本屋探訪記:読書×料理=COOK COOP BOOK

BOOKSHOP LOVER=本屋好きがお届けする詳細な本屋レポ。本屋が好きならここに行け! 今回は、キッチンスタジオが併設された紀尾井町の「COOKCOOP BOOK」を紹介。

» 2014年11月09日 09時00分 公開
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 渋谷にあった食の本専門店「COOK COOP」。いつの間にか移転していたようだ。

 東京メトロ・永田町駅を降りて徒歩15分。ホテルニューオータニを左手に上智大学の方へ紀尾井町を歩くと、同じ左手に見える大きいお店。ここが今回紹介する「COOKCOOP BOOK」だ(以下は2014年2月7日の記録である)。

本屋にキッチンスタジオ?

 店内に入ると目の前にレジカウンター。イベントがない時はカフェにもなっているようでコーヒーなどのメニューも用意されている。このときはイベントがあったため8席しか用意されていなかったがイベントがない時はもっと多くなるようだ。

 レジカウンター周りが本屋のスペースで、右奥にはかなりの広さのキッチンスタジオ。何と本屋にキッチンスタジオがあるのだ。

 最近、新しく開店する本屋はどこもカフェやギャラリー、中にはシェアオフィスなど他業態と掛けあわせている店が多いが、まさかのキッチンスタジオである。本屋にキッチンスタジオとは!

 しかし、よく考えてみれば自然なことかもしれない。なぜならCOOK COOP BOOKは食の本専門店である。食に興味のある方がお客さんなわけだ。そういう客層に向けてどんな施策があるか。もちろん出版記念トークショーやサイン会もいいだろう。だがそれは、例えば紀伊國屋書店のようなナショナルチェーンでも行われていることで、同じようなことをCOOK COOP BOOKのような小さい本屋でやって勝ち目があるだろうか。

 そこで考える。食と言えば当然料理。では、レシピ本の著者に出版記念イベントと称して料理学校のようなことをしてもらえばよいのではないか。そのためにはキッチンが要る。せっかく作るなら外にも見える形でやった方がいい。なにせイベントなのだから。あくまで推測だがこう考えていけば本屋なのにキッチンスタジオがあることも納得できる。

さーて、COOK COOP BOOKの本棚は?

 そんな食の本専門店・COOK COOP BOOKには古今東西、日本からヨーロッパ、中国韓国にインドなど世界各国の職に関する本が取りそろえてある。もちろんレシピ本だけではない。エッセイやビジュアル本などジャンルは同じでも多種多様な品ぞろえである。マグカップやガラス瓶など雑貨も欠かさない。

こんな本まで? こんなに深い食の本の世界

 そうやって棚を見ていくと聞いたことも無いような本があって面白い。まさに専門店の面目躍如である。そんな専門店だからこそ知ることができた面白い食の本を5冊ご紹介しよう。

  • 『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか』
  • 『ムーミンママのお料理の本』
  • 『棒付きお菓子の楽しい世界』
  • 『虫を食べる文化誌』
  • 『Cooking for Geeks』

食べれる本屋

 COOK COOP BOOKは食べれる本屋である。ブックカフェやブックバーのように読書の脇に食があるわけでもなく、逆に食の脇に読書が追いやられているわけでもない。

 食の本を楽しみながら料理をし、料理をするために食の本を読む。ここのカフェで読む食のエッセイ本なんて最高だろう。

 本を食べ、食を読む。食べることが好きな人も読書が好きな人も両方楽しめる。最高の空間がCOOK COOP BOOKなのだ。

 日曜日の昼間に夕飯の献立を考えに行くなんてどうだろうか。

著者プロフィール:wakkyhr

本屋開業を目指す本屋好きサラリーマン。ブログ「BOOKSHOP LOVER」を中心に活動。同名のネット古本屋も営み、「Cannes Lions 2013 Book Project」ではプロデューサーを務める。理想の本屋さんを開くべく本の世界で縦横無尽に活動中。好きな作家はクラフト・エヴィング商会。一番好きな本屋は秘密。

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