出版業界ニュースフラッシュ 2014年10月第3週

書協や雑協の取り組みが多く見られました。

» 2014年10月20日 11時00分 公開
[新文化通信社]
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書協、出版契約書ヒナ型説明会開く

 10月15・16日の2日間、東京・音羽の講談社で開催。ヒナ型づくりに関わった書協知的財産権委員会権利WGの村瀬拓男座長(弁護士)が紙・電子一体型の出版契約書の各条項を詳説。

 電子書籍や文庫化など出版計画はあるものの、期日が未定の場合、第25条「特約条項」へ「後日、協議して決定する」などと記述することを推奨。それにより一体型の出版契約を確保できると説明した。

 また、村瀬座長は「改正著作権法では単行本と文庫で別々の出版社が出版権を設定できると解釈できる余地がある」と指摘。出版権は紙媒体で一本化することが望ましく、再許諾は親本出版社の契約切れに伴う問題などもあり、再許諾に関する条項を書協のヒナ型では設けなかったと解説した。

雑協「定期購読キャンペーン」、日販が3万2000件でトップ

 獲得件数は雑誌愛読キャンペーンの期間中(7〜9月)、主要7取次合計では7万1117件(前年比26%増)。部数ベースでは84万部以上。

 獲得書店ベスト3は大阪:福島書店(815件)、山口:文栄堂(685件)、東京:青山ブックセンター・流水書房外商部(573件)。福島書店は5年連続で首位をキープ。販売上位の雑誌は『日経トレンディ』(3483部)、『LEE』(2974部)、『with』(2604部)。

 取次別では日販が前年に比べ1.8倍伸びて3万2063件で、過去最高の獲得件数。2位がトーハンの1万7311件、3位が大阪屋が1万5284件となった。

書協、雑協の2委員会、「特定秘密保護法」施行に反対声明

 10月14日、政府が特定秘密保護法の「政令および運用区基準」を閣議決定した後、書協の「出版の自由と責任に関する委員会」と雑協の「人権・言論特別委員会」が連名で反対声明を発表した。

 2万3820通のパブリックコメントが寄せられた同法。しかし、修正したはずの「政令および運用基準」は、国民の声がほとんど採用されず、期待はずれのものだったと批判。「国民の知る権利」や「出版・報道の自由」を脅かす危険性が高いとし、改めて反対する意思を表明した。同法は12月10日に施行される予定。

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