Amazon、店舗立ち上げを準備

今週、多くのメディアがAmazonのリアル店舗オープンに関するニュースを届けた。その多くが情報ソースとしているGood e-Reader Blogのスクープをお届けしよう。

» 2012年02月09日 14時00分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader

 Amazonの関係者が語ったところによると、同社は今後数カ月内にシアトルで自社店舗を立ち上げる予定だ。このプロジェクトはマーケットを測り書店チェーンがもうかるかどうかを確かめるための試みとなる。Amazonは成長を続けるAmazon Exclusivesラインの書籍に主に重点を置き、自社の電子書籍リーダーとタブレットを販売する小型ブティック形式の店舗を計画している。

 シアトルはAmazonが本拠地を構え、テクノロジーに精通したマーケットとして有名で、リテール領域で何らかの実践に基づく経験を得るには完ぺきな場所柄だ。関係者によるとAmazonは何千平方メートルもの巨大店舗を立ち上げしようとしているのではない。代わりにブティック形式の店舗を立ち上げ、高い販売マージンが見込めるハイエンド商品のみ取り扱いする。Amazonの意図は主にKindle電子書籍リーダー全種類とKindle Fireを積極的に販売することだ。同社はケース、スクリーン保護シートやUSBアダプターなど大量のアクセサリーも取り扱いする予定だ。

 Amazonは、同社にとっては珍しいことではないがペーパーカンパニーを通じて、すでに店舗のレイアウト設計の契約を交わした。Amazonが新製品をFCCに申請するとき、同社は常に開発している製品が何か競合に知られないように常に匿名の代理会社を通じて申請を行なっている。実際にどの企業と店舗開発に当たっているの明らかではないが、うわさによればドイツ拠点の企業とのことだ。

 店舗自体は電子書籍リーダーやタブレットといった製品だけでなく、Amazonの書籍も販売する予定だ。Amazonは最近、自社出版部門を立ち上げ、多くのインディー作家や有名作家が同社のためだけに執筆するように囲い込みを行った。これによりBarnes & Noble、Indigo、Books-A-MillionといったライバルたちはAmazonの印刷書籍を在庫しないと宣言した。Amazonの店舗立ち上げにより顧客は店舗で書籍を購入し、店舗に立ち寄った際にWi-Fi経由で電子書籍をダウンロードして試すことができる。

 これは素晴らしいニュースで、Amazonは店舗立ち上げの試みで力強い一歩を踏み出し、素晴らしいポジションに立った。同社は主にこの新たな店舗の動向を見定めるために地元で小型店舗を立ち上げようとしているが、これは巨額の税金支払をいかに回避するかを把握するためでもある。ここ数年、Amazonがオンラインで商品を販売し、ある場所に流通センターを構えている場合にのみ州税を支払っているので、税金にまつわる大きな論争を巻き起こしている。店舗を構えるということはAmazonがより多くの税金を支払うということで、同社は現在店舗立ち上げ前に流通と税制の抜け穴を分析している。

 初の店舗立ち上げの予定は利益の上がるホリデーシーズン時に便乗するために年末前になりそうだ。店舗はAmazonの出版レーベルが正式に立ち上がり、初回刊行が予定されている秋にかけて開店するのではないか。筆者はAmazonが獲得できるメディアへの露出を最大化するためKindle Fire 2が公開されてからすぐに店舗を立ち上げるのではないかと推測している。

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