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» 2015年09月20日 06時00分 UPDATE

“大誤審”が広島カープを窮地に追いやる?

[新刊JP]
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 これは大きな遺恨を残す可能性がある。

 2015年9月12日、甲子園球場での広島東洋カープ対阪神タイガース20回戦、延長12回表1アウト。田中広輔の打球はバックスクリーン左のフェンスを越えて、スタンドへ飛び込んだはずだった。ところが、ボールが観客のグラウンド侵入を防ぐワイヤに当たり、グラウンドに戻ってしまう。審判はそこでインプレーを宣告、カープの緒方孝市監督の抗議によってビデオ判定が行われるが、判定が覆ることはなかった。

 試合はそのまま2-2の引き分けとなり、カープは勝ちを逃した形となった。

 しかし、どの角度から見ても、ボールはフェンスを越えていた。試合終了後、スポーツ紙は一斉に写真とともに「誤審」として報道しはじめ、そしてその翌々日には、日本野球機構(NPB)は「誤審」と認め謝罪を行うという事態に発展する。試合終了後に審判団が「誤審」と認めて謝罪をしたことは、異例中の異例の出来事である。

 元プロ野球審判員の二出川延明の「俺がルールブックだ」という有名な言葉にもあるように、審判の判定は試合において絶対である。とはいえ、カープファンとしては、ビデオ判定までしたのにも関わらず「思い込みでフェンスを越えていないと判断した」と説明されても到底納得のいくものではない。思い込みで判断されるのならば、選手やファンたちが信じているであろう「客観的な審判」とは一体なんなのだろうと思ってしまう。

チームとしては痛すぎる“誤審”だった

 人が判断するものだから、誤りが起こるのは当然のことだ。2006年に出版された『プロ野球 誤審の真相』(工藤健策/著、草思社/刊)では、「誤審」なるものが起こるメカニズムとともに審判を取り巻く環境の厳しさについて書かれている。駆け引きや責任の重さからくるプレッシャーやストレスは想像を絶するものであろう。

 広島東洋カープの松田元オーナーは今回の大誤審について、怒りを抑えつつも「反省して一生懸命向上していってほしい」と報道陣にコメントし、ひとまず事態は収束へと向かっている。

 もちろん試合はすでに決まっているので、この判定が覆ることはない。しかし、9月14日現在、1位から4位まで3ゲーム差に収まる大混戦が繰り広げられているセ・リーグの中で、カープは4位として上位を追いかける身であり、この時期の引き分けは追い上げるチームにとって「負けに等しい」ものになる。この「0.5ゲーム」の差が、後々にカープを窮地に追いやる可能性もあるのだ。

 もし、0.5差で優勝を逃すことがあれば、もしくはクライマックスシリーズ出場を逃すことがあれば、まさにこれは“世紀の大誤審”になる。そんなことを今から考えてもしょうがないのだが、この0.5差が大きな遺恨にならないような結末になることを願うしかない。

(新刊JP編集部/カナイモトキ)

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