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» 2015年04月23日 06時00分 UPDATE

ユーロ圏もデフレで世界デフレに突入? 最新の世界経済予測

[新刊JP]
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 経済のニュースを見ると、世界デフレへの突入について懸念を示す言説が多い。日本が脱デフレを掲げる中で、世界は今後どうなっていくのだろうか。

ユーロ圏もデフレで世界デフレに突入? 最新の世界経済予測 ユーロ圏もデフレで世界デフレに突入? 最新の世界経済予測

 「現在進行しているマーケットの動乱は世界がデフレに突入する前触れ」と指摘するのは、ニューヨーク在住のコンサルタントで“ドクター・ペンタゴン”の異名を持つ若林栄四氏だ。

 『異次元経済 金利0の世界』(集英社/刊)によれば、すでにEU圏、そして世界的なデフレ突入のシグナルが出ているという。

 その根拠とは何か?

 若林氏によると、日本のデフレ発動は1990年1月の株価暴落だった。長期金利は同年9月にピークの8%に達した後、ほぼ一貫して低下を続け、金融危機が本格化した1997年には2%を割り込み、2%未満が定着した。

 このことから、国債金利2%割れが実体経済のデフレ突入のシグナルと予想している。

 アメリカとドイツの長期金利は2011年秋に2%を割り込んでおり、その後アメリカは3%に反発したものの、2014年には2%に戻った。一方のドイツを見ると、2%割れが定着している。

 ドイツは、今やユーロ圏を引っ張る存在だ。著者の説と照らし合わせればすでにユーロ圏はデフレに突入し、アメリカもその方向に進んでいると考えることができる。

 では、ユーロ圏の不況は今後どうなるのだろうか。

 若林氏は、「好転に向かうシナリオ」があるとすれば、為替レートが大幅に下がるだろうと予測する。そうすれば、ユーロの中でドイツはますます得をする。そして、輸出で相当稼いでいるドイツが、さらにユーロ安になり滅茶苦茶に稼ぐことによって、ほかの国を引っ張り上げるシナリオができるのだ。しかし、ヨーロッパのためにいろいろな緩和措置をやってくれてと頼まれても「うん」と言わない。

 そんなドイツを、著者は「怖い国」と評する。

 本書ではほかにも、スイスがデフレに追い込まれていくカラクリや世界のデフレリスクなどを分析しながら、デフレに進みゆくこの世界の現状をつづっている。

日本は2016年にリフレに移行する?

 ここまで「アメリカの株価暴落」「0金利の時代」「世界デフレへの突入」という“ドクターペンタゴン”若林栄四氏の最新経済予測を紹介してきたが、最も大事な国がまだ残っている。

 そう、私たちが住んでいる日本だ。

 2013年から本格化したアベノミクスの金融緩和と財政出動の2本の矢によって、デフレから脱却する兆しが見えたが、2014年4月の消費税引き上げによって失速気味だ。

 しかし、若林氏は「日本はリフレとなり、株価もさらに上昇する」と断言する。『異次元経済 金利0の世界』第6章のテーマは「日本の復活」だ。

 再びデフレに戻るのでは……そんな世論もある中、若林氏は、リーマン・ショック後の日本の長期金利最低水準は「偽りの日没」であり、長かったデフレの夜が終わる「本当の夜明け」と指摘する。

 若林氏によれば、相場や経済は「波動」であり、その「波動」を黄金分割(著者が活用している相場の分析をするための方法)で分析すると、日柄調整は2011年末に完了していることになるという。

 つまり、現在は上昇波動が流れており、デフレからリフレへの移行時期ともいえるのだ。

 リフレは駅伝方式で進んでいくという。

 第一走者は為替。現在は円安が進んでいるが、若林氏の予測によればそのピークは過ぎているという。本書で挙げられているる理由の1つに、2014年12月5日と7日に日本経済新聞が1面に「円安」を持ってきたというものがある。経験則から日経新聞の1面トップが登場すると、相場が節目を迎えるシグナルと著者は読んでいるようだ。

 そして、今その第一走者から第二走者にタスキを渡す中継所にきている。

 待ち受けている走者は株価。ただし、ここで別チームのアメリカの転倒(株価暴落)に巻き込まれると若林氏は予測しており、世界全体も経済が悪くなる。ただ、2016年半ばまで我慢すれば、あとは好転するばかりだという。

 そこから第三走者の実体経済のベースアップに移っていく。

 つまり、2016年から日本経済がポジティブに変わるというのが著者の見方なのだ。そして何と、2030年には日経平均6万3000円が射程に入るとまで書きつづっている。この根拠についてはぜひ本書を読んで確認してほしい。

 いかがだろうか。若林氏は日本の将来は大いに明るいと考えている。

 あくまでこの本で書かれていることは若林氏の予測だが、時勢を見定める上で参考になるはずだ。

(新刊JP編集部)

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