シャープの電子書籍ストア「GALAPAGOS STORE」がクラウド対応を発表した。Twitter/Facebook IDでのログインも可能にし、生活動線型サービスの情報配信を拡充するなど、順当な進化を続けている。
シャープは4月20日、運営する電子書籍ストア「GALAPAGOS STORE」のサービスを大幅拡充、クラウド上でデータを一元管理できる「ネット書庫」機能などを新たに追加した。
今回新たに追加された「ネット書庫」は、ユーザーが購入した電子書籍のバックアップなどをクラウド上で行えるというもの。GALAPAGOS STOREではこれまでも、必要に応じてストアから再ダウンロードすることができたが、ネット書庫はユーザーの購買履歴に基づく書庫をクラウド上で提供している。同日付けで専用アプリの「GALAPAGOS App」がアップデートされており、アプリ内のブックシェルフ(本棚)にネット書庫が追加される。特別な操作は不要で、購入した電子書籍コンテンツが並んでいるのを確認できる。
これまでGALAPAGOS STOREは、「購入したらすぐに手元の端末で読める」ことを重視し、ローカルのストレージに電子書籍コンテンツをダウンロードする方式を採ってきた。購入した電子書籍ファイルがダウンロードできるのは、ユーザー側にバックアップの機会を与える反面、その管理はユーザーに委ねられる。電子書籍コンテンツのファイルは、容量の小さいもので数メガバイト、コミックや雑誌などで数百メガバイト。テラバイト級のHDDの普及により、PCであればさほど気にならないサイズだが、現在のスマートフォンやタブレットのメモリ容量では結構なサイズとなる。そのため、やむを得ず端末から削除したり、microSDカードを買い足したりして対応するのも珍しくない。
それが今回、ネット書庫を用意したことで、購入済みのコンテンツはネット書庫に自動でバックアップされ、ユーザーは読みたいときに購入済みのコンテンツを簡単な操作で取り出せるようになった。マーカーやしおりなどの情報もネット書庫に保存できるので、複数の端末でより便利にコンテンツを楽しむことができる。ストアからの再ダウンロードではなく、クラウド上にある自分の書庫から取り出すというネット書庫の提供により、ローカルストレージとクラウド、それぞれが備える利便性を生かしたい考えだ。
また、これまでコンテンツの購入はGALAPAGOS App内でのみ可能だったが、同日からGALAPAGOS STOREのWebサイト上でもコンテンツを購入できるようになった。購入したコンテンツはPC上では閲覧できないが、ネット書庫に自動的に並ぶようになっている(ネット書庫はアプリ内でのみ確認できる)。さらに、TwitterやFacebookのアカウントでログインできるようにし、利用のハードルを大きく下げたことも見逃せないポイントだ。
ここまでは全体的にiOS対応も見据えたサービスの交通整理といった印象だが、このほかにも生活動線型サービスの拡充も進んでいる。
GALAPAGOS STOREでは、グリーやバンダイチャンネルなどのコンテンツプロバイダーと連携し、書籍以外のさまざまな情報もアプリ内の「コネクトゲート」で提供しているが、従来の5社に加え、新たにニッセン、ドワンゴ、ビデオマーケット、モバオクが参加。ニッセンのカタログ情報やモバオクのファッション・ブランド情報など、今回は特にショッピング系のコンテンツサービスが拡充されており、多彩な情報を提供するプラットフォームに進化しつつある。
今後、ゴールデンウィークの長期連休に合わせて「まとめ買い特集」や、辞書コンテンツのキャンペーン企画が進んでいるようだ。こちらについても情報を入手次第、取り上げていく。
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