DC Comicsの電子版コミック販売、前年比200%超の増加

DC Comicsは紙版が店頭に並ぶと同日に電子版を入手可能にした初の大手コミックブック企業だ。その戦略は、昨年比で200%超の売り上げ増加を記録するという成功につながっている。

» 2012年11月12日 15時53分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 DC Comicsは2011年に戦略的電子化原理を採用し、紙版が店頭に並ぶと同日に電子版を入手可能にした初の大手コミックブック企業だ。幅広い読者に訴求するための一手だが、それは功を奏したようだ。同社は先日、昨年比で200%超の売り上げ増加を記録したことを発表した。

 DC Comicsが売り上げを記録的に伸ばしている理由の1つは、同社のコンテンツ流通システムにある。AndroidやiOSといったあらゆる大手プラットフォームへのアプリ展開がその鍵だ。同社はComixologyと提携して自社アプリの提供を行っており、コンテンツも同社を通じて販売している。DC ComicsはApple、Amazon、Barnes & Nobleと1号ずつのコミックブックと合わせてグラフィックノベルを販売することでも最近合意に至っている。

 DC Comicsは一連の電子版限定コミックブックも制作している。それらの作品はSmallville、Batman Beyondといった既存のTV版フランチャイズからのスピンオフだ。これらの作品は『Buffy the Vampire』がそうだったように、より一般的な読者に訴求している。

 「電子書籍は全体的な売り上げを加速的に押し上げた大きな要因だと考えています」とDC Entertainmentの電子化担当副社長、ハンク・カナルツ氏はVentureBeatのインタビューで語った。「コミックショップが近所にない人もいるので、電子化が達成できることを実際に証明しています」。

 電子領域でDC Comicsが非常に成功している主な理由はタブレットユーザーが増え続けているからだと思う。Kindle Fire、NOOK Tablet、kobo arc、iPadは価格面でかなり買い求めやすくなっており、コミックの愛好者にユニークな読書体験をもたらしている。DC ComicsのコミックはiPad Retinaディスプレイモデルを利用すると見た目が実に素晴らしく、HD版では色彩が非常に豊かだ。最近のバットマン三部作、公開予定のスーパーマンといった予算額の大きな映画が読者をとりこにするのにも一役買っている。

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