オープンから1周年を迎えた電子書籍ストアの中には、記念キャンペーンを実施しているところが幾つかあります。ここでは、主要な電子書籍ストアの1周年記念キャンペーンなどをまとめて紹介します。
iPadの登場で国内でも急速に盛り上がりを見せた2010年の電子書籍市場。あれから既に1年が過ぎようとしています。昨年が“電子書籍元年”だとすれば、今は電書暦2年。元年に誕生した電子書籍ストアの中には、1周年を記念したキャンペーンを実施しているところも幾つかあります。
電子書籍ストアで行われるキャンペーンでは、再販制に守られた紙の書籍では見られないような値付けが行われることも多々あります。そこで本稿では、2010年11月から12月にかけてオープンした電子書籍ストアの中から、こうしたキャンペーンを展開しているところを紹介しましょう。
まず、1周年を迎えた、あるいは間もなく迎えようとしている電子書籍ストアをおさらいしましょう。eBook USERの過去記事によると、2010年11月〜12月にかけて新たにオープンした電子書籍ストアは以下の通りです(ストア型アプリ含む)。出版社が独自に運営するものもあれば、総合書店タイプのものもあるのが分かります。
ストア名 | 提供元 | オープン日 |
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Voyager Store | ボイジャー | 2010年11月18日 |
オーム社eStore(β) | オーム社 | 2010年11月19日 |
honto | トゥ・ディファクト | 2010年11月25日 |
Yamakei Store | 山と溪谷社 | 2010年11月30日 |
学研電子ストア | 学研ホールディングス | 2010年11月30日 |
BOOK☆WALKER | 角川コンテンツゲート | 2010年12月3日 |
Google eBookstore | 2010年12月6日 | |
TSUTAYA GALAPAGOS(現GALAPAGOS STORE) | シャープ | 2010年12月10日 |
Reader Store | ソニー | 2010年12月10日 |
Zinio | Zinio | 2010年12月16日 |
ダイヤモンドブックス | ダイヤモンド社 | 2010年12月21日 |
LISMO Book Store | KDDI | 2010年12月25日 |
正確に言えば、本稿掲載時点ではまだ1周年を迎えていない電子書籍ストアもありますが、それらも今月中には何らかのキャンペーンを実施するかもしれないという期待が持てます。では、各ストアのキャンペーン実施状況を見ていきましょう。
気合いが入っているのは、角川コンテンツゲートの「BOOK☆WALKER」。「BOOK☆WALKER ナンバーワン!キャンペーン」と銘打たれた1周年記念キャンペーンでは、約200タイトルを7回に分けて特別価格で販売する「感謝プライスキャンペーン」をはじめ25件ものキャンペーンが順次展開されます。
感謝プライスキャンペーンは現在第3期に入ろうとしているところです。各期でさまざまなジャンルのタイトルが通常価格の半額程度で販売されているほか、ちょっとしたサプライズも用意されており、第2期では、『TokyoWalker』『YokohamaWalker』『TokaiWalker』『KansaiWalker』の電子版が配信開始となりました。
そのほか、『スレイヤーズ』や『マケン姫っ!』などで知られる富士見書房の作品を取り上げた「富士見書房 超攻勢キャンペーン」や、12月10日から映画が公開された『源氏物語 千年の謎』を取り上げたものなど多岐にわたります。『まおゆう魔王勇者』と『ログ・ホライズン』は強力にプッシュされ、作品の無料配信も目を引きますが、BOOK☆WALKERアプリの本棚画面を変更できるカスタムスキンを用意している辺りに角川らしさが光ります。
学研ホールディングスのiOS向け電子書籍ストアアプリ「学研電子ストア」でも12月21日まで「日替わり85円均一セール」が実施されています。これは学研電子ストアで販売中の電子書籍作品が日替わり(週末は3日間開催)で85円になるというもの。対象作品は全体の約半数で、アプリのトップページから「85円均一セール」のバナーをクリックすることで当日のセール商品を確認できるようになっています。狙った作品がいつ85円になるか、毎日アプリを起動してしまいそうです。
12月10日で1周年を迎えるソニーの「Reader Store」とシャープの「GALAPAGOS STORE」(旧TSUTAYA GALAPAGOS)。いずれも昨年の電子書籍市場をけん引した総合系ストアですが、こちらはどうでしょう。
Reader Storeでは、11月25日から優待プログラムを導入、それに関連したキャンペーンを展開していますが、1周年を記念したものはまだ見当たりません。
新たに開始した優待プログラムは、Reader Storeでの購入価格100円ごとに1Book(ブック)を付与、過去12カ月のBookに応じて翌月のステータスが決定される仕組みで、ステータスによってソニーポイントの付与率が最大3倍になります。12月31日まではBookの付与が2倍になるというのがキャンペーンのようです。毎月数千円レベルでReader Storeから電子書籍を購入するような方だと効率よくソニーポイントがたまると考えておけばよいでしょう。
Reader Storeとは直接関係ありませんが、ソニーが国内の事業開発を担当している電子雑誌配信サービス「Zinio」も日本での本格展開から1周年を迎え、「Zinio Japan 1st Anniversary CAFE」キャンペーンを開始しています。
GALAPAGOS STOREでは1周年を記念し、『「デキる大人」の電子書籍活用術』と銘打ったキャンペーンを開始しました。同ストアの特徴でもある定期配信サービスの対象雑誌(11誌)について、すでに定期購読しているか、新規に定期購読を申し込むことで最新号が100円で購入できる「雑誌100円キャンペーン」をはじめ、「新聞3カ月無料キャンペーン」、ゴルゴ13(第1巻)、賭博破戒録カイジ(第1巻)、静かなるドン(第1巻、10巻、50巻)の無料配信、『医学英和辞典』『新編 英和活用大辞典』などの「辞書半額キャンペーン」といった4つのキャンペーンで構成されています。詳しくは「シャープ広報室ブログ」をご覧ください。
また、ここでは紹介しなかったボイジャーですが、ブラウザベースの新ビューワを採用した新たなストアサービス「BinB store」を12月8日にオープンしています。こちらでは、黒澤明監督が成しえなかった映画『虎 虎 虎』の準備稿が公開されています。
そのほか、出版社系のキャンペーンとしては、電子書籍に積極的な姿勢を見せる講談社の「冬☆電書」が大規模に展開されています。同キャンペーンは、この夏に実施された「夏☆電書」に続く大型キャンペーンで、2012年1月12日まで行われます。
同キャンペーンでは、キャンペーンに参加する各電子書籍ストアに隠されたクイズバナーを探し出し、それに答えて応募する「電子書店コース」と、冬☆電書公式Twitterアカウントをフォローし、ツイートすることで応募できる「Twitterコース」の2本立てです。賞品には最新のタブレットやホテル宿泊券をはじめとする各種賞品が用意されており、かなり豪華なキャンペーンとなっています。詳しくは講談社のキャンペーン紹介サイトで確認してみてください。
なお、この冬☆電書で、森川ジョージ氏の人気漫画「はじめの一歩」が初めて電子化されました。紙の最新刊は12月16日発売予定の98巻で、間もなく100巻に達しようとしている同作品ですが、電子化されているのは現時点で10巻まで。このほか、「週刊モーニング」で連載中の『グラゼニ』や、月刊少年マガジンで連載していた川原正敏氏の「修羅の門」などの人気作品が順次電子化されています。漫画だけでなく話題の文芸タイトルなども電子化されています。
懐かしの作品や最近気になる作品など、キャンペーンをうまく活用してこの機会に手にしてみるといいのではないでしょうか。
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