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» 2015年08月02日 06時00分 UPDATE

名物アナ直伝! 甲子園がより楽しくなる9つのポイント

[新刊JP]
新刊JP

 今年も全国高校野球選手権大会、「夏の甲子園」の季節がやってきた。全国各地で高校球児たちが熱戦を繰り広げ、出場校の顔ぶれも決まりつつある。普段、あまり野球に関心がなくても、甲子園はテレビの前で応援するという方も多いはず。それだけ、高校野球には魅力があるということだろう。

 そんな夏の甲子園をもっと楽しく見るための一冊が『甲子園「観察力」をツーレツに高める本』(小野塚康之/著、中央公論新社/刊)だ。本書は、野球実況30年超、NHKの名物アナ・小野塚康之氏が甲子園を“9倍”楽しむ方法を紹介している。

 高校野球がモーレツに楽しくなる視点として、小野塚氏は冒頭に以下の9つのポイントを挙げて解説している。

  1. 素晴らしきエースの力
  2. 「甲子園には魔物は棲んでいる」は本当か?―絶対に起こる試合を決めるミス
  3. バントと走塁―知恵と工夫の甲子園術
  4. 三塁打がもたらすもの
  5. 初戦突破の壁
  6. ルールを知ればもっと面白い
  7. 2桁背番号の選手たち
  8. 雨は付き物
  9. 敗れて掴んだもの
名物アナ直伝! 甲子園がより楽しくなる9つのポイント 名物アナ直伝! 甲子園がより楽しくなる9つのポイント

 例えば「素晴らしきエースの力」では、小野塚氏が印象に残った年の話を披露している。

 小野塚氏にとって印象深いのは1998年。この年の高校野球界は華やかだった。鹿児島実業の杉内俊哉、東福岡の村田修一、浜田の和田毅、関大一高の久保康友、滑川の久保田智之、日大藤沢の館山昌平、沖縄水産の新垣渚など、後にプロで活躍することになる選手が実に多い。やがて松坂大輔を中心に「松坂世代」と呼ばれるようになる特別な年だった。

 小野塚氏が中継してきた中で最も印象に残っているのは、横浜高校の松坂だという。春の選抜で優勝を遂げた横浜は連覇をかけて、甲子園に乗り込んできた。順当に勝ち進み、準々決勝ではPL学園と延長17回の死闘を繰り広げた。

 そして、準決勝、明徳義塾戦で実況を務めたのが小野塚氏だ。8回表を終わって0対6。ようやく8回裏に反撃を開始。4対6となり、「4番レフト」で出場していた松坂が、ベンチでテープをはがし始める。高校野球ファンならずとも、この試合を見ていた人はこのシーンを覚えている方は多いだろう。このときの自身の様子を小野塚氏はこう記している。

『ついに来た』と私は思った。この一挙手一投足の実況を始める。こんなことは初めてだ。何か蛹が成虫に変わっていくような、ハヤタ隊員がウルトラマンに変身する瞬間のような、放送席まで聞こえるはずのないテープをはがす『バリバリ』という音が確かに聞こえた」(17ページより引用)

 すべての空気を支配してしまった松坂大輔。結局、横浜が9回裏3点をもぎ取って逆転サヨナラ勝ち。この夏、横浜は、春夏連覇を成し遂げ、怪物は翌日の決勝戦でノーヒットノーランという偉業も成し遂げた。

 多くの試合を実況してきたが、この試合ほどグラウンドから目を離したこともないし、雰囲気に飲まれたこともないと小野塚氏は言う。高校野球の楽しみの大きな部分を占め、勝負の行方を左右するのは、やはりエースなのだ。

 甲子園のバックネット裏上段のラジオ放送席から見てきた甲子園は、どのようなものなのか。もちろん、エースは大きな見どころだ。ただし、それだけではない。初出場校が甲子園常連の強豪校に勝ったり、諦めてしまいそうな点差でも信じられないような逆転劇が生まれることもある。控え選手、監督など、注目し始めたらキリがないほど、物語があるという楽しみもある。本書でも、バントの醍醐味、球場整備などの舞台裏などにも注目している。

 100周年を迎えた甲子園をより楽しむために、本書を読んでから観戦してみてはどうだろう。

(新刊JP編集部)

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