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» 2014年10月14日 10時35分 UPDATE

「当たり前」ができるチームをつくろう!

[新刊JP]
新刊JP

 サッカーワールドカップが閉幕して、はや2カ月。新しい指揮官を迎え、日本代表は4年後のロシアワールドカップに向けてスタートを切っています。

 ブラジル大会で予選敗退に終わった日本代表の課題として「チーム力」を挙げる評論家が多くいましたが、ビジネスの世界でも「チーム力」は大きな課題の一つでしょう。どうすればチームを団結させられるか、一人ひとりが協力しあうにはどうすればいいか……こうしたことに頭を悩ます方にお勧めの一冊があります。

「当たり前」ができるチームをつくろう! 「当たり前」ができるチームをつくろう!

 チーム研究の第一人者である著者が「チームワークの原理原則」について説いた『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』(エイミー・C・エドモンドソン/著、野津智子/訳、英治出版/刊)です。本書では、ハーバード・ビジネススクール教授である著者が20年の研究成果をもとに、次の問いへの答えを解き明かしていきます。

 これまでのように、物理的に同じ場所にいて、信頼を築く時間がある、固定された集団ではなく、メンバーが世界中にいて、プロジェクト終了とともに解散する、流動的な集団である「チーム」を機能させるためには何が必要なのだろう?

 サッカーで例えると、前者のような固定された集団は、日々顔を合わせる「クラブチーム」。後者のような流動的な集団は、大会や合宿のときだけ集まる「代表チーム」だといえます。サッカーに限らず、ビジネス界においても、あるプロジェクトが発足し、チームメンバーは世界中にいて、目的達成と同時に解散して、メンバーはまた次のプロジェクトに加わる、といった仕事のスタイルが決して珍しくありません。

 そんな中、チームを率いるリーダーは、どんなことに注意してメンバーをまとめ上げていけばよいのでしょうか? 本書では、「チーミング」という著者オリジナルの概念を基に、チームワークを発揮するために大切なことを説いていきます。

チームとしての「当たり前」ができるようにする

 「チーミング」とは、新たなアイデアを生み出し、何かの問題を解決するためにメンバーを団結させるチームワークのこと。具体的には、「チーミング」は次の4つの行動から成っています。

  1. 率直に意見を言う
  2. 協働する
  3. 試みる
  4. 省察する

 一見、どれもチームとして「当たり前」のことのように思えますが、実際にやってみると、人間関係の悪化が気になって「率直に意見を言う」ことを避けてしまったり、失敗して自分の評価が下がるのが怖くて「試みる」ことをためらったりしがちです。

 本書では、そうした「当たり前」のことを、どんな状況でも一人ひとりが実践できるように、リーダーが心がけるべきコツを幾つか紹介しています。例えば、「率直に意見を言う」「試みる」というチーミングのコア要素を実践するには、「心理的安全を高める」ことが重要だと著者は説いています。

 「心理的安全を高める」ことで、何か意見を述べ、行動を起こした結果、他人から「無知・無能だと思われる不安」「邪魔をする人だと思われる不安」を解消する効果があります。心理的安全の高いチームは、対人関係のリスクが軽減されているので、一人ひとりが率直に意見を言ったり、試みたりすることができるのです。

「心理的安全」を高めるリーダーシップ

 では具体的に、心理的安全を高めるためにリーダーはどんな行動をとればよいのでしょうか? 本書の中で、「自分もよく間違うことを積極的に示す」というアドバイスが紹介されています。

 この本に登場するある心臓手術チームのリーダーは、スタッフに対して「きみたちの意見が必要だ。わたしはきっと何か見落としているだろうから」と、何度も繰り返し伝えています。リーダーが自分の限界をさらけだしたことで、メンバーの意見が尊重されていること、プロジェクトへの積極的な参加を促すことに成功。その結果、心理的安全が高まり、心臓手術という刻々と状況が変化する中で、絶妙なチームワークを発揮することに成功したのです。

 リーダーという立場上、自分が間違うこと・失敗することをさらけ出すのは勇気がいることだと思います。しかし、新しいプロジェクトに挑戦するとき、間違いを犯してしまうのは当然のことです。その際、「正解はまだ自分にも分からない。だから、一緒に正解を考えよう」とメンバーに表明することが大切なのです。

 あらゆる組織・チームにおいて、問題解決や目的達成のために、チームワークは欠かせません。チームリーダーやマネジャーにとって本書は、チームワークを発揮するために、自分がやるべきこと、やってはいけないことが整理できる一冊になるでしょう。

(新刊JP編集部)

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