Kobo、リアルタイムセールスダッシュボードを発表BookExpo America Report

BookExpo America 2012でKoboは新端末こそ発表しなかったが、新自主出版プログラム「Writing Life」は電子書籍の販売に対する効果的な一手として作家や出版社から注目を集めた。

» 2012年06月12日 12時30分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader

 BookExpo America(BEA)は電子書籍市場における新製品や新機能が少しだけ披露される場だ。BookExpo America 2012でKoboは、昨年群衆に向けて放った「Kobo Touch eReader」のような新製品を発表しなかったが、今年彼らが放った一撃は少なくとも著者と出版社にとって同じくらい革新的なものかもしれない。


 今朝のKoboの討論会で、同社は新自主出版プログラム「Writing Life」を発表した。Koboのケビン・アンダーソン氏は最新の地域別データとリアルタイム販売情報を提供するこのツールに対する同社の興奮をありありと語った。

 自主出版を行う者にとって、最も刺激的な機能の1つはKoboが展開するすべての国で自主出版できることに加え、著者がそれぞれの国ごとに価格を設定できることだ。大手出版社なら、サイン会の効果を測定したり、契約作家の1人が出版旅行に出ていれば、地域ごとの売り上げの変化を観察したりもできるだろう。自分の本がGoodReadsでレビューされるたびに著者へ通知するシステムも経験を積んだインディー作家にとって重要になりそうな追加機能だ。

 Koboチームが本当に興奮しているのはユーザーにリアルタイムデータを提供できることだ。「誰よりも優れたデータを提供したいのです」とKoboのマイケル・タンブリン氏は語る。

 Koboの自主出版サービス部長、マーク・ルフェーブル氏は、インディー作家と仕事をする点でもこのサービスが重要になることを説明しつつ、「駆け出しのライターをサポートすることにわれわれは注力しています」と話す。

 今年のBEAとIDPF Digital Bookで議論の的となったのは、DRM付き電子書籍とDRMフリー電子書籍のジレンマだったが、Writing Lifeでは、著者と出版社が自身でDRM設定を選択できる。

 Writing Lifeは現在β版で、完全なローンチは3週間以内と予測されている。

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