インタビュー
» 2014年09月25日 13時30分 UPDATE

心が満たされない人に共通する生き方

悩みの連続であるわたしたちの人生。「どう生きるか」という問に答えを与えてくれる書籍『へそ道 宇宙を見つめる 使命を見つける』の著者、入江富美子さんにお話を伺いました。

[新刊JP]
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 「人からどう思われているのだろうか?」と不安になったり、「自分の生き方は正しいのだろうか?」と疑問に思ったり、あるいはなんとなくモヤモヤした気分になったりと、わたしたちの人生は悩みの連続。

 これはおそらくどんな人でも共通のはずですが、困ったときに、「自分の基本」に立ち戻ることができる人は、迷いや悩みから早く抜け出すことができます。

 『へそ道 宇宙を見つめる 使命を見つける』(サンマーク出版/刊)で明かされている「へそ道」は、この意味で悩みや問題に対処しやすい生き方。自分の根本を常に意識することになるこの生き方をどのように取り入れていけばいいのか。著者の入江富美子さんにお話を伺いました。

心が満たされない人に共通する生き方 心が満たされない人に共通する生き方

―― 『へそ道 宇宙を見つめる 使命を見つける』についてお話を伺えればと思います。まず、「へそ道(へそどう)」とは一体どのようなものなのかをお聞かせ願えますか。

入江 「へそ道」というのは、人生の答えは自分のなかにある、ということを実感しながら自分を頼りにして生きることのできる生き方のことです。

 そのことに「へそ道」と名づけたのには意味があります。

 大昔の日本はひらがな文化で「やまとことば」というものがありました。ひらがなの一文字ひと文字に意味があり、「へそ」の「へ」とは、船の「へさき」という言葉の通り、「先端」ということ、「そ」とは、素=もと、「すべてのもと」という意味があったのです。

 だから「へそ」というと「すべてのもと、と先端」ということでへそでつながったわたしたちは、「すべてのもとからつながって、先端である今を生きているよ」という意味があります。

 わたしたちは「へその緒」でお母さんとつながっていたわけですが、そのへその緒をおばあさん、ひいおばあさん、とずっと辿っていくと、やがては宇宙のはじまりに行きつきます。そうやって今、へその先端を生きているわたしたちが全ての根源とつながっていることを意識して生きることが「へそ道」の基本です。

―― この「へそ道」ですが、どのようにして入江さんはこの生き方に入られたのでしょうか。

入江 わたし自身が生き方がわからず悩みぬいた経験が「へそ道」の根本にあります。

 わたしは、小さいころ父と一緒に寝ていたのですが、6歳のときにわたしが寝ているすぐ横で、父が心臓マヒで亡くなったんです。そのときに救急隊員の方の「(通報が)あと5分早かったら……」という言葉が、子どもながらにどうしても頭から離れなくなってしまいました。一番近くにいたわたしが気づかなかったから父は死んでしまった、わたしは人生で大変なまちがいを犯してしまったと感じてしまったんです。

 それからは常に自分を責め続ける人生で、自分がどう感じるかではなく、自分がまちがっていないか、正しい人生を送っているかが気になって仕方ありませんでした。そんなことがあって、子どものころから常に生きづらさを感じていましたから、どうすれば心の平安を得られるのかということを、かなり早いうちから模索し考えていたと思います。

―― そうした末に行き着いたのが「へそ道」というわけですね。

入江 しかしそんな簡単なものではなく、先ほどお話したような、生きづらい人生は2005年の大晦日まで続きました。一見普通に過ごしているようでしたが、本当に泥の中にいるといいますか、暗闇で生きている感覚で、溺れる中で必死に目に見える世界に答えを探しましたが、そこから抜け出す答えが見つけられませんでした。

 小さいころから常に自分がまちがっていないかということが気になっていましたから、人生の「幸せ」についての考え方も、時代の価値観だとか常識に左右されていましたし、成功や人に評価されることが幸せな人生だと思っていました。

 ですから、自分なりに頑張って仕事もうまく行っていたし、結婚して子どももいましたから、自分なりに考えた幸せの「ビジョン」は達成したとは言えるのですが、それでも心の中は昔と変わらず苦しいままだったんです。

―― ある意味贅沢な悩みとも言えますね。

入江 そうですよね。実際に感謝が足りない自分を責めていましたし、「わたしってわがままなのかな」とも思っていました。でも、どうしても自分の中にある空しさはぬぐえませんでしたし、違う生き方があるという思いが大きくなるばかりでした。

―― 空しいといっても、結婚したときやお子さんが生まれたときはうれしいのではないですか?

入江 そこが難しいところで、もちろんうれしいですし、幸せだとも思うんですよ。でも、結局魂の部分が満たされない。

 出産のときは無事に生まれてきてくれただけで幸せだと感じましたし、仕事の面では海外でファッションショーをしたり、会社を立ち上げたりして、そのたびに「今度こそ満足できるはずだ」と思いました。

 自分にまだ何か足りないものがあって、それが得られていない間は「これが手に入っていないからわたしは不幸なんだ」と思ってそれに向かって目標をもって生きられたんですけど、いざ手に入った後も、何かが欠けている感覚があり、肝心の魂の部分が満たされていないことに気づく。この体験をわたしは何度もしてきました。

 それでやっと、人はビジョンを追って生きても幸せになれないのではないか?つまり自分が作った目標を追い続けても、心から満たされることはないのでは?と気がついたんです。

「ありのままの自分」で生きる秘訣

―― そんな人生の転機となったのが2005年の大晦日とのことですが、どんなことがあったのでしょうか。

入江 順を追ってお話ししますと、「ビジョン」を生きても幸せになれないと思ったわたしは、これからは「ミッション」を生きようと決めました。

ミッションを生きるというのは、これまでのように目に見えるものを追うのではなく、たとえ誰にも褒められなくてもいいから、この地球に生まれてきた自分の役割に気づいて、それを果たすという生き方です。

 2005年当時、わたしは専門学校で芳香療法の講師をしながら心理学を学んでいたのですが、そのときの牧師であり心理学者の先生が、「ビジョンではなくミッションを生きる方法があるよ」とおっしゃったのです。そしてその後、「でもね、ミッションを生きるのは大変だよ」と言いました。なぜ大変なのかと聞くと、ミッションは自分が行こうとしているのとは違う方向を示されるよ!とおっしゃったのです。

―― なるほど。

入江 ですから、ミッションが示す方向に行けるのは全体の5%くらいだよと。だから、そちらには空席がたくさんあるんだよとおっしゃいました。それを聞いたときに、その空席が見えた気がして、絶対にそちらに行きたいと思ったんです。

 そこで、わたしが「どうすればミッションを生きられますか?」と聞くと、「毎日『天が期待していることを実現させてください』と祈りなさい」と言われました。

 さらに「ビジョンは自分から描くから力は自分持ちだよ。でもミッションは向こうからやってくるから力は向こう持ちだよ」と。その言葉に心が震えました。

―― そして大晦日がくるわけですね。

入江 そうです。毎日祈り続けていたのですが、そのころは自分にとって人生でもっとも辛い数年間で、主人の会社の倒産や、わたしの流産、子どもの闘病といったことなど本当にいろんなことがうまくいきませんでした。心底弱っているときに、子どものころからかわいがってくれた祖母が亡くなったりと、気持ちの中で追い込まれていきました。

 それまでずっと、正しく、間違いのないように生きようとしてきたわたしでしたが、そのときばかりはあまりに辛いことが重なりすぎて、まるで幼いこどものように泣きました。

 そのとき、自分の中から、自分でも思いもよらなかった幼いころの、怒りや恨みといった感情が溢れだしました。わたしはこういう感情は持っていないと思っていました。幼いこどもに戻っていたわたしは、いつものようにその怒りや恨みという感情をないものにしたり、ポジティブに捉え直すことができなかったんです。

 しかし、その感覚をそのまま感じていると、不思議とその感覚はどこか懐かしいもののように思えました。正しく生きようと思ってきたけれど、こういう汚い感情を持っていたのが本当のわたしなんじゃないか、という気がしたんです。

 それでも、理屈では、かわいがってくれた祖母への感謝の気持ちが心のどこかにあるはずですから、心の中にそれを探してみようとしました。しかし、自分の中に感謝の気持ちなんてかけらもなかったんです。本当に恨みつらみばかりで驚きました。そのとき初めて観念したんです。正しく生きたいと、思ってきたけれど、これが本当のわたしなんだ、こんな汚い心を持ったわたしだけど、このままのわたしで生きていこう、感謝のないわたしでできることをしていこうと決めました。そのとき、はじめてありのままの自分を受け入れたのです。

 その瞬間に、おへそがぐお〜〜と振動しはじめたんです。お腹の底から震えだし、そして感謝の気持ちが泉のようにわきあがってきたんです。「ありがとう〜〜〜」と。

 それは一瞬のことでしたが、何時間にも感じる情報を受け取った瞬間だったのです。

 そこからの奇跡のようなわたしの人生の変化は『1/4の奇跡〜もうひとつの本当のこと」(三五館/刊)という本に書いたのですが、「これは作り話じゃないの?」と言われるほどに「向こう持ち」の人生になったんです。

―― 感謝の気持ちがなかったのに、どこからわきあがってきたのでしょうか。

入江 お腹の底からとしか言えないのですが、その瞬間は自分と世界との境界線がわからなくなるくらい一体感の感覚があって、それを今でも強烈に覚えています。

 この経験から、感謝は「するもの」ではなく「溢れ出すもの」なんだとわかりました。感謝しなきゃと思って感謝するのではなくて、汚い心もネガティブな感情も持っているのが自分なんだとそのままの自分を受け入れた瞬間に感謝は溢れ出すんです。

―― 生きていく上で、今のお話の入江さんのように、ありのままの自分を受け入れられるかというのはとても大事な問題です。これがなかなかできずに苦しんでいる人にむけてアドバイスをお願いできればと思います。

入江 自己受容とは、人生を豊かにするとてもやりがいのあることのひとつだと思います。「へそ道」では自分というものの捉え方を変えることで自己受容の深さが変わってきます。つまり、自分という限りのある人間でする自己受容には限界があると思うのです。

 でも、お母さん、おばあちゃんよりももっともっとさかのぼったすべてのもとから「へそ」を通してつながって、いろんな人の思いが込められて生きているのが自分なんだ、無限のところからつながって今生きている自分なんだと思うと、自分というものの捉え方が変わり、自分が生まれてから今までの人生で自分を評価したり、価値判断するのではなく、もっと大きな視点で、ありのままの自分を受け入れられるのではないでしょうか。

 昔はお爺さんやお婆さんが「お天等様が見ているよ」「ご先祖様が守ってくれているよ」と目に見えないへその世界を当たり前の日常で教えてくれていたので、なんとなく目に見えない何かに守られている安心感があったものですが、今はそういうことを言ってくれる人が少なくなってしまいました。こういう世界観が自分の中に育っていれば、いざというときに自分が自分を支えてくれると思うのです。

 こどもたちにそのことを伝えるために絵本(『おへそのさき』七田教育出版)も出版し、おじいちゃんやおばあちゃんがいないご家庭でも親子で知っていただきたいなと思いました。そして大人もこどもも、そういう大きな世界があるということを思いだし、もしも自分自身の過去の失敗や嫌な思い出で傷ついているなら、昔の自分に対して「あのときはああするしかなかったよね」「それでいいよ」と、今の自分が、昔の自分の味方をするように声かけしてあげると、ありのままの自分を受け入れる助けになるはずです。

―― 先ほどお話に出た「ミッション」ですが、どのように見つければいいのでしょうか。

入江 まずは「ミッションを生きる」と決めることです。

 例えば、わたしは感謝のかけらもなかったからこそ、2005年の大晦日の体験を通して感謝はするものではなく、どんな自分であったとしてもありのままの自分を受け入れることで本当の感謝が溢れ出すのだと学びました。それをたくさんの人に伝えずにはいられないという思いが湧き起こりました。

 人それぞれ通ってきた人生がありますが、その道のりの中にミッションを見つけるヒントがあるのではないかと思います。

―― 本書をどんな人に読んでほしいとお考えですか。

入江 全ての方に読んでいただきたいのはもちろんですが、ミッションを生きたいと望む方には是非読んでいただきたいです。中でもいろんなものに恵まれていると頭ではわかっていても、もっと他の生き方があると感じている人、自分の人生を思いきり日本や世界に役立てたいと考えている方に読んでいただけたらうれしいですね。

―― 最後になりますが、読者の方々にメッセージをお願いできればと思います。

入江 この本で書いている「すべてのもととつながっている自分」を意識する生き方というのは、何かを身につけてすごい人になるということではなくて、本来の自分を知って、もともと持っていたはずの力を取り戻すということです。

 色々なことがある人生ですが、「へそで生きる」生き方を思いだしていただいて、全てとつながっていることを意識できるようになれば、今がほっと楽な気持ちで、より一層の喜びを感じながら生きることができるようになります。人にも優しくなれます。

 生きるのが大変で、どうすればいいかわからなかったわたしだからこそ、「へそ道」がいかに心に平安を与えるかを伝えられると思っています。その大事な部分の全てを書きましたので、ぜひ読んでいただき、さらに喜びを感じながら人生を生きていただけたらうれしいです。

(新刊JP編集部)

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