インタビュー
» 2015年04月07日 15時00分 UPDATE

チャーミング井上が本で明かした“お笑い賞レース”の裏側 (1/2)

売れない芸人がまさかのコミック出版! 笑いと涙の「お笑い」の日々を描いた『芸人生活』。お笑いコンビ・チャーミングの井上二郎さんに聞いた。

[新刊JP]
新刊JP

 テレビやラジオをはじめさまざまな媒体で私たちに笑いを届けるお笑い芸人たち。彼らの生活はトークなどの中で垣間見ることができるが、その実態はどのようなものなのか?

井上二郎さんの『芸人生活』 井上二郎さんの『芸人生活』

 お笑いコンビ・チャーミングの井上二郎さんの『芸人生活』(彩図社/刊)は、自身の芸人活動や私生活、芸人仲間たちのエピソードを漫画で描いた、爆笑あり涙ありのコミックエッセイだ。

 チャーミングをはじめ、バイきんぐ、ロビンフットなどSMA NEET Project所属の面々を中心に芸人たちのリアルな日常が明かされるのだが、その中でも「お笑い」に対して真摯に向き合う彼らの姿は非常に印象的だ。また、家族のことや結婚のことも描かれており、思わず泣かされるシーンも。

 今回、新刊JPは井上さんにインタビューを行い、この本が出版された経緯や、芸人仲間たちのエピソードについてお話を伺った。

(インタビュー・記事執筆/金井元貴)

相方の望みは「本が一冊も売れないか印税を全部くれるか」

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―― 『芸人生活』がついに書籍化しました。手にとってみての感想をお願いします。

井上 夢のようです。もともと趣味で書いていたものなので、それが本になるというのはびっくりしています。

―― 書籍化のお話が届いたときの第一印象は?

井上 携帯電話にメールで連絡がきて、表示されるじゃないですか。一度スルーしたんです。信じられなくて。リアクションがまったく取れなかったんです。二度目に見てようやく反応しました。

―― どのような経緯で書籍化のお話が届いたのでしょうか?

井上 趣味で書いていたというのはお話しましたけれど、嫁に「面白いからホームページにアップしなよ」と言われて、半年に一回くらいのペースで(漫画を)載せはじめたんですね。そうしたら、同じ事務所のキャプテン渡辺が「これは面白いから、描くペースを上げたら仕事になるんじゃないか」とアドバイスしてくれて、月2回の更新にしたんです。

―― 一気にペースが上がりましたね。

井上 そうなんです。結構ハードなんですよ。定期的にネタ見せのライブをやっていて、なおかつアルバイトもあって、その合間で描いているので……。

 それから3カ月くらいですかね。ラリー遠田さんという、この本の解説を書いていただいたお笑いの評論をされている方に見つけてもらって、Twitterで紹介してもらったんです。さらにそのツイートを彩図社さんの編集長が見たという経緯で書籍化されました。だから、本当に「まさか」という展開なんですよ。

―― まさか本当に仕事に繋がるとは。

井上 キャプテン渡辺はすごいですよ。ぜひ彼に仕事をあげてください(笑)。先見の明がありますよ。

―― 書籍化について相方の野田さんからは何かコメントありましたか?

井上 相方はですね……「印税を全部くれるか、本が一冊も売れないのがオレの望みだ」と言っていましたね。

―― それはコンビ愛なんでしょうか……?

井上 『芸人生活』を読んでもらえると分かりますけど、彼は異常な人間なので。これでも結構薄めて描いているんです。エピソードとしては本当に描けないことの方が多いですよ。「誇張するな」とよく言われるのですが、むしろ薄めています。

―― 相方の彼女がライブを観に来るからといって、過剰に邪魔をしようとするというエピソードは笑いました。

井上 あれはビックリしましたよ。僕の邪魔をしようと、とんでもなく下品な台本を用意して、「ウ○コ」って言いまくるネタを舞台でやるわけですからね。僕もお客さんもひっくり返りました。

面白くてクセの強い芸人仲間たち

―― 野田さんをはじめ、『芸人生活』の中に出てくる井上さんの芸人仲間は皆さんクセが強い方々ばかりですよね。

井上 多いですよね。この中に出てくる後輩のえずれひろゆき君は本当に変わっているというか、カレーの食べ方なんかも本当に変わっていて、普通だったら友達が注意してくれるところを彼には友達がいなかったから注意してもらえなかったんですね。ただ、お笑いにはすごくストイックで。そのエピソードも描きました。

―― 井上さんと同期のロビンフット・おぐさんが「R−1ぐらんぷり」決勝進出を果たした際のエピソードは、お笑い芸人としての姿勢を感じました。

井上 でも、おぐさんはめちゃくちゃな人ですからね。他人からお金借りまくるし、Twitterでも知らない人に話しかけるし。まったく知らない芸人に、「ライブ出て欲しいなあ」と思ったら話しかけちゃうんです。しずるの村上君とかに「ライブ出ませんか?」って。そのあと、吉本で「おぐっていうヤバい奴がいる」って変なうわさが流れたという話も聞きました。今では「Twitterの当たり屋」と呼ばれていますよ。

―― 帯には同じ事務所のバイきんぐのお二人からのコメントが寄せられています。小峠さんは「間違いなくゴーストライターがいる」と。

井上 そうなんですよ。小峠さんに「良い文章をありがとうございます」と御礼したら、「いや、面白かったよ!」と言っていただけて、芸で褒められたことがないので嬉しかったです。

 西村くんは僕の漫画を前から読んでいてくれて、特にお父さんの話がお気に入りと言ってくれていましたね。

―― そういえば本の中で小峠さんとは同期だと書かれていましたが、小峠さんは「さん」付けで読んでいらっしゃるんですね。

井上 小峠さんは年上なのと、芸人としても格上の存在ですから、タメ口にする要素が少ないんです。でも、相方の西村については「さん」付けではなくて、これは年齢が一緒だからですね。基本的に年上は「さん」付けにしています。

小峠さんはすごい人ですよ。吉本の大喜利の大会に単身乗り込んでいって優勝したり、ライブでも一番笑いをとります。「キングオブコント」のときも、普通は不安なので出番が来るまで練習をしているんですね。でも、バイきんぐだけは椅子にドカッと座って本番を待っていたという話を聞きました。それだけ自分たちに自信があるのだと思います。

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