講談社、ハースト婦人画報社が発行する全出版物の書店販売業務を受託

講談社の強力な流通インフラを活用、女性誌を中心に雑誌市場の活性化を図る。

» 2015年03月09日 16時18分 公開
[宮澤諒,eBook USER]

 ハースト婦人画報社と講談社は3月9日、業務提携の締結で合意したことを明らかにした。4月6日発売の『エル・ア・ターブル』を皮切りに、ハースト婦人画報社が定期刊行する『ELLE JAPON(エル・ジャポン)』『MEN'S CLUB(メンズクラブ)』『Harper's BAZAAR(ハーパーズ バザー)』『美しいキモノ』など14誌のほか、ハースト婦人画報社が発行する全出版物の書店販売業務を講談社が受託する。講談社が他社出版物のすべての書店販売業務を受託するのはこれが初。

講談社 代表取締役社長 野間省伸氏 講談社 代表取締役社長 野間省伸氏
ハースト婦人画報社 代表取締役社長&CEO イヴ・ブゴン氏 ハースト婦人画報社 代表取締役社長&CEO イヴ・ブゴン氏

 講談社の持つ強力な流通インフラを活用して、これまで以上に多くの読者にコンテンツを届けるとともに、講談社の人気キャラクターをハースト婦人画報社の出版物に登場させるなど、互いの強みを生かしてシナジー効果の創出を目指すという。発行元はハースト婦人画報社のままで、出版物の編集や制作、広告セールス活動などは引き続き同社が担うことになる。

 「いつか一緒に何かしようと話してきたが、今回の業務提携の具体的な話し合いがスタートしたのは半年ほど前」(ブゴン氏)。10年ほど前から親しくしており、定期的に意見交換をしてきたという両氏。年代も近く、「デジタルを積極的に取り組む」「紙の本という文化は守るべき」というビジョンも共通している。

 意見交換をしていく中で、海外の出版社がどのように出版不況の対策をしているのかという話題になり、自分たちでできることとして、まず販売業務で提携するところから始めようという話になったのという。

 会見では、「充実した女性誌ラインアップを活用して、書店での合同キャンペーンなども積極的に展開し、女性誌市場ひいては雑誌市場全体を盛り上げていきたい」という野間氏の力強い言葉も聞かれた。

握手を交わす野間氏とブゴン氏

ハースト婦人画報社発行の定期刊行雑誌

「婦人画報」(月刊)

「ELLE JAPON (エル・ジャポン)」(月刊)

「25ans (ヴァンサンカン)」(月刊)

「MEN'S CLUB (メンズクラブ)」(月刊)

「Harper's BAZAAR (ハーパーズ バザー)」(年10回刊)

「美しいキモノ」(年4回刊)

「MODERN LIVING(モダンリビング)」(隔月刊)

「25ansウエディング」(年8回刊)

「Richesse(リシェス)」(年4回刊)

「ELLE DECOR (エル・デコ)」(隔月刊)

「ELLE à table(エル・ア・ターブル)」(隔月刊)

「ELLEgirl (エル・ガール)」(隔月刊)

「ELLE mariage (エル・マリアージュ)」(年4回刊)

「芸大美大をめざす人へ」(年5回刊)


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