンからタイトル別と作品別の点数を調べました。複数ジャンル登録されている作品が若干あり、合計すると約7万3000件になります。

ジャンル タイトル別 作品別
青年マンガ 4335 21251
少年マンガ 2336 14944
少女コミック 3587 10615
女性コミック 1664 4018
ティーンズラブコミック 1556 2408
レディースコミック 316 587
ティーンズラブ小説 65 78
ボーイズラブコミック 2546 3734
ボーイズラブ小説 587 686
ハーレクインコミック 1865 1974
ハーレクイン小説 2751 2761
文芸書 1508 2278
ノンフィクション 218 273
ビジネス 65 77
カルチャー 889 1244
学術 596 979
写真集 236 323
ライトノベル 27 48
ダイナマイツコミック 1840 2716
ダイナマイツ写真集 814 1942
官能小説 123 127
eBookJapanのジャンル別ラインアップその2(2012年12月14日時点)

 コミックの点数に関しては、これまでレビューをしてきた電子書店の中では頭1つ抜き出ています(☆+0.5)。作品別点数だけで言えばhontoの方が多いですが、hontoはいわゆる「ケータイ小説・コミック」と同じ形態で配信されているものも多く、タイトル数はそれほど多くありません。eBookJapanでも同様の形態で配信している作品はありますが、その数は少ないです。つい最近まで集英社コミックの取り扱いがなかったのがネックでしたが、11月6日から配信を開始して死角がなくなりました。

 一方、リフロー形式への対応は最近始まったばかりということもあり、一般的な書籍や雑誌の取り扱いはまだ少ないです(☆-1.5)。同社のプレスリリースによれば、近日中に約3万冊分を順次配信とのことなので、今はまだ「コミック専門店」ですが、「これから総合書店になる」ための1歩を踏み出した段階ということになるでしょう。

評点:☆2.0

       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.