Amazon「Kindleストア」を徹底解剖する電子書店完全ガイド(2/4 ページ)

» 2015年04月28日 09時00分 公開
[鷹野 凌eBook USER]

探しやすさ

 続いて、探しやすさの検証です。

 Kindleストアで本を探す方法には、PC WebとモバイルWeb(URLはPCと同じ)、Androidアプリ内ストア(画面は基本的にモバイル向けWebサイトと同じ)、KindleやFireなどの専用端末内ストアがあります。iOSのKindleアプリにはストアがありません。

PC Webから探す場合

 キーワード検索は、サジェスト機能はもちろん、AND、OR、NOT、部分一致にも対応し、高度な検索が可能です(☆+0.5)。[すべてのカテゴリー]での検索結果には、単行本、文庫、Kindle版、中古品へのリンクと価格が同時に表示されます。電子と紙の新刊だけではなく、古本まで同じ土俵で価格を比較できるのは現時点でもAmazonだけ☆+0.5)で、他店にない大きな特徴となっています。


[すべてのカテゴリー]での検索結果一覧 [すべてのカテゴリー]での検索結果一覧
[Kindleストア]での検索結果一覧には古本価格が表示されない [Kindleストア]での検索結果一覧には古本価格が表示されない

 「Kindle月替わりセール」や「Kindleセレクト25」といったセール情報、ベストセラーランキング、特集、新刊・予約、無料本、カテゴリトップページ、「これにも注目」や「表示履歴からのおすすめ」や「最近の履歴に含まれている商品を買った人は、こんな商品も買っています」といったリコメンドなど、何か面白い本を探す手がかりもふんだんに用意されています。

 作品詳細画面の書誌情報は、書影・タイトル・シリーズ名・著者名・原作者・キャラクターデザイン・出版社・販売元・レーベル名・ジャンル・内容紹介文・レビューや評価点・利用可能な端末・FacebookやTwitterなどのシェアボタン・ファイルサイズ・紙の本の長さ・紙の本の価格(新品・中古品)・シリーズ・発売日・ランキング順位・受賞歴など、非常に豊富です。ただ、以前はできたはずの書影拡大表示がなぜか機能しなくなっている(レビュー時点)のは気になるところです。また、ユーザーイメージの追加機能は廃止されました。


紙の本の作品詳細画面 紙の本の作品詳細画面
Kindle本の作品詳細画面 Kindle本の作品詳細画面

 「画像に対するフィードバックを提供する」「さらに安い価格について知らせる」「この本の劣悪な品質または書式設定を報告」といった、ユーザーからのフィードバック機能を個別の商品ページに用意しているのは、いまだに他店では見られない特徴(☆+0.5)です。

Kindle化リクエストのリンク位置が右下へ移動した Kindle化リクエストのリンク位置が右下へ移動した

 Kindle本が存在しない商品ページでは「Kindle化リクエスト」のリンクからワンクリックで要望が送れます。ただし、以前は書影の真下にリンクが設置されファーストビューで確認可能だったのが、右下のスクロールしないと見えない位置へ移動して目立たなくなった点は指摘しておきたいところです。その意図は不明ですが、以前に比べると明らかに要望が送りづらくなりました。

 ほかには、ユーザーによる評価点やカスタマーレビューが、単行本、文庫、Kindle本を集約された形で大量に表示される点。どのフォーマットで読んだレビューなのかも判別可能な点。「このレビューが参考になった」と投票した人数による有用性や、レビューへのコメント、違反報告といった機能、「Amazon.co.jpで購入済み」ラベル、ベストレビュアーランキングやレビュアーの殿堂といった仕掛けがある点。原則としてすべてに無料サンプルがあり、試し読みをしてから購入するかどうかを判断できる点。Amazonアソシエイト・プログラムによるストア外の書店化など、Webにおける「探しやすさ」は他の追随を許さぬレベルを保ち続けています(☆+0.5)。さらに言えば、これらの機能の大半は、オープン直後のレビュー(2012年)時点で既に備わっていた機能で、Web通販サイトとして世界ナンバーワンであり続けている理由でもあるでしょう。

モバイルWebから探す場合

 KindleストアのモバイルWebは前回のレビュー後にリニューアルされ、Amazon.co.jpのモバイルWebとほぼ同じになりました。キーワード検索時のサジェスト機能への対応、セール情報の表示対応など、前回のレビュー時に指摘した「PC Webから利用するより不便な状態」はかなり払拭されています。

 ただ、紙の本からKindle版へはリンクがあるのに、Kindle版から紙の本へのリンクがないのは気になるところです。書誌情報も、PC Webに比べると若干少なめです。


モバイルWebのAmazon.co.jpトップページ モバイルWebのAmazon.co.jpトップページ
モバイルWebのKindleストアトップページは大きくリニューアルした モバイルWebのKindleストアトップページは大きくリニューアルした
モバイルWebにもセール情報が表示されるようになった モバイルWebにもセール情報が表示されるようになった

モバイルWebのKindleストアでもサジェスト機能が効くようになった モバイルWebのKindleストアでもサジェスト機能が効くようになった
モバイルWebでの検索結果一覧 モバイルWebでの検索結果一覧
モバイルWebの作品詳細画面は、Kindle版から紙の本へのリンクがない モバイルWebの作品詳細画面は、Kindle版から紙の本へのリンクがない

Androidアプリから探す場合

 Androidアプリ内ストアはモバイルWebと異なり、前回のレビュー時とほぼ同じ状態です。キーワード検索時のサジェスト機能はいまだ非対応ですが「日替わりセール」「月替わりセール」「Kindleセレクト25」へのリンクは表示されるようになりました。


Androidアプリ内ストアトップページ Androidアプリ内ストアトップページ
Androidアプリ内ストア検索結果一覧 Androidアプリ内ストア検索結果一覧
Androidアプリ内ストア作品詳細ページ Androidアプリ内ストア作品詳細ページ

専用電子ペーパー端末

 電子ペーパーの専用端末Kindleシリーズにも、ストア機能があります。端末にはKindle、Kindle Paperwhite、Kindle Voyageなどバリエーションがありますが、基本的にストア機能はどれも同じです。詳しくは「電子書籍端末ショーケース」などをご参照ください。

 なお、Amazonプライム、Amazon Student、Amazonファミリーのいずれかに登録しているユーザーは、対象タイトルの中から毎月1冊、無料で読むことができる「Kindleオーナー ライブラリー」が専用端末から利用できます。


Kindle Paperwhiteのストアトップページ Kindle Paperwhiteのストアトップページ
サジェスト機能 サジェスト機能
作品詳細画面 作品詳細画面

 1点、苦言を呈すなら、ビューワは文字の拡大などアクセシビリティを考慮した機能が付いているのに、専用端末のストアにはそうした配慮が見られないところが残念です。PC WebやモバイルWebはOSやブラウザの機能で拡大縮小可能なのであまり問題になりませんが、専用端末のストアは文字が小さいまま調節ができないため老眼の方には少々辛いようです。もっとも、国内で販売されている電子ペーパー端末で、ストアの文字の大きさ調整まで対応しているものは、筆者の知る限り存在しないのも事実です。

専用液晶タブレット

 液晶タブレットのFireシリーズにも、もちろんストア機能があります。FireシリーズにもFire HD 6、Fire HD 7、Fire HDX 7、Fire HDX 8.9といったバリエーションがありますが、こちらも基本的にストア機能はどれも同じで、「Kindleオーナー ライブラリー」にも対応しています。


Kindle Fire HD 8.9のストアトップページ Kindle Fire HD 8.9のストアトップページ
サジェスト機能 サジェスト機能
作品詳細ページ 作品詳細ページ

その他

 前述のとおりiOSのKindleアプリにはストア機能が搭載されていませんが、実はAmazonアプリで商品検索し、「ほしい物リスト」へ入れることは可能です。また、Kindleアプリでサンプルを検索して読むことや、サンプル本を閉じる前に表示されるメニューで「ほしい物リスト」に追加することも可能です。


iOSのAmazonアプリでKindle版も検索できる・本のバーコード読み取りにも対応 AmazonアプリでKindle版も検索できる・本のバーコード読み取りにも対応
ただしiOSのアプリ内では購入ができないので、ほしい物リストに追加するしかない ただしiOSのアプリ内では購入ができないので、ほしい物リストに追加するしかない
Kindleアプリ内では、無料サンプルの検索ができる Kindleアプリ内では、無料サンプルの検索ができる

評点:☆5.0

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