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» 2015年07月02日 16時30分 UPDATE

国際電子出版EXPOリポート:読み放題サービスもスタートしたYahoo!ブックストア 今後の戦略は?

国際電子出版EXPOのボイジャーブースで開催された「Yahoo!ブックストア 取り組み事例と今後の戦略」で語られた内容とは。

[宮澤諒,eBook USER]

 東京ビッグサイトで7月4日まで開催中の第19回「国際電子出版EXPO」。ブラウザビューワ「BinB」や電子出版サービス「Romancer」などを提供しているボイジャーのブースでは、GYAO! メディアサービス本部 電子書籍サービス部 サービス企画リーダー Yahoo!ブックストア サービスマネージャーの芝野克時氏を迎え、「Yahoo!ブックストア 取り組み事例と今後の戦略」と題したセミナーが開催された。

これまでの取り組み

GYAO! メディアサービス本部 電子書籍サービス部 サービス企画リーダー Yahoo!ブックストア サービスマネージャーの芝野克時氏 GYAO! メディアサービス本部 電子書籍サービス部 サービス企画リーダー Yahoo!ブックストア サービスマネージャーの芝野克時氏

 Yahoo!ブックストアは2011年11月1日に、従来の「Yahoo!コミック」をリニューアルする形でオープン。

 現在、マンガやライトノベル、小説など24万3640冊(2015年7月2日現在)の電子書籍を配信しており、アラカルト販売、「全巻まとめ買い」、テーマごとにパックされた作品が読める「月額セット」、2014年6月に講談社と共同でスタートした少女漫画誌の月額読み放題サービス「女子コミ!」のほか、7月1日には2万5000冊(うち5000冊は無料作品)を対象とした月額400円(税別)の読み放題もスタートした。

 ユーザー層は圧倒的に女性が多く、電子書籍購入の8割を女性が占めていると芝野氏。2015年4月にはYahoo!ブックストア内に特設ページを設けて、講談社・集英社・小学館・白泉社の4社合同による少女漫画フェア「国民的少女まんが100」を開催するなど、企画にも力を入れている。ユーザーは女性が中心だが、少年コミックの売り上げも少なくないという。

 また芝野氏は、5月に放送されたテレビ朝日「アメトーーク!」キングダム芸人回の影響にも言及。ゴールデンウィーク期間の売り上げと比べても6倍の販促効果があったとし、テレビ番組や芸人ら著名人の影響力の大きさを認識するとともに、自分たちのコンテンツをユーザーに届ける力にまだまだ課題があると語った。

取扱高推移 取扱高推移
「アメトーーク!」キングダム芸人の影響 「アメトーーク!」キングダム芸人の影響

 ストアの売り上げは、2014年に一時伸び悩んだが、国民的少女まんが100などの大きな取り組みの効果で新規ユーザーが増えるなどして、現在は成長が加速しているという。読み放題サービスがスタートしたことで、さらなるユーザー獲得にも拍車が掛りそうだ。

今後に向けて

 サービス開始当初のYahoo!ブックストアでは、EPUBによるダウンロード販売がメインで、電子書籍の閲覧に専用のビューワアプリが必要だった。

 ボイジャーのブラウザビューワを採用したのは2012年7月2日のこと。BinBを導入したことで、出版社が求める高い品質の文字表現という課題も解決できたほか、当初Yahoo!ブックストアが抱えていたHTML5の脆弱性に起因するDRMの問題も、Yahoo!ブックストアが持つDRMと、BinBの暗号化技術によって解決できたと話す。

今後の戦略 今後の戦略

 Yahoo!ブックストアは、「無料作品」「アラカルト販売」、7月1日にスタートした「月額読み放題」の3つを軸に作品を提供していく。「まずは無料作品で作品や電子書籍の魅力を知ってもらいたい」と芝野氏。

 無料作品の閲覧から有料作品の購入につなげる導線も用意されており、試し読みの最終ページには、読者の傾向や本棚の本からお勧めの作品を表示するレコメンド枠や、「通常購入」「1クリック購入」のボタンを設置している。1クリック購入は、クリックすると試し読みの続きを即座に表示するため、購入後シームレスに読み進めることができる。通常購入のボタンも設置されているが、購入者の9割が1クリック購入を利用しているという。

 また、7月1日にはGYAOが配信する5万本の映像作品と、Yahoo!ブックストアの月額読み放題を組み合わせた「エンタメパック」も提供を開始した。こちらは、Yahoo!ブックストアがリーチできていないユーザーに認知を広げる戦略だ。

 「今年はさらに新しいチャレンジをどんどん発表していくので、引き続きYahoo!ブックストアに注目してほしい」(芝野氏)

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