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» 2014年12月16日 13時30分 UPDATE

シャープ、電子書籍の法人向けソリューション事業を拡大

ブラウザビューワにより応用事業展開を加速させる考え。

[西尾泰三,eBook USER]

 シャープは12月16日、ブラウザビューワを活用した電子書籍の法人向けソリューション事業の拡大を発表した。

シャープの松本融氏 今回の取り組みを紹介するデジタル情報家電事業本部モバイルソリューション事業部ネットワークソリューション推進部チーフの松本融氏

 これは、2014年12月10日で4周年を迎えた同社の電子書店「GALAPAGOS STORE」で培ったノウハウをB2Bの領域で応用事業として展開していくもの。

 GALAPAGOS STOREでも4周年に合わせ、試し読み(同社は立ち読みと呼んでいる)部分をブラウザビューワに刷新、アプリ不要で試し読みできるようにした。まだ限定的な適用ながら、サービス利用者はブラウザビューワの導入後増えたとシャープの松本融氏は話す。導入までのハードルが高いアプリではなく、ブラウザでそのまま読めることで活用の幅が広がったとし、これを多種多様な業態にさまざまなサービスとして推進していきたいと今回の発表の意図を述べた。

 シャープは6月に法人向け電子書籍ソリューションを「EBLIEVA(エブリーバ)」という新ブランドで展開していくことを発表。ブラウザビューワも正確には「EBLIEVA ブラウザビューワ」と呼んでいる。このブラウザビューワはビューワ部分のみをサービスに組み込むパッケージ販売のほか、ASP型でも提供されている。これらを今後、以下の3領域に拡大していく考えだ。

  • ストアなどに向けた電子書籍システムソリューション
  • 販促などでのコンテンツ活用などを図る電子コンテンツ活用
  • ICT教育に向けた文教ソリューション

未来屋書店、ニッセン、CDGの導入事例

tnfiggs001.jpg mibonでもこの日からブラウザビューワを一部導入した

 説明会では前述の文教ソリューション以外の2領域から、ソリューションの提供先企業も同席した。

 電子書籍システムソリューションでは、アプリビューワの技術提供をはじめ、これまで連携を強化していた未来屋書店の電子書店「mibon」で同日からブラウザビューワを一部導入。ブラウザビューワの利用促進施策として、人気作品(184タイトル)を週替わりで無料読み放題とするキャンペーンが始まった。

 電子コンテンツ活用ソリューションではカタログ通販大手のニッセンと、CDGの担当者が同席。同じコンテンツ活用といっても、中の商材は、Web上で電子書籍を活用し、定常的なサイト集客や更新感を図る「コンテンツギフト」と、実店舗で電子書籍を活用しようとする「マガジンスポット」に大別でき、ニッセンは前者、CDGは後者の活用を図っている。

 ニッセンは自社サイトに訪れたユーザーに向け、電子雑誌を無料で閲覧できるサービスを12月18日から提供。プロモーショナルマーケティングなどを軸に企業の営業活動支援事業を展開するCDGでは、今後、カフェやレストラン、ホテルなど店舗やスペースを持つ業態、空港や病院など待ち時間の多い業態(これはテーマパークなど行列ができやすい業態でも有効だろう)などに向けこれを提案していく。イベント会場での限定的なコンテンツ配布や、面白いところでは、時間課金システムと連携させたどこでも漫画喫茶のようなものもイメージされていた。

 なお、こうした展開に当たってはコンテンツ部分、つまり出版社などのコンテンツを目的に沿った形で調達することが必要となるのだが、この部分はシャープがGALAPAGOS STOREでのノウハウも生かしながら行うのだという。

ブラウザビューワの適用範囲は拡大?

 シャープはブラウザビューワを軸としたソリューションとして販売していくことを発表した。アプリの利用障壁を踏まえ、Webを強く意識したアプローチであるわけだが、その技術ショーケースといえるGALAPAGOS STOREではこのブラウザビューワの適用範囲を拡大するのか、つまり、試し読み部分だけでなく、ユーザーが購入したものもすべてブラウザ上で読めるようにするつもりなのかは気になる部分だ。

 この点について発表資料では明確には触れられていなかったのだが、mibonが2015年5月ごろを目標に、「Web本棚の導入」を行うとしており、これについて、発表会に同席したmibon事業を統括する未来屋書店デジタル事業部の浅井秀樹部長は、シャープのブラウザソリューションを採用している立場から「シャープさんに先んじるはずがない」と笑顔を見せる場面も。これにはシャープの松本氏も笑顔で頷いており、閲覧までブラウザだけで完結するサービスの提供が視野に入っていることをうかがわせる。

 こうしたよりWeb的な電子書籍サービスをソリューションとして外部にも広く提供することで、2015年はさまざまな企業が電子書籍の活用を図るようになるのではないだろうか。

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