ネットと紙のカリスマ作家がタッグで送る、夢のWeb漫画――新「ワンパンマン」胡瓜の「このWeb漫画読もうぜ!」第12回

新都社から火がついたONEさんの人気漫画「ワンパンマン」を、「アイシールド21」でおなじみの村田雄介さんがリメイク――。ネットと紙の人気作家がコラボレートした新「ワンパンマン」は、今最も熱いWeb漫画の1つといえるだろう。

» 2012年07月12日 07時00分 公開
[山田胡瓜,ITmedia]

 数あるWeb漫画の中でも高い人気を誇る「ワンパンマン」という作品がある。漫画投稿サイトの新都社で2009年に連載がスタートし、同サイトの人気漫画の1つとしてファンに愛されてきた。現在は作者のONEさんが運営する作品サイトで掲載されており、こちらでもすでに1000万以上のアクセスを集めている。

 実は今、このワンパンマンのリメイク作品が集英社の漫画サイト「となりのヤングジャンプ」で連載中だ。原作は当然ONEさんなのだが、作画はなんと「アイシールド21」の村田雄介さんが担当。圧倒的な画力とダイナミックな構図でジャンプ読者を魅了した村田さんが、リメイク版ワンパンマンでもその実力を惜しげもなく発揮している。

photo リメイク版ワンパンマンのカラーイラスト。カッコ良すぎるだろ(C)ONE・村田雄介/となりのヤングジャンプ・集英社
photo サイタマは相変わらずハゲている(C)ONE・村田雄介/となりのヤングジャンプ・集英社

 ワンパンマンは、次々と現れる怪人とヒーローらが闘うという分かりやすいバトル漫画。ユニークなのは、主人公であるサイタマが誰でもほぼ一撃(ワンパン)で倒してしまう圧倒的パワーを持っている点だ。ライバルもいない、成長の余地もあまりないという、ヒーロー漫画の主人公としてはあまりに面白みにかける設定を、逆に面白おかしく描いている。一方でサイタマの周りにいるヒーローたちは勝ち負けの見えない手に汗握るバトルを展開していて、王道的なバトル漫画の楽しさもちゃんとある。

 リメイク版では物語の展開をほぼ忠実に再現しつつ、村田さんの緻密な描きこみが作品に新たな命を吹き込んでいる。例えばサイタマに漂うやる気のない感じは健在なのだが、凄んだときのイケメン度が全然違う。サイタマでさえそうなのだから、元からイケメン設定のジェノスのかっこよさは圧倒的だ。5話で登場するモスキート娘は、倒すのが惜しいほどにセクシー。こうなると地獄のフブキといった女性キャラクターの登場が待ち遠しくなる。


photo ジェノスさんマジイケメンです……(C)ONE・村田雄介/となりのヤングジャンプ・集英社

 原作を読んでいる人にとっては、「あのキャラ・あのシーンがこんな絵になるのか!」といった新鮮な驚きがある新「ワンパンマン」――。Webと紙のS級作家がタッグで送るこの痛快エンタテインメントは見逃せない。

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