インタビュー
» 2014年08月14日 11時36分 UPDATE

数々の難関試験を突破した“効率の良い試験勉強”とは?

資格試験のオンラインビジネス「資格スクエア」創業者が語る、誰もが実践すべき合理的な勉強法とは? 鬼頭政人さんご本人にお話をうかがいました。

[新刊JP]
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 学生も社会人も、試験を受ける機会はあります。しかし、がむしゃらに勉強しただけではなかなか上手くいかないもの。忙しい中でいかに効率よく勉強をするかということも大事です。

 では、数々の難関試験を突破してきた人たちはどのように勉強しているのでしょうか。

 開成中学、開成高校を特別優等の成績(10段階評価で平均評点9.0以上)で卒業後、東京大学文科1類(法学部)に現役で合格。同大学法学部卒業後、慶應義塾大学法科大学院に現役で進学し、同大学院在学中に司法試験に一発合格したという経歴を持つ鬼頭政人さん。

タ『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』著者の鬼頭政人さん 『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』著者の鬼頭政人さん

 司法修習を経て都内法律事務所に弁護士として勤務した後、ベンチャー企業を多面的に支援したいと考え投資ファンドに転籍、そして現在は資格試験のオンラインビジネス「資格スクエア」を創業しています。

 そんな鬼頭さんの著書『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』(KADOKAWA 中経出版/刊)は、誰もが実践すべき合理的な勉強法を教えてくれる一冊です。

 今回、新刊JPは鬼頭さんに“効率の良い試験勉強法"についてお話をうかがってきました。

開成、東大、司法試験を突破した“効率の良い試験勉強"とは?

―― 『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』の「はじめに」のところで、ギャンブル好きを公言されているのですが、まずはその話から聞かせてください。鬼頭さんは最初のギャンブル経験を覚えていますか?

鬼頭 お金を賭ける公営ギャンブルは、もちろん認められた年齢になってからなのですが、ギャンブル的な要素を含んだゲームという意味でいうならば、ポーカーやナポレオンのようなトランプゲームは家族と一緒に小さなころからやっていました。また、小学校6年生のころ、親と一緒に初めて馬券を買いました。

―― この本のテーマは勉強法、特に試験の勉強法なのですが、ギャンブルとの共通点も多いように思いました。

鬼頭 流れを読み、勝負所を間違えないようにする点はよく似ていると思いますね。ギャンブルは純粋な確率論以上に流れを読むことが大切です。同じ手札を持っていても、場の流れ、空気によって出す手札が変わってくるところがありますが、どこが勝負どころかを見極めることが一番重要なんですね。それは試験勉強においても同じで、限られた時間をどの部分に最もつぎ込めば勝てる確率が一番高くなるのか考えるんです。

 例えるならば、ギャンブルにおけるチップが、受験勉強では時間です。持っているチップの量(時間)はみんな同じですが、それをどう使うかは自分次第なので、空気を読んで一番勝てそうなところにベットするという点は、ギャンブルも試験勉強もよく似ていると思います。

―― これまでの流れ、過去の流れを読んで未来を予測するということですね。

鬼頭 過去の流れを記憶していって蓄積し、それによって未来を予測する確度を上げるということです。試験勉強の場合、過去の流れは主に「過去問」から探ります。

―― 『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』では「過去問」をとても重要視されていらっしゃいます。

鬼頭 本書にも書いているのですが、「過去問」はこれまでの出題者の作品なんです。だから、出題者のことを知る、出題者の考えや気持ちを理解するには、出題者の作品を読むしかありません。

 例えば、中学校や高校のテストならば出題者が先生だと分かっているので、その人と話せばいいのですが、入学試験や国家試験だとその機会はほとんどないですよね。その場合、その出題者が過去にどういう問題をつくってきたかを知ることで、傾向と対策を練るんです。

―― 鬼頭さんがそのことに気づいたのはいつごろのことだったのですか?

鬼頭 中学生のころだったと思います。定期テストというものが始まって、最初は普通にテストの2週間くらい前から勉強していたのですが、だんだんと勉強時間を取らずにもっと効率の良いやり方はないかなと思ったんですね。

 それまではクラス50人中1ケタ位くらいの成績だったのですが、重点を決めて、そこにフォーカスして勉強をするやり方を実践したら、勉強時間そのものは増えていないのに、成績が上がって、常にクラスで3番以内を保てるようになりました。そのときに意識したのが、僕の表現でいう「ヤマを張る」というもので、いわゆる効率を重視する勉強方法だったんです。

―― その勉強方法を確立したことに、きっかけとなるような出来事はあったのですか?

鬼頭 定期テストを何回かこなしていく中で、授業中に言っていた先生の発言と、テストで出題された問題がリンクしていることに気づいたんです。「あ、あのときにああいう発言をしていたのはこのことだったのか」と。テスト中だからそこで気づいても時すでに遅しなのですが、それ以降先生の言葉を注意して聞くようにして、自分の中で事例を積み上げていきました。

―― そうなると、先生がどのような意図で発言をしているのかが分かってくる、と。

鬼頭 そうですね。それが試験勉強では「過去問」に当たるわけで、データの蓄積が大事になります。

 「過去問」の場合、多くの人はただ漠然と解いていると思います。ただ、それだけだと、どうしても問題からのフィードバックが少なくなってしまうんですね。もっと突き詰めて、「過去問」の難易度はどう変わっているのか、出題文の主旨は何かということを読みとることが大切だと思います。それは、新聞を読んでただ漠然と事実を認識するのと、その情報の裏に何があるのかを推測するのに違いがあるようなもので、同じ文章でもフィードバックがまったく違ってくるんです。

―― つまり、落ちている手掛かりに気づく力を養う必要があるということですね。

鬼頭 それは特別な能力ではなく、考える練習をすれば身に付くものです。今、例に出した新聞なんかはすごく分かりやすいですよね。自分が新聞の記事から推測したことは、未来の新聞を読めば分かるので、そういったことがフィードバックとして貯まってくると、この本でいうことの「ヤマを張る」ことの確実性が高まってきます。

“ヤマを張る"勉強法を実践することで効率は一気に高まる

―― どうしてこの『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』を執筆されたのですか?

鬼頭 僕は今、「資格スクエア」という資格試験学習のオンラインビジネスを運営しているのですが、その中で、勉強方法について困っている人がすごく多いことに気づいたんです。実際に、ユーザーの方にお会いしてサービスについてヒアリングをしていたら、勉強法を教えてほしいと僕に聞いてくる人が多かったんですね。

 僕自身、特別な勉強法を実践しているつもりはなかったのですが、改めて考えると、確かに合理的な勉強方法を実践していました。そのメソッドを知ってもらうことで、試験勉強をしている人のプラスになればと思って書きました。

タ『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』著者の鬼頭政人さん 『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』著者の鬼頭政人さん

―― 「資格スクエア」のユーザーの方々は、勉強法について具体的にどのような悩みをお持ちだったのですか?

鬼頭 具体的には「何をしたらいいのか分からない」とおっしゃる人が多いです。自分が目指すべき試験は決めた、参考書も過去問集も買った、でもこれらを使ってどのように勉強すればよいかが分からない、とおっしゃいます。なので、予備校に与えられたカリキュラムをこなして安心したい、とお考えの方が多いように感じました。

 実際、どのように勉強をしているかお伺いしたのですが、すでに自分が知っている範囲を何度も勉強していたり、非常に効率が悪いやり方をしているケースもありました。

―― 新たに勉強を始める時、どうしてもそれまでやってきた勉強法を当てはめることしかできないように思います。

鬼頭 そうだと思います。ただ、与えられた課題に対して、それなりに成果を出してきた人でも、そのやり方が効率的でなかったりすると、難しい試験を受けるときにつまづいてしまうんです。難しい試験の場合は、通常出題範囲が広いので、効率が悪い勉強法だと全範囲をカバーできません。そのときに、本当は別の他のやり方を考えなければいけないのですが、それが分からないので、これまでのやり方で勉強している、という人は多いように思います。

―― どうして鬼頭さんは「資格スクエア」というサービスを立ち上げたのですか?

鬼頭 僕はもともと司法試験を合格して弁護士事務所に所属した後、産業革新機構という投資ファンドに転職したのですが、その2つの組織に違いを感じまして、それがサービス立ち上げの原点の1つになっています。

―― 違いというのはどのような?

鬼頭 弁護士事務所は、もちろんチームで働くこともあるのですが、基本的に一人で仕事をするのですね。成果物も、誰にも直されないようなものを時間がかかってでもいいから出してこい、と。仕事に対するプライドをひしひしと感じる世界でした。法律の話なのでそうなるのはある意味当たり前なのかも知れませんが、ビジネスの世界とは真逆ですよね。ビジネスの世界では5割の出来でもいいから、早く成果物を出せといわれますから。

 ただ、一方で会社組織に入って、ビジネスの世界を渡り歩いていると、どの会社からも愚痴みたいなものが聞かれる。自分の仕事なのに、どうしてプライドを持てないのだろうと。自分の仕事にプライドを持てれば愚痴を吐くことにはならないと思うんです。

 こうした違いがどこからくるのか、と考えたときに資格という視点に行き当たりました。資格はキャリアアップの1つの手段ですし、資格という切り口がビジネスパーソンの皆さんにプライドを与えている側面があると感じたのです。ただ、資格試験学習のサービスを見てみると、意外と高額なので、なかなか手を出しにくい人も多いように思うんですね。それで諦めてしまうのはもったいないので、オンラインサービスでコストカットをし、プライスを安くして、そういった人たちでも資格試験に挑戦できるサービスを立ち上げようと思ったんです。

―― 東京大学法学部、慶應大学の法務研究科から司法試験合格といわゆる法曹のルートを歩んできた鬼頭さんが投資ファンドに転職されたのは何故なのですか?

鬼頭 もともとベンチャーの仕事がすごく好きだったので、転職をしてビジネスの視点を学ばせてもらいました。でも、働いている中で、やはり自分で舵を取るのが一番面白いな、と(笑)。また、自分の信念として、社会貢献というか人の役に立つビジネスを、人生をかけてやりたいという想いもあって、起業しました。

―― 今後、「資格スクエア」をどのように発展させていきたいですか?

鬼頭 今は資格試験対策のサービスですが、資格試験は合格してからが本当のスタートだと思います。なので、その先の仕事の部分、資格を取っただけではなくて、実務につなげる部分のサポートもしていきたいですね。具体的には求人や仕事の斡旋などを考えています。

―― 『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』をどのような人に読んでほしいですか?

鬼頭 どんな人でも試験を受ける機会はあると思いますが、仕事をしている中で勉強していたり、子育てをしながら資格の取得を目指していたりするなど、時間のない中で勉強をしている方に読んでいただきたいです。そうした方には、この本のメソッドが有効に使えると思います。

―― では、最後にこのインタビューの読者の皆さまにメッセージをお願いします。

鬼頭 書籍タイトルはとてもキャッチーですが、内容はいかに合理的にゴールにたどり着くための勉強をするかというところにしぼって書いています。もし、何かの試験を受けようと思っている人、もっと効率よく勉強したいと思っている人は参考にしてもらえると嬉しいです。

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