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» 2015年03月26日 13時00分 UPDATE

“泣き顔写真集”著者来日! どうして「泣き顔」がブレイクしたのか?

[新刊JP]
新刊JP

 世界中から集まった子どもたちの泣き顔。理由は「それは仕方がない……」というものから「えっ、そんなことで?」と思ってしまうものまでさまざま。子どもの表情の豊かさに、ちょっと笑えて、ちょっと愛しく思えてしまう写真集が登場した。

“泣き顔写真集”著者来日! どうして「泣き顔」がブレイクしたのか? “泣き顔写真集”著者来日! どうして「泣き顔」がブレイクしたのか?

 それが『うちの子が泣いてるワケ』(グレッグ・ペンブローク/著、波田孝介/翻訳、新潮社/刊)だ。

 米国在住のコピーライターであるグレッグ・ペンブロークさんが多機能型SNS「Tumblr」に掲載した子どもの泣き顔写真が話題となり、世界中から訪問者が殺到。各国で書籍化され、ついに日本版が登場した。

 グレッグさんは2人の息子を持つ良きパパ。本作はグレッグさんの息子たちをはじめ、愛らしい子どもたちの泣き顔写真がギュッと詰まっているほか、日本語版限定のスペシャル企画も収録されている。

 今回、新刊JPは来日したグレッグさんにお話をうかがうことができたので、そのインタビューをお伝えする。

(インタビュー・構成/金井元貴)

世界中から共感を呼んだ子どもの「泣き顔写真集」!

『うちの子が泣いてるワケ』著者のグレッグ・ペンブロークさん 『うちの子が泣いてるワケ』著者のグレッグ・ペンブロークさん

―― グレッグさんにとって今回、初めて来日であるとお聞きしましたが日本の印象はいかがですか?

グレッグさん(以下敬称略) とても素敵な国だね。今日はスカイツリーと浅草寺に行ったけれど、どちらも素晴らしい場所だった。浅草寺は古いお寺で、鐘は風情があったよ。人々も親切。街に誇りを持っていて、とてもきれいに保っているね。ニューヨークで数年暮らしていたけれど、全然違うよ。

―― 日本にはご家族でいらっしゃったのですか?

グレッグ 妻は仕事が休めなくて、息子は幼稚園に通っているから来られなかったんだ。今回は友人たちと来たんだけど、思った以上にたくさんの友人がついてきてしまったよ(笑)。

―― 日本では東京のほかにどこをまわる予定ですか?

グレッグ 数日東京で過ごした後に、北海道のニセコでスキーをする予定さ。

―― スキーは得意なんですか?

グレッグ 私はまあまあだけど、友人は優秀なスキーヤーだね。山スキーの動画をいくつか見て素敵だと思っていたから、楽しみだよ。

―― ぜひ楽しんでください! ここからは、書籍の話をお聞きしていきたいのですが、最初にFacebookにお子さんの泣き顔の写真をアップロードしたところから始まっているんですよね。どうして泣き顔だったのですか?

グレッグ 次男が生まれた後、私は仕事をパートタイムに変えて子どもの面倒を見られるようにしたんだけど、息子たち2人がだんだん大きくなると、ささいなことでかんしゃくを起したりするんだね。

 最初の写真を撮ったのは2人を博物館に連れて行ったときのこと。チーズが残り1つになってしまったから、息子たちに「半分こするけどいいね?」と聞いたんだ。彼らは「いいよ」と言ったから分けたら、その瞬間にお兄ちゃんが泣きだしてしまってね(笑)。その状況があまりにも不条理でおかしかったから、写真を撮ってアップしてみたんだ。そうしたらものすごい反応が寄せられたんだよ。

―― その投稿にはどのようなコメントがついたのですか?

グレッグ 「あるよね!」とか「分かる!」という共感の声が多かったよ! さらに写真をアップしていたんだけど、友人から「もっとシェアできるようにしてほしい」という声が上がったから、Tumblurで写真を一般公開し始めたんだ。そしたら世界中から何百万人のビューがあったんだよ。

 子どもがいない人からもコメントがたくさん届いたけれど、「(自分が)がっかりしたときに子どものように泣きわめければいいのに」という声は印象的だね。

―― 泣き顔のキャプションといいますか、理由を書いた一言コメントが面白いです。

グレッグ そうだね。日本語版はとても気に入っているよ。イラストが描いてあったり、コメントが吹き出しの中に書かれていたりね。

―― これらのキャプションはグレッグさんがつけているんですか?

グレッグ 写真を私に送ってくれた人たちが理由を説明してくれるんだ。それを載せているけれど、説明が長い場合は私が縮めるようにしているよ。ただ、泣いている理由そのものは変えることはできないからね。

―― 世界各国で話題になっている写真集ですが、書籍化されていかがでしょうか?

グレッグ 予想もしていなかったことだ。信じられないよ! 初めて出版されたのは英国だったんだけど、この本が完成して息子に見せたときに彼は何をしたかというと、別の部屋に置いてあった幼稚園で作ったアルバムを持ってきてね、「僕、この本にも載っているよ!」って言うんだ(笑)。「ジェシカもダニーも一緒だよ」ってね。

―― お子さんにとってみれば本とアルバムは同じなんですね。

グレッグ そうなんだ。彼にとっては幼稚園のアルバムの方がすごかったみたいだね。ロンドンでは街中で宣伝されていたけれど、子どもたちはまだよく分かっていないみたいなんだ。もう少し大きくなったらまた読ませたいよ。

―― 日本語版には、日本と海外の子どもが同じ理由で泣いている2枚の写真を並べるというユニークなページが収録されています。日本の子どもたちの泣き顔はいかがですか?

グレッグ とってもかわいいよ! この企画は素晴らしいね。他の国でもやればよかった。

 それに、日本語版は最後2ページに自分の子どもの写真を貼り付けられるスペースを設けたんだ。素敵なアイデアだよね。そこにぜひ自分の子どもの泣き顔の写真を貼ってほしいな!

「分かち合える2人の息子を誇りに思うよ」

―― 子どもたちの泣き顔だけの写真集ということで、いろんな表情がある中で、どうして「泣き顔」にここまで共感が寄せられているのでしょうか。

グレッグ Facebookに並ぶのはほとんどが笑顔の写真だ。だから、自分以外の人はみんな完璧な人生を送っていると思えてしまうし、逆に自分の人生は何も上手くいっていないと感じてしまうかもしれない。でも、泣き顔は、普通は表に出てこないような部分――悩みとか、怒りとか、そういったものを感じさせてくれるんだ。そこが共感を得られたポイントだと思うよ。

―― グレッグさんの2人のお子さんは5歳と3歳だそうですが、やんちゃの盛りですよね。

グレッグ そうだね。ありがたいことに以前ほどは泣かなくなったけれど、とても繊細なんだ。だから、まだよく泣いているよ。最近はレゴブロック遊びにはまっているけれど、上手くいかないと泣いてしまうね。今は遊び道具が最大の悩みだよ(笑)。

―― 2人はグレッグさんにとって自慢の息子たちであり、誇りであると思います。彼らの一番好きなところはなんですか?

グレッグ 一番好きなところは「分かち合う」ことができるところだね。2人は年齢が近いから一緒に遊ぶんだけど、私が別の部屋にいると、彼らは2人で遊び方を教え合ったりしているんだ。その様子を見ると、幸せになるよ。

―― 2人にはどんな大人に育ってほしいですか?

グレッグ 一番大切だと思うことは、優しさと他人に共感できることだ。それは運動や勉強ができることよりも大事なことだと思っている。子育てにおいても、絶対に子どもに許さないのは他の子をいじめたり、ぞんざいに扱うことだ。

―― 将来子どもに読ませたい本はありますか?

グレッグ 最近読み返してみて良い本だなと思ったのが『ヒッチハイカーズ・ガイド・トゥー・ザ・ギャラクシー』(邦題『銀河ヒッチハイク・ガイド』)という、ダグラス・アダムスのユーモアに富んだSF作品だね。他の宇宙人から私たち地球人を見たとき、日々の行動がどのように映るのか描いていて、とても面白いんだよ。だからぜひ子どもたちにも読んでほしいな。

―― 『うちの子が泣いてるワケ』が出版されて、グレッグさんにはどんな反響が届いていますか?

グレッグ まったく予想外だったのは、読者の親たちから、この本に載っている子どもたちの泣き顔を見せて、「この子、泣いちゃっているけど、どうすればよかった?」ってしつけに使っているという声が届いたんだよ。それは意外だったね。

 また、偶然分かったんだけど、私の子どもたちは他の子どもたちの写真を見るのがすごく好きなんだ。次男のチャーリーが、メールチェックをしている私の横に来て、「この子、なんで泣いているの?」と聞いてくるから、その理由を教えると「ぜんぜん良い理由じゃないね」ってね(笑)。たまにチャーリー自身が泣いている写真が出てくるけれど、「いい理由だと思う?」って聞くと、彼は「そんなことない」って答えるんだ。面白いよね(笑)

―― すごく難しいですね(笑)。では、泣き顔の理由で特にお気に入りのものは何ですか?

グレッグ これは聞かれるたびに答えが変わるんだけど(笑)、犬が寝転がっているせいでイスを押せなくて泣いているという理由かな。この写真は好きだね。あとは、同じ理由で泣いている子どもたちが隣り合わせで出てくる日本語版の特別ページも好きだよ。

―― ではインタビューの読者の皆さんにメッセージをお願いします。

グレッグ 子育ては、腹が立ったり大変だったりといろいろな面があると思うけれど、あらゆる面を楽しむと良いと思うね。大変なときにも気を楽にするんだ。10年後、15年後経ったときに、このシーンを懐かしく思い出すんだろうなと思ったら、きっとこの瞬間を楽しもうと思うよ。完璧な子育てなどないのだから、あまり思い詰めないで楽しんでほしいね。

グレッグ・ペンブロークさんプロフィール

アメリカのコピーライター。ニューヨーク州ロチェスター在住。2児の父。ブログサイト「Tumblr」に自身の子どもの泣き顔写真とその理由を投稿するプログを開設したところ、世界中から写真が投稿されて話題に。それらをまとめた写真集『うちの子が泣いてるワケ』(Reasons My Kid Is Crying)はアメリカ、イギリス、ドイツで発売され、反響を呼んだ。(新潮社Webサイト内書籍ページより引用)

Reasons My Son Is Crying


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