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» 2014年10月24日 17時00分 UPDATE

まだ見ぬお宝を求めて:それいけ! デジコレ探索部「第17回 からくり技術を現代に伝えた あるからくり師の設計図」

日本の貴重なデジタル化資料を公開している国立国会図書館デジタルコレクション(デジコレ)。本連載では、デジコレで見ることができるデジタル化資料の中からコレは! というものを探し出し、紹介していきます。

[宮澤諒,eBook USER]

 皆さん、「からくり」といったらどういったものを思い浮かべますか? 一番有名なのはおそらく「茶運び人形」でしょうか。子どもを模した人形がカタカタと動いてお茶を持ってきてくれるアレです。

お茶を受け取るとその場で止まったりして、出来の良さに驚いたことがあるわ。

 実は現在よく知られているこの茶運び人形ですが、ある人物が著した書物を参考にして作られたものだということはご存じですか?

発明家といえば平賀源内が思い浮かぶけど、違うかしら。

 惜しいですね、時代は同じくらいです。書いたのは江戸のからくり師“からくり半蔵”こと細川半蔵。そしてこちらがその著書『機巧図彙(からくりずい、きこうずい)』(首・上・下の3巻からなる)です。

『機巧図彙』(首巻、1796年) 『機巧図彙』(首巻、1796年)

ちゃんと残ってるのがすごいわよね。

 『機巧図彙』には、首巻に和時計4種、上下巻に人形9種のからくりの仕掛けが書き記されています。

 ちなみに、日本最古のからくりは『日本書紀』に登場する「指南車」だといわれています。これは、台車の上に車輪と連動した人形を設置して、台車がどの方向に動いても人形は最初に向いた方向を示し続けるというものです。磁石がない時代にコンパスの役目を果たしていたんですね。あ、でもこれは日本で最初のものであって、中国ではそれよりも前に制作していたそうです。

 それでは、本の中を見ていきましょう。

rmfig201-2.jpg 柱時計(首巻)
rmfig201-3.jpg 柱時計の内部構造(首巻)
rmfig201-4.jpg 使われている歯車などの部品(首巻)
rmfig201-5.jpg 櫓時計 鐘楼を模した台に乗せてある置時計ですね(首巻)
rmfig201-6.jpg 尺時計 中にある重錘が下がることにより時計が動きます(首巻)
rmfig201-7.jpg 茶運び人形 この資料がなければ現代の日本に茶運び人形は存在しなかったことでしょう(上巻)
rmfig201-8.jpg 五段返り人形 体を後ろに反らせながら段差を降りることができます(上巻)
rmfig201-9.jpg 五段返り人形の内部構造。どこか犬っぽいですね(上巻)
rmfig201-10.jpg 連理返り人形 前にいる人形を支えにして前転します(上巻)
rmfig201-12.jpg 鼓笛児童 子どもの人形が笛や太鼓を演奏します(下巻)
rmfig201-13.jpg 魚釣人形 永久にキャッチ&リリースするのでしょうね……(下巻)
rmfig201-14.jpg 品玉人形 品玉とは手品のこと。箱を被せるたびに中に入れたものが変化していきます(下巻)

 本だとどうしても動きまで見ることはできないので、読んでみて気になった方はYouTubeなどで検索することをおすすめします。特に品玉人形は中の人がいるんじゃないかと疑うような動きをしますよ。

岐阜県高山市の高山祭りでもからくりを見ることができるわよね。残念ながら今年はもう終わっちゃったみたいだけど、覚えておいてね!

 オレンジ文字さんナイスです。それでは、また次回お会いしましょう。

『機巧図彙』http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2568591?tocOpened=1

(出典=国立国会図書館)

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