インタビュー
» 2015年08月08日 06時00分 UPDATE

世界中をメイクで笑顔に! “ミワンダフル”横山美和さんインタビュー (1/2)

[新刊JP]
新刊JP

 ニューヨーク、ロサンゼルス、香港、台湾、上海、パリ……。世界中の人々を笑顔にする魔法をかける女性がいる。メイクアップアーティスト“ミワンダフル”こと横山美和さんだ。

『メイクで世界中を笑顔に!』著者の横山美和さん 『メイクで世界中を笑顔に!』著者の横山美和さん(写真提供:サンクスギビング)

 横山さんは北海道札幌市出身。大柄な男性もすっぽり入ってしまうほどの巨大なピンク色のフレームを背負い、商売道具のメイクセットを持って、世界各国を旅する。現地では路上にフレームを立てて、その中でメイクを施す。「世界の景色を切り取る」ことがフレームの役目だ。アーティスト・ミワンダフルとメイクによってさらにきれいになった女の子が、1つの「絵」になる。

 これまで、世界各国でメイクをしてきた人は1万人以上に上るという。しかし、どうしてそんな活動をしているのか? 主婦の友社から出版された『メイクで世界中を笑顔に!MAKE SMILE TRIP@Miwonderful』は横山さんにとっての初の書籍であり、彼女の半生と哲学が詰め込まれた一冊となっている。

 今回のインタビューでは本の内容をたどりながら、横山さんが本当に伝えたかったメッセージを聞いた。

(新刊JP編集部/金井元貴)


 「結構勘違いされやすいんですけど、実は内気なんです」

 最初に横山さんはそう語った。本を読んでも、世間話をしても、そんな印象は受けない。行動力のあるエネルギッシュな女性、そう感じる。

 「札幌育ちなので、東京はちょっと時間の流れが速く感じます。おしゃれすぎるとそわそわしちゃいますね。でも、東京の中でも原宿や下北沢、秋葉原辺りは肌が合うというか、本当にいろんな人がいて、海外みたいです。あとは下町! 神田とか浅草とか、門前仲町辺り。自分の気質と合ってる(笑)」

『メイクで世界中を笑顔に!』著者の横山美和さん

 自身を下町気質と分析する。義理人情に熱く、姉御肌。売られたけんかは買う…というよりも、負けず嫌い。本を開くと、横山さんを突き動かしてきたものが少しずつ見えてくる。とにかく行動を起こす、「できるわけがない」そう思われることでも「やってやる」という強い意志が見える。

 「今、わたしはメイクアップアーティスト“ミワンダフル”の活動だけじゃなく、自分で会社を立ち上げて経営者もやっています。でも、そのことで本当にいろんなことを言われるんですね。アーティストと経営者は両立できないとか、アーティストは営業するもんじゃないとか。そう言われるとシュンっと自信がなくなりそうになるときもあるのですが、『でも、やってみよう!』ってなるんですよね」

 今でこそ世界中の人々にメイクをしている横山さんだが、もともとメイクには興味はなく、専門学校に進学したのも付き合っていた人の影響だったそうだ。

 「高校の同級生からは『美和はメイク濃かったよね』ってよく言われますけどね(笑)。高校1年生のときに、ニキビが気になって固形ファンデをつけたら、めっちゃ消えて『すごい!』と思いました。放課後にみんなでプリクラ撮る前に、人よりも時間をかけてメイクをしていましたけど、誰かにメイクをしたいっていう欲は全くなかったです。

 それに専門学校に進学したのも、付き合っていた人の影響という動機だったので何も考えてなかったんですよ。だから入ってから大変。彼氏は『美容師になる!』っていう志があるのに自分は何もないし、ただ学費が掛かっているだけ。このままでいいのかなと焦りました」

『メイクで世界中を笑顔に!』著者の横山美和さん

 専門学校をやめよう――そう考えた横山さんだったが、親身に話を聞いてくれた先生の存在もあり、少しずつメイクに対するモチベーションを高めていく。そして、ひょんなことから彼女の才能が周囲に認められることになる。

 「専門学校1年生の2月に、ロサンゼルスで開かれた『インターナショナル・コスメトロジー・エキスポ』というメイクコンテストに学校のみんなと出たんです。でも、そもそもプロが集まるコンテストですよ? 『そんなすごいところに学生が出ても賞とれるわけないじゃん!』っていう気持ちだったんですよね(笑)。だから自由にやろう、と。コンテストの前日もみんなが先生の部屋で練習しているのに、自分だけロスの街を歩きまわったりして。そうしたら、5位入賞しちゃったんです。

 その大会、すごいんですよ。プロのアーティストたちは、ブラシの持ち方1つとってもすごく個性的で、パフォーマーみたいな人もいたりして、『メイクってすごい!』って衝撃を受けましたね。日本にはない楽しさを感じました」

 横山さんにとって5位入賞という結果は、メイクの腕前を磨くためのモチベーションとして申し分なかった。さらに今現在、横山さんが行っている「Make Up Tour」の原点になる大きな転機を迎える。

 「その後、メイクやファッションのイベントを見て回ったりしたのですが、『もっと面白くできるんじゃない』って思って、専門学校のメンバーで自主制作イベントをやることになったんですね。わたしがリーダーになって、5カ月くらいずっと同い年の一人暮らしをしている友達の家で作業していました。けんかもしたし、やめたいっていう子を鼓舞したり、何かもう大変でしたね。一つ一つにうれしがったり驚いたりしていました。『Tシャツ作ってもらえる人みつけた!』『映像ってすごい!』とか。当時VJ(ビジュアルジョッキー)っていう存在が広まりつつあったころだったんです。イベントが終わったときはもう感動です。みんなで抱き合って大泣きしました」

 このときの感動が、今に至るまで自分を突き動かす原動力になっていると横山さんは語る。「またやりたい」、その一心が、将来を白紙に戻した。決まっていた就職内定先に辞退を申し入れ、学校の事務員や古着屋でのアルバイトをしながらメイクのイベントを定期的に行うことにしたのだ。

 新たな人生の一歩を踏み出した横山さんだったが、ちょうど同じころ、長年付き合ってきた彼氏との別れも経験することになる。

       1|2 次のページへ

Copyright(c) 2016 OTOBANK Inc. All Rights Reserved.

ITmedia Book Club会員登録がまだの方はこちら

電子書籍/紙を問わず、読書を愛する皆さまに向け、特別な情報提供、書籍の献本、著者や業界関係者との懇親会、執筆活動を検討されている方へのサポートなどを順次提供し、皆さまの読書を強力にバックアップします。

コンテンツパートナー

新刊JP
ラノコミ.com
hon.jp
新文化通信社
Good E-Reader Blog
ぶくまる