これを読んだらほぼ網羅! バドミントンが題材のマンガ6作

» 2015年06月03日 05時00分 公開
[ぶくまる]
ぶくまる
これを読んだらほぼ網羅! バドミントンが題材のマンガ6作

 バドミントンといえば、公園や広場などで「遊び」としてプレーするなど、レクリエーションとしてのスポーツのイメージがある方も多いと思いますが、近年は日本代表の活躍で、「日本人が世界で闘える競技」として認識され始めています。

 2012年のロンドン五輪では、女子ダブルスで藤井瑞希・垣岩令佳の“フジカキペア”が、日本人選手として初の銀メダルを獲得。さらに2014年に行われた世界国別団体戦では、女子が準優勝、男子は史上初となる世界一と、数々の大会で結果を残しました。2016年のリオ五輪・2020年の東京五輪でのメダル獲得も楽しみですね!

 今回は、そんな要注目スポーツ・バドミントンの競技の魅力、ルールや見どころも知ることができる「バドミントンマンガ」を6作品ご紹介します。

『はねバド!』バドミントン部を救う、天才少女の降臨

はねバド! 1巻

はねバド!』 濱田浩輔/講談社

 インターハイ出場の実力者を擁しながら、部員数が足りず団体戦にも出られない危機を迎えた北小町高校バドミントン部。コーチ・立花健太郎は、運動神経抜群の1年生・羽咲綾乃と出会うと、ひと目で天性の才能を見抜き、バドミントン部に勧誘するが……彼女は何とバドミントン嫌い! 果たして天才少女の実力は?

 普段は天真らんまんでも、バドミントンに対しては一転クールで、積極性にも欠ける“残念な天才少女”綾乃。そんな綾乃の周りには、1勝に全力をかけて一心不乱に努力をする仲間や、不世出の天才を目標に、情熱と青春をかけて挑んでくるライバルたちがいます。最初は一線を引いていた綾乃ですが、「母親との再会を目指す」という目的が、バドミントン部の勝利と結びつくことで、次第に「覚醒」していく様も見どころ。コートの熱気の中で、綾乃が見せる不敵な笑みと眼差しには、思わず背筋がゾクリとします。

 各話の間には、インターハイ・全日本ジュニア・国際大会といったバドミントン公式戦の解説から、ネットの高さ・コートの特長、やや特殊な団体戦のルールなど、バドミントンの豆知識や最新の情報も載っています。

 また、女子バドミントンといえば、かわいらしいユニフォームも注目ポイント。第3巻からお披露目となる北小町高のユニフォームをはじめ、どのチームも個性的で魅力的なものばかり! 新たな対戦相手が登場するたび、そちらも気になってしまいそうですね。

『はねバド!』をチェックする

『スマッシュ!』強者との出会いで少年の意志が目覚める

スマッシュ! 1巻

スマッシュ!』 咲香里/講談社

 進路を決める中学最後の冬休みに、一人涙を流すバドミントン少女・優飛と運命の出会いをしたことから、バドミントンの高みを目指すことになる翔太。実力者で幼なじみの美羽や、バドミントン日本一を目指す少年・亜南とともに、強豪校でのバドミントン漬けの生活をスタートさせると、次第に隠れた実力が明らかに。優飛との再会、全国大会への道、そして少年・少女たちの恋愛の行方は?

 学生時代に何らかのスポーツ経験がある人なら、誰でも一度は悩む「楽しさと実力主義のバランス」。最初はただ「楽しくプレーすること」しかなかった翔太ですが、結果的に、「厳しさの先にある楽しさ」に気づいていき、勝利への渇望が彼をさらに成長させていくことになります。

 今回ご紹介している6作品の中で、唯一「男子バドミントンマンガ」がメインになっている点にも注目。翔太と亜南、ダブルスのパートナーとの関係性も見どころです。また、試合展開同様に動きを見せる、彼らの恋模様にも心を揺さぶられます。

 作者の咲香里先生は、本作の前に『やまとの羽根』というバドミントンマンガを連載しており、『スマッシュ!』完結以降も、女子ダブルスを描いた『シャトル・プリンセス』を発表しています。おまけマンガやあとがきからも、そのバドミントン愛がひしひしと伝わってきますよ。

『スマッシュ!』をチェックする

『ガズリング』「バドバカ」たちが大きく羽ばたく!

ガズリング 1巻

ガズリング』 才谷ウメタロウ/芳文社

 ひょんなことからバドミントン部に入部することになった高校1年生の武智紗羽。初心者3人組で乗り込んだ松葉高校のバドミントン部は、高校バドミントン界の女王が主将を務める強豪校だった。ドSキャラ全開で紗羽たちをシゴく先輩にも負けず、徐々に成長していく少女たちの青春ストーリー。

 「世界での競技人口は5000万人以上」「スマッシュの初速は時速400キロ超え」という、今まで知りもしなかったバドミントンの世界に、初心者ながら飛び込むことになる紗羽。プレーに美しさを求める、セクハラ気味の変態コーチ(主将の兄)から的確な指導を受けながら、とにかく拾い続ける「粘りのバドミントン」で、試合でも結果を出していきます。初心者の3人が成長していく過程で、正しいフォームやラケットの選び方などが描かれているのも、未経験者には分かりやすいポイントです。

 ちなみに、作品のタイトルとなっている「ガズリング(gosling)」とは、「未熟者」といった意味も持つ「ガチョウの子ども」を指す言葉。実はバドミントンのシャトルに付いている16枚の羽は、ガチョウのものなのです(安いシャトルはアヒルの羽やナイロン)。ガチョウの羽を追いかけてコートを走り回る彼女たちが無事羽ばたけるのか、熱く応援したくなる作品です。

『ガズリング』をチェックする

まだまだあります!バドミントンマンガ

 恋愛や友情などをテーマに、バドミントンが登場するマンガを、3作ご紹介します。

『バドガール』運動がダメな私もバドミントンはできる!

バドガール 1

バドガール』 朝吹まり/集英社

 運動が苦手な中学1年生の旭は、幼なじみでバドミントン部員の羽海が出場する大会の応援に。父がバドミントンコーチというサラブレッドで1年生ながら部長を務める羽海だが、大会当日にダブルスのパートナーが風邪で欠場してしまい、急遽応援にきていた旭に代役を頼むことになる。

 実は、旭は「シャトルの落ちてくる場所を先読みできる」という天性の才能の持ち主だった。運動部に対してトラウマを持っていた旭だが、バドミントンとの出会いをきっかけに、他校のライバルや羽海を脅かすほどの成長を遂げていくストーリー。

『バドガール』をチェックする

『ラブオール!』バドミントンで通信課廃止を阻止せよ!

ラブオール! 1巻

ラブオール!』 栄羽弥/講談社

 進学校に存在する、老若男女誰でも通える「特別通信科」。しかしその“特通”は、学園長から突然の「廃止」を言い渡されてしまう。特通の新1年生・羽野希万里は、存続の鍵をスポーツに見い出し、協力者とともにバドミントン部を盛り上げようと誓うが、特通廃止の遠因には、希万里の兄の死亡事故が関わっていて……。

 次第に明らかになる学園の真実、そして複雑化する恋愛模様。果たして、希万里はバドミントンで特通を救うことができるのか?

『ラブオール!』をチェックする

『ラブオール青春』コンプレックスと恋、友情が交錯する

ラブオール青春(1)

ラブオール青春』 板本こうこ/講談社

 外園若葉12歳は、バドミントンで全国に知られる美咲を姉に持つ少女。中学では念願のバドミントン部へ入部するが、美咲と体格や技術を比較され苦しい日々を送る。さらに美咲のパートナーで、若葉が密かに思いを寄せる少年・壮は、卒業後は美咲と共に遠方の強豪校へと進学してしまう。心の支えを失った若葉は、一時バドミントンを諦めてしまうことに。

 そんな若葉だが、かつて大会で出会った対戦相手との再会、そして自らの身体の成長を経て、再びバドミントンに青春を費やしていく。そして新たな恋も芽生えて……。

 1980年(昭和55年)から連載された王道のスポ根ストーリーは、バドミントン版『エースをねらえ!』とも言うべき作品です。

『ラブオール青春』をチェックする

 いかがでしたか? プレーすることを運命づけられた天才も、努力や情熱で乗り越えていく凡人も、誰もが魅了されるバドミントン。マンガを読んで心が熱くなってきたら、プロの試合を観戦したり、プレーを真似てみたりすると、さらに楽しめるかもしれませんよ。

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