タイププロジェクト、1071フォントを持つ「TP明朝フィットフォント」を発表

コーポレートフォントとしての利用促進を狙う。

» 2015年04月23日 17時00分 公開
[西尾泰三eBook USER]
タイププロジェクト代表取締役社長/タイプディレクターの鈴木功 氏。

 タイププロジェクトは4月23日、「TP明朝フィットフォント」の提供を開始した。同社のオンラインショップでダウンロード版が提供されており、価格は1フォント2万4000円(Opentype StdN 9498字)。

 このフォントは、同社が2014年2月にリリースしたTP明朝を拡張したもの。フォントとしてのTP明朝の特徴は、書体にウエイト(縦画)とコントラスト(横画)という2つの可変軸を持たせていること。ウエイトやコントラストを変更しても字画の比率が崩れないよう、同社のアジャスタブル機能が活用されている。

 TP明朝は太さや字幅が異なる18フォント(3コントラスト×6ウエイト)が用意されているが、市場ニーズとしてさらに細かな段階を求める声が多かったため、1071フォント(21コントラスト×51ウェイト)に細分化したものがTP明朝フィットフォントだと同社代表取締役社長/タイプディレクターの鈴木功氏は話す。

TP明朝フィットフォント出力見本。オレンジの丸で囲った18個所がTP明朝フォントで提供されていたもの。それぞれの間を埋めるようにウエイトとコントラストを変化させ1071フォントまで用意した。ウエイトのバリエーションがコントラストと比べ豊富なのは、明朝体ではウエイトの可動域が広いためだという

 同社のオンラインショップでは、画面上のスライドバーでウエイトとコントラストを調整することで、幾つかのベーシックな書体や人気の高い書体と組み合わせた表示サンプルを提供しており、目的や好みに応じた最適なフォントが選べるようになっている。

同社オンラインショップではサイト上で他社欧文に合わせてウエイトとコントラストを調整し、そのまま購入できる

 同社のフォント群は、「コーポレートフォント」と呼ばれる領域での採用実績が豊富だ。企業のブランド価値を高めるため、コーポレートフォントに独自のフォントを使用することは増えており、また、ビジネスのグローバル化に伴い、和文と欧文が混在するようなケース、さらに言えば、欧文のコーポレートフォントが先に決まっていて、それに合う話文フォントを求める声は多い。

 ウエイトとコントラストのバリエーションを高め、他社欧文フォントとの混在時などでも調和の取れた完成度の高い表現を可能にする同フォントの需要はより高まりそうだ。

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