電子書籍で読める懐かし少年ジャンプ漫画【90年代前半編】(1/2 ページ)

» 2015年08月25日 12時00分 公開
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電子書籍で読める懐かし少年ジャンプ漫画【90年代前半編】

 今回は、『週刊少年ジャンプ』で1990年代前半に連載を開始したマンガの中から、電子書籍でも読める15作品を集めました。現在、20代後半〜30代の皆さんが、思わず「懐かしい!」と胸を熱くする作品が勢ぞろいです。

90年代前半に連載開始したジャンプ作品

 1990〜1994年に『週刊少年ジャンプ』で連載を開始した作品で、現在、電子書籍で読める作品の一覧がこちら。2015年8月現在、15作品が電子化されています。

ぶくまる編集部お勧めの4作品

 ここからは、ぶくまる編集部の30代編集部員が熱くお勧めする4作品をご紹介します。

ジョジョシリーズ屈指の人気作! 『ジョジョの奇妙な冒険 第4部』

【モノクロ版】ジョジョの奇妙な冒険 第4部 1

『ジョジョの奇妙な冒険 第4部』 全12巻 荒木飛呂彦 / 集英社

 今も続く長期連載作であり、一大叙事詩ともいえる『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ。1987年から連載が始まった本シリーズは、1992年に第3部が完結し、休む間もなく、その翌週から第4部の連載が開始しました。

 舞台は日本のS市 杜王町(もりおうちょう)。第3部の主人公・空条承太郎(くうじょう じょうたろう)がこの町を訪ね、本作の主人公・東方仗助(ひがしかた じょうすけ)と出会う。高校生にして、スタンド(ジョジョシリーズにおける特殊能力)を操る仗助は、自慢の髪型を悪く言われ、いきなり承太郎とスタンドバトルに突入! 仗助と承太郎の系譜から、仗助ら高校生たちの学園ドラマまで、幾層にも重なったストーリーは、いずれ思わぬ事件へと発展していくことに……。

 本作の魅力は、「日常」を舞台としたスタンド同士の頭脳バトル。ジョジョシリーズ独特の世界観を踏襲しながら、普通に見える杜王町住民の中にもスタンド使いが登場します。サスペンス要素やオカルト要素も満載で、ドキドキしながら次のページをめくった読者も多いのでは?

 そして、作中で意外な成長を見せる広瀬康一や、好みの「手」を持つ女性を次々に殺害する連続殺人犯・吉良吉影、さらにジョジョシリーズでも屈指の人気を誇る、漫画家・岸部露伴など、個性あふれる魅力的なキャラクターも見逃せません。ちなみに、露伴が主役のスピンオフ作品『岸部露伴は動かない』もお勧め! クールでシュールなのに、どこかコミカルな彼をフルに堪能できる、ファンならずとも必読の1冊です。

 現在、第3部までテレビアニメ化され、人気再燃中のジョジョシリーズですが、第4部はファンの間で「最高傑作」との声が上がるほどの人気作。電子書籍ではデジタル彩色によるフルカラー版も配信されており、精細に描きこまれたジョジョの世界を、鮮やかな色合いで味わえます。

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オカルト×バトル×戦略の名作! 『幽★遊★白書』

幽★遊★白書 1

幽★遊★白書』 全19巻 冨樫義博 / 集英社

 『HUNTER×HUNTER』『レベルE』などで知られる冨樫義博先生の出世作。こちらも90年代前半の少年ジャンプを代表する作品の1つです。

 ケンカが強い超不良の主人公・浦飯幽助は、子供を助けて交通事故に遭い、死んで幽霊になってしまう。えんま大王さえ想定していなかった幽助の死だったが、幼なじみの螢子(けいこ)のためにも復活を決意した幽助は、生き返るための試練を与えられ、待ち受けるさまざまな困難を乗り越えていく。

 物語序盤のハートフルなストーリーとは打って変わり、第3巻からはジャンプ王道のバトルモードに突入します。中でも、「暗黒武術会編」は屈指の人気を誇るエピソードです。また「仙水編」では、特殊能力を駆使した戦略バトルもあり、後の『HUNTER×HUNTER』にも通じるゲーム性も、作品の魅力の1つになっています。

 最初は敵として登場し、後にかけがえのない戦友となる飛影や蔵馬は、当時、女性読者からも熱狂的な支持を得ました(個人的には桑原が大好きです)。また敵役にも、戸愚呂(とぐろ)兄弟や仙水忍など、非常に魅力的なキャラが多く、彼らの強さのみならず、それぞれの信念やバックボーンに引かれた方も多いでしょう。オカルト要素・バトル要素・戦略要素が複雑に絡みあう冨樫先生のストーリーは、今読んでも色あせることなく、胸を熱くします。

 テレビアニメの大ヒットでファン層を広げ、いまだに語られることが多い『幽★遊★白書』ですが、大人になった今、第1巻と最終巻を読み返してみると、終始、幽助と螢子の関係性が物語のベースにあるということに、改めて気付かされます。これは、本作のもう1つのテーマであり、魅力といえるかもしれませんね。

『幽★遊★白書』を立ち読みする

実写映画化で人気再燃! 『るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―』

るろうに剣心―明治剣客浪漫譚― モノクロ版 1

るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―』 全28巻 和月伸宏 / 集英社

 幕末時代、最強の維新志士として恐れられた伝説の剣客「人斬り抜刀斎」。彼は明治維新後、不殺(ころさず)の誓いを胸に、心優しき流浪人(るろうに)・緋村剣心となって全国を旅していた。その道中、神谷活心流道場の師範代・神谷薫と出会い、道場を奪われる危機から彼女を救ったことをきっかけに、道場に身を置くようになる。「もう人を斬らない」という剣心の意に反し、彼とその周囲の人々は大きな時代のうねりに飲み込まれ、闘いに身を投じることとなる。

 2012年から主演・佐藤健で3度に渡って実写映画化され、「るろ剣」の愛称で男女幅広い層のファンに愛されている本作。当時のジャンプでは珍しい時代物という設定、少年マンガでありながら可愛らしさのあるキャラ造形と、和月先生独特の圧倒的な戦闘描写に、読切を経て連載開始されるやいなや、絶大なる人気を獲得しました。

 日本刀をメインとした剣戟シーンは、他のバトルものとは一線を画す、独特の「華」があります。そして、剣心サイドのみならず、敵も魅力いっぱいのキャラが多く、特に一番人気のエピソード「京都編」は、宿敵の志々雄真実と、その配下の十本刀のカッコ良さにしびれた読者も多いはず。また、大久保利通や新選組の面々など、幕末から明治にかけて時代を彩った実在の人物も登場し、歴史好きな読者の心もくすぐります。魅力的なキャラクターたちが躍動するバトルマンガとしても、時代の中で師から弟子へと思いが受け継がれていく人間ドラマとしても楽しめる1作です。

 電子書籍では、電子版限定のフルカラー版をはじめ、映画化を機に描かれた『るろうに剣心―特筆版―』、志々雄真実を主人公としたスピンオフ作品『るろうに剣心 裏幕―炎を統べる―』も配信されています。

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漫☆画太郎先生と言えばまずはこれ! 『珍遊記〜太郎とゆかいな仲間たち〜』

珍遊記〜太郎とゆかいな仲間たち〜新装版 1

珍遊記〜太郎とゆかいな仲間たち〜』 全4巻 漫☆画太郎 / 集英社

 最近では数々の有名人の似顔絵でもおなじみの奇才・漫☆画太郎先生による、90年代前半の代表作。西遊記をモチーフとしたパロディマンガで、傍若無人な主人公・山田太郎が僧侶・玄じょうに連れられて天竺を目指すストーリー。

 ……と、あらすじだけでは魅力を到底伝えきれないのが、漫☆画太郎作品の難しいところ。まさに「Don’t think, feel.(考えるな、感じろ)」を体現している唯一無二の作家なだけに、ストーリー紹介はもはややぼなのかもしれません。特徴は何と言っても、他ではまねできない迫力満点の顔芸(?)。もはや伝統芸ともいえるコピーの多用、そしてたびたび登場する「1ページ丸ごと顔のドアップ」は、マンガ史に残るインパクトで、当時、腹を抱えて笑った方もたくさんいることでしょう。

 独特の画風で繰り広げられるお下劣ネタや、『DRAGON BALL』をはじめとするパロディなど、終始お騒がせな本作ですが、なぜかしばらくたつと読み返したくなる、不思議な中毒性のある作品です。

『珍遊記〜太郎とゆかいな仲間たち〜』を立ち読みする

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