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» 2014年09月04日 10時34分 UPDATE

亭主関白? ロマンチック? 80年代の「夫婦円満のコツ」とは?

1980年代の「夫婦円満のコツ」とは? 今から約30年前に出版された『嫁さんをもらったら読む本』を紹介します。

[新刊JP]
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 『夫婦のルール』『新しいパパの働き方』など、書店に行くと夫婦円満の秘訣を謳った本が数多く並んでいる。共働きが一般的となった現代では、家事の分担や子育て、それぞれの仕事との折り合いなど、夫婦がお互いを支えあいながら成長していくためのアドバイスが紹介されることが多い。

 しかし、男性が「一家の大黒柱」だった時代には、どんな「夫婦の勧め」が読まれていたのだろうか?

亭主関白? ロマンチック? 80年代の「夫婦円満の秘訣」とは? 亭主関白? ロマンチック? 80年代の「夫婦円満の秘訣」とは?

 ということで、今回は今から約30年前に出版された本、『嫁さんをもらったら読む本』(梅田晴夫/著、日本実業出版社/刊)を現代の女子ライター・石井が読んでみた。著者の梅田氏は小説や脚本を手がけた著名な作家。本書の執筆時には60歳で、「年長者から若者へのアドバイス」という視点で書かれている。

 本書の初版が出版されたのは1980年。男女雇用機会均等法の施行は1986年のことで、それ以前に書かれた一冊だ。バブル景気が始まる前、日本の家族観が変わりつつあるなかで、どのような夫婦像が描き出されているのだろうか。

 新婚男性の心得が書かれた本書をのぞいてみよう。

亭主関白のすすめ

 本書では、「風呂へ入る順番を決めるのは亭主」「嫁は夫より早く起きろ、遅く寝ろ」「女は亭主のグチ・自慢話は黙って聞くこと」など、随所に男尊女卑的な発言が見受けられる。少なくとも表向きは男女平等の考えが広まった現代を生きている私にとって、びっくりな物言いだった。

 しかし、いくら亭主関白を徹底しようとしても夫婦ゲンカを防ぐことはなかなか難しかったらしく、著者の梅田氏は「夫婦ゲンカがエスカレートした場合でも、それを亭主のイニシアティヴでみごとに収めるのが亭主の甲斐性」だと述べている。

 例えば、妻が何か文句や不満を言ったとき、夫は最初は下手に出て「君がそう思うのももっともだ」と相手の言い分をみとめ、妻が「私、言いすぎたわ」と自分の言ったことを反省するよううなす。

 そして反省の色が見られたら、「しかし、いくら夫婦だからといって、言ってよいことと悪いことがある」と一転して攻撃に出て、男にはプライドがあることを妻に教えるのだそうだ。そして、プライドを守るためには別れることも辞さない、ということを匂わせるのがポイントだという。

 現代だったらさらりと「僕が悪かったよ」と言える男に人気が集まるだろう。男のプライド、男の威厳……と、ここまでして妻からの尊敬を得たいのだろうかと不思議に思える。しかし、この時期には声を大にしてプライドを守るよう呼びかけなければならないほどに「一家の大黒柱」としての亭主像が揺るぎつつあったことを逆に示しているのかもしれない。

亭主関白だけじゃない、ロマンチックな夫のすすめ

 とはいえ、著者は頑固一点張りの亭主像ばかりを若者に押し付けようとしていたわけではない。夫婦関係が停滞して”7年目の浮気”を引き起こすことのないよう、いつまでも新鮮な気持ちで夫婦生活を続けるためのアドバイスについても述べている。

 結婚生活が年を重ね安定してくると刺激というものがなくなり、夫婦自身がその沈殿に気づくことすらできなくなってくる、という。結婚生活を重ねた夫婦の仲が危うくなるのは、自分たちで新鮮な刺激を作り出していこうとする意欲が失われるからだという。

そして、その危機を避けるために、1カ月に一度夫婦が恋人同士であった昔の気分に戻って、2人だけのひそやかなパーティーを開いてみてはどうだろうか、と提案する。

 2人ともできるだけお洒落をし、普段は行かないような立派なレストランでおいしいものを食べるのだ。著者は、その特別なデートの場所にはホテル・オークラを選んでいたという。

 このアドバイスからは、筆者のロマンチックな一面が垣間見えてくる。夫婦のマンネリ化を防ぐための1カ月に一度の特別なデートは、現代の夫婦やカップルの円満にも使えるのではないだろうか?

 あとがきには、梅田氏の当時の若者たちに対しての思いが書かれている。それは「若い人たちにわれわれの世代からの声を耳を傾けて欲しい」というもので、過去を古い価値観だとして否定するような姿勢ではいけない――そんな風につづっているのだ。

 確かに大きく変化した点もあるが、全く変わらない点もある。そこから学べることはたくさんある。

 本書は現在絶版になっているが、図書館などで見つけたら手にとってみて、祖父や祖母の若い時代を考えながら、80年代の「夫婦円満」について思いを馳せるのも一興かもしれない。

(新刊JP編集部/石井結)

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