電子書籍がいいのは、本を手に入れ、読むための手段を増やしたこと 古市憲寿の“I Love ebook”宣言(2/4 ページ)

» 2015年06月13日 07時00分 公開
[出版デジタル機構]

発売日当日に海外の本が読める

古市 憲寿さん

 僕が電子書籍を買うようになったきっかけは、洋書を読むためです。アメリカでは書籍の電子化がかなり前から盛んでしたから、欲しい新刊などを手に入れていました。紙の本だと、輸送に時間が掛かりますが、電子書籍ならクリックひとつでリアルタイムに読めるのが魅力ですね。海外の本が発売日当日に読めるんです。

 日本では学術書があまり電子化されていないのが少し残念です。学術書は重い割にすべてのページを読むわけではないので、電子書籍で読むのが最適ではないかと思うんです。通常の書店では手に入りにくいこうした本をもっと電子でも出して欲しいですね。

古市 憲寿さん

 電子か紙か、という論争があるようですが、どちらかが一方を駆逐することはないと思います。いまだにAMラジオはありますし、ラジオよりももっと古い映画もまだ生きています。本も同じで、紙が完全に消えることもないし、電子がすべてになることもないでしょう。紙の方が向いている本もありますし、電子の方が向いている本もある。その住み分けが明確になるだけです。ガイドブックにしたって、自宅にいるときは紙で読んだ方が便利かもしれないけれど、旅先では電子の方が便利ということもあるから、状況によって使い分けることも出てくるでしょう。

Copyright© 株式会社出版デジタル機構 All Rights Reserved.