「酒鬼薔薇事件」の元少年A、手記で心情明かす

ネットでは、「遺族のことを考えると出版は許せない」「賛否両論あるけど、気になる」など波紋が広がっている。

» 2015年06月10日 12時41分 公開
[宮澤諒eBook USER]
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絶歌 絶歌

 1997年に兵庫県神戸市須磨区で起きた「神戸連続児童殺傷事件」から約18年。加害男性「元少年A」が自らの心の内をつづった手記『絶歌』が6月11日、太田出版から発売される(一部書店ではすでに店頭に並んでいる)。価格は1500円(税別)。

 児童2人が殺害され、3人が重軽傷を負った同事件は、加害者が当時14歳の中学生だったこともあり社会に大きな衝撃を与えた。犯行声明文に書かれた名前から「酒鬼薔薇聖斗事件」とも呼ばれる。

 ネットでは手記の刊行を受け、「印税はどうなるのか」「遺族のことを考えると出版は許せない」「賛否両論あるけど、気になる」など波紋を呼んでいる。


太田出版の『絶歌』詳細ページ 太田出版の『絶歌』詳細ページ

1997年6月28日。
僕は、僕ではなくなった。
酒鬼薔薇聖斗を名乗った少年Aが18年の時を経て、自分の過去と対峙し、切り結び著した、生命の手記。
「少年A」――それが、僕の代名詞となった。
僕はもはや血の通ったひとりの人間ではなく、無機質な「記号」になった。
それは多くの人にとって「少年犯罪」を表す記号であり、自分たちとは別世界に棲む、人間的な感情のカケラもない、不気味で、おどろおどろしい「モンスター」を表す記号だった。――太田出版による書籍紹介文

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