出版業界ニュースフラッシュ 2011年9月第5週

出版業界で起こったニュースにならない出来事をまとめてお届けする週刊連載。こうしたトピックの中に今後のヒントが隠されているかも?

» 2011年10月01日 23時00分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

 先週出版業界で起こったニュースにならない出来事をまとめてお届けする本連載。こうしたトピックの中に今後のヒントが隠されているかも?

日販、震災返品の100%正味入帳を決定

 日販は、被災した1都11県・143店の3月11日から5月末までの返品を取次出正味で11月末に入帳。このうち、29店はデータによる返品。上位出版社1800社のうち、約6割とは被災品入帳の話し合いができているが、残りの700社強とは進展していない。同社では「交渉は継続中だが、書店支援を最優先に考え、100%入帳を決めた」とコメント。

 また、トーハンも被災返品100%入帳の方向で調整に入っており、実行に移す考え。

明治書院、月刊誌「國語と國文學」の発行元に

 月刊誌「國語と國文學」は10月12日発売の11月号から、明治書院が発行元となる。

 「國語と國文學」は1925(大正14)年創刊。東京大学国語国文学会編集の下、研究者の投稿論文を掲載する、いわば国語学、国文学研究者の登竜門的役割も担っている学術専門誌。2011年10月号をもって、ぎょうせいが発行元を降りることを決めたため、同誌の編集代表・長島弘明氏が明治書院に発行を引き継ぐことを依頼。明治書院がこれを受け入れた。

 毎月12日発売、通常号(年10号、1200円)+特集号(年2号、2500円)で年間12号を刊行、発行部数は2000部。

サンマーク出版、5点目のミリオン達成

 サンマーク出版は9月27日、「人生がときめく片づけの魔法」が36刷・10万部を重版し、累計100万部を発行したと発表した。同書は近藤麻理恵氏のデビュー作。9月30日、TBS系テレビ番組「中居正広の金曜日のスマたちへ」の2時間スペシャルに出演が決まっていたこともあり、8月18日から45万部を増刷していた。ミリオン達成は今回で5点目。

ミロブックサービス、破産手続き開始決定

 ミロブックサービスは9月14日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。

 ミロブックサービスは1968年創業。グラフィックデザイン、写真、美術、建築関連の書籍、雑誌、海外出版物を手がけていた。帝国データバンクによると、昨年12期、年間売上高は約1億円。負債は約1億2000万円。

 破産管財人は谷直哲弁護士。債権届出期間は10月12日。

読みたい本の1位、「心が落ち着く本」

 電通総研の「消費気分調査」で、秋に読みたい本の1位が「心が落ち着く本」(24.5%)となった。以下、「自分を高められる本」「実用的な本」「元気がでる本」「想像力がかき立てられる本」など。「〇〇の秋」の問いには「食欲」(51.0%)のあと、「読書」(28.4%)となった。

 9月3〜4日、20〜69歳までの男女1200人にネット調査した。

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