電子書籍(実は)もうかります! ちきりんの“I Love ebook”宣言(1/4 ページ)

» 2015年05月30日 07時00分 公開
[出版デジタル機構]
ちきりんさん

ちきりん(社会派ブロガー)

関西出身。バブル期に金融業界で働いた後、米国留学。帰国後、外資系企業で働きながらブログを書き始め、2011年からは文筆活動に専念する。月間 150万PVを超える超人気ブログ「Chikirinの日記」の執筆に加え、12万部のベストセラー『自分のアタマで考えよう』など著作も多い。セルフ出版した電子書籍『Chikirinの日記の育て方』は、累計1万部以上がダウンロードされている。


ブログではなく、電子で出版するメリット

ちきりんさん

 執筆者の立場から電子書籍が画期的だと思うのは、「ごく少数の人しか欲していないコンテンツでも、出版できるようになったこと」と「真剣な読者だけに読んでもらえる“ネット上の場所”が確保できること」です。

 例えば世の中には、自分や家族が難病にかかってしまった、不妊治療をしている、生活保護をもらっている、子どもが引きこもりになって困っているなど、極めて個人的な悩みを抱える人がたくさんいます。そしてそういう人は、同じ経験を持つ人の情報を強く欲しているんです。

 ところが、彼らが自分の経験をブログに書くと、事情もよく分からないのに興味本位で叩いてくる人が必ず現れます。でもそれを電子書籍にして500円で売るだけで、興味本位の読者は読まなくなる。しかも本当にその情報を探している人は、病名などで検索して探すので、必ず見つけてくれる。必要な人だけに、ピンポイントで情報を届けられる。これが電子書籍の大きな価値です。

 そもそも電子書籍は発行コストが安くてたくさん売れる必要も無いので、大勢の人にウケる汎用的な情報より、そうした、ごく少人数の人が必死で探しているニッチで深い情報を流通させるのに向いてるんですよね。

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