Cybook Odysseyの実機体験2012 International CES

2012 International CESで展示されていたBokeen Cybook Odysseyを実際に触ってみると、2012年は電子ペーパーを採用した端末が大幅な機能強化を遂げるように感じる。

» 2012年01月13日 13時30分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 ラスベガスで開催されている2012 International CESの会場に来ている。ちょうどBokeen Cybook Odysseyの実機に触ったところだが、実に素晴らしかった。筆者がこれまで利用したことのある電子書籍リーダーの中で最も反応がよい。1年以上掛けて開発されたHSISと呼ばれる新技術と、プロセッサを開発したTexas Instrumentsとの2年に渡る協力関係のたまものだ。デバイスの見所はアニメーションが利用されたスクロールするメニューで、これによりユーザーはさまざまな素晴らしいことができる。

 ユーザーがデバイスの電源を入れて最初に目にするのがホーム画面。最上部には最近読んだ作品が表示され、左右にスクロールするGUIを採用している。従来、E Inkディスプレイでリアルタイムアニメーションを表示することはできなかったが、Bokeenはこれをやり遂げた。

 作品を開くとカバーアートのちょっとしたアニメーションが徐々に表示され、やがてスクリーン全体に広がる。ページ送りについても、ちらちらしたり、E Inkベースのスクリーンが画面更新する挙動はほとんど感じられない。5秒以内に15ページをさっとページ送りでき、グレアの問題も生じなかった。ページ送りはタッチスクリーン操作のほか、両サイドの物理ボタンを利用できるようになっている。

 読書時に素晴らしいと感じたのは、フォントサイズと書体を瞬間的に変更できることだ。フォントは6種類で、8段階のサイズが用意されている。いずれもほぼリアルタイムで反映されるため、何かを変更する前にぴったりのフォントとフォントサイズを確認できる。デフォルトのフォントが好みでなければ、自分の好きなフォントをロードすることもできる。つまり、ユーザーはWindows ExplorerやFile Managerを利用して、Times New RomanやArielなど自分の好きなフォントを何でもコピーできるということだ。

 ノートを取ったり、注釈を付けたりして自分の本にそのデータを保存することもできる。これらのデータは、ほとんどの主要プラットフォームに対応しているXMLファイル形式でエクスポートできる。Bokeenの関係者はAdobeがDidital Editionsの新たなアップデートをリリースすれば、ユーザーはノートを保存し、それらをほかの電子書籍リーダーやPCにさえエクスポートできるようになると語った。

 メインライブラリとなる書棚は美しく、大量の作品を管理するのに非常に柔軟性がある。ユーザーはさまざまな視点を確保するためにピンチしたりズームしたりでき、5つの変更オプションがある。デフォルトでは時系列順に10冊の作品がメインの書棚に並ぶ。カバーアートのサイズを大きくしたり、2つの書棚に20冊の作品を並べることもできる。それから、スクリーン上でタップしたりページ送りボタンを押して、別の書棚やコレクションを閲覧することができる。この辺りの挙動にもアニメーションが利用されており、すべては超高速でロードされる。

 Bookeen Cybook Odysseyはデバイスが待機状態の間も処理を継続しており、これによりシームレスなアニメーション表示をしたり、E Inkベースディスプレイのリフレッシュ時の問題を避けることができる。ほとんどの電子書籍リーダーはページ送りのタイミングで即座にスクリーンをリフレッシュするが、このデバイスはユーザーがあるページを読んだりインターネットをブラウズする際の待機状態時にバックグラウンドでリフレッシュを行う。

 まとめると、Bokeen Cybook Odysseyはこれまで筆者が利用してきた電子書籍リーダーの中で最も反応がよく、スピードと電子書籍体験においてNOOK Simple Touchを凌駕する。カスタマイズ性も高く、動作の遅延はなく、本当に素晴らしい。このデバイスは最近FCCの審査を通過したが米国ではまだ入手できない。実のところ、同社は北米で同社のデバイスを取り扱い、販売してくれる業界パートナーを探し出すべくCESに参加している。

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