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» 2015年04月28日 19時00分 UPDATE

出版業界ニュースフラッシュ 2015年4月第4週

業界では出版物への軽減税率適用を求める提言が採択されました。また、日販と講談社文庫拡売企画の好調な推移も。

[新文化通信社]
新文化通信社

トーハン、減収決算の見通し。新年度施策も発表

 4月22日、東京・目白のホテル椿山荘東京で行った「全国トーハン会代表者総会」の席上、トーハンの藤井武彦社長が第68期(2014年4月1日〜2015年3月31日)決算の売上高について報告した。

 売上高は約4812億円(前年比2.4%減)で、返品率は39.3%(同1.3ポイント増)の見通し。今期も送品量は減らさず、その質を重視することで、実売率や返品率を向上・改善する考えを示した。また、販売面については「書店店頭の魅力を高めて売上げを伸ばす」「客注と複合化」「店頭活性化プロジェクトによる送客力アップ」「書店の外商支援」の4点を重点施策に挙げた。

 近藤敏貴副社長はPOS調査店・1600店の売り上げが同6.1%であることを受け、「売場改善」で3%、「客注」で2%、「店頭活性化プロジェクト」で2%をアップさせる計画を発表。返品作業を軽減させるハンディVの効用をアピールした。またWOWOWとコラボするキャンペーンのほか、ぴあと協業して出版社のイベント企画を書店に斡旋する「TOPIA」プロジェクトについても触れた。当日の出席者は323人。

有識者らが出版物への軽減税率適用を提言

 4月22日、著作者や大学教授、出版団体代表者などで組織する「出版文化に軽減税率適用を求める有識者会議」の第1回会合が書協で開かれ、「消費税10%への引き上げに際し、出版文化に軽減税率を適用することを求める」とした提言を採択した。

 提言では「書籍・雑誌などの出版物は『心の糧』」で、「出版物は最低限度の文化的生活に必要不可欠」と出版物の重要性を強調。欧米の事例も示し、適用の必要性を訴えた。出版関連団体で立ち上げた軽減税率専門委員会では「18禁マーク」など区分陳列されている雑誌の非適用を決めたガイドラインを策定。これを受けて提言を発表した。今後は政治的ロビー活動や国民の理解促進などを進め、法案へ盛り込むよう働きかける。

 なお、同会議の座長には雑協出版ゾーニング委員会の委員長を務める、国士舘大学の片山等教授を選任した。

ピース・又吉氏『火花』、第28回三島賞候補に

 新潮文芸振興会は4月22日、第28回「三島由紀夫賞」の候補作を発表した。3月に文藝春秋から刊行されたピース・又吉直樹氏の『火花』が候補作に入った。選考会は5月14日。選考経過は6月5日に発売する文芸誌「新潮」7月号に掲載する。

候補作は次の通り。

  • 『現在地』(岡田利規、河出書房新社)
  • 『愛と人生』(滝口悠生、講談社)
  • 『指の骨』(高橋弘希、新潮社)
  • 『火花』(又吉直樹、文藝春秋)
  • 『私の恋人』(上田岳弘、「新潮」2015年4月号)

日販、文庫拡売企画「傑作宣言プローション」で販売冊数2.6倍に

 日販と講談社は2014年10月から2015年3月まで文庫拡売企画「傑作宣言プローション」に取り組み、販売冊数を企画前の9月と比べ2.6倍に伸ばした。

 同企画は、書店員が講談社文庫で刊行されている作家24人の候補から好きな作家を指名し、本当に面白いと思う本を「傑作宣言」しプロモーション。その作家の代表作だけでなく、続けて読んで欲しい「次の一冊」も選び、平台と棚を連動させた展開で「著者買い」を促した。

 売上冊数は、実施前の9月比べて「代表作」が2.7倍、「次の一冊」は2.3倍(10月〜2月の平均、企画期間にドラマ放送のあった今野敏『ST』、重松清『流星ワゴン』を除く)。売上タイトル上位は『三月は深き紅の淵を』(恩田陸)が14.4倍、『天使のナイフ』(薬丸岳)が7.2倍、『氷の森』(大沢在昌)が7.3倍。売上冊数1位のリブロ新大阪店では、拡売銘柄が実施前の29.4倍になり販売実績が顕著に表れた。

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