出版業界ニュースフラッシュ 2014年8月第2週

出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。8月第2週は、早川書房が「パブ シャーロック・ホームズ」を期間限定で開店することなどが話題になりました。

» 2014年08月11日 13時30分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

三省堂書店、東京ソラマチ店に雑貨ブランド「神保町いちのいち」

 8月8日、東京・墨田区の東京ソラマチ店に開店した。「神保町いちのいち」は、本の街神保町に来る人たちに「いちばん」の商品を提供することをコンセプトとした雑貨ブランド。もともと、同店に雑貨コーナーはあったが、神保町本店に2013年11月にオープンした「神保町いちのいち」が好評だったため、売場をリニューアルした。

 展開面積は45坪。商品点数は6145点。観光地、東京スカイツリーに隣接する店舗のため、神保町本店よりも商品単価は低めに設定した。開店記念企画として、神保町本店と東京ソラマチ店共同のスタンプラリーも開催している。

 三省堂書店は、他の店舗でも「神保町いちのいち」の導入を進め、いずれは単独での出店も目指している。

出版協の加盟4社、再販違反で日販に違約金請求

 あけび書房(久保則之社長)、彩流社(竹内淳夫社長)、大蔵出版(青山賢治社長)、リベルタ出版(田悟恒雄社長)の4版元は7月18〜30日にかけて、日販の再販契約違反を理由に1万〜5万円の違約金を請求した。学生対象にポイント10%を付与するAmazonStudentプログラムが再販違反とする出版協では、アマゾンや日販などに再三、中止を求めた。

 しかし、アマゾンは契約当事者でないことを理由に実質“門前払い”に。これに対し、出版協側では自社商品のプログラム対象からの除外を求めたが、回答はなかった。

 出版協は、アマゾンと取引のある日販に指導するよう要請したが、「還元ポイントが再販契約違反にあたるかどうか、司法や行政の統一的な解釈基準が示されいない」現状で、日販独自の判断は困難。また、「要望をいただいたプログラムからの除外指導はいたしかねる」と4社に文書で回答した。

 8月6日の記者会見では「日本一の書店と取次が協同して本の値下げ作業をしている。看過すると、再販制度が崩壊しかねない」と厳しく批判した。

早川書房、期間限定で「パブ シャーロック・ホームズ」開店

 早川書房(東京・千代田区)1階のカフェ クリスティに、シャーロック・ホームズの関連グッズを展示、販売するパブを期間限定で開店した。映画や、テレビドラマの宣伝ポスターやチラシのほか、翻訳家でホームズ研究家・日暮雅通氏所有のホームズの人形やカップも展示している。

 ホームズ作品の舞台、ベイカー街にちなみ、イギリスのパブ風フード、ドリンクを提供。作品の名セリフが記されたオリジナルコースターも作製した。ホームズにちなんだトリビアクイズも用意された。営業時間は午後5時から同10時。平日のみ、8月29日まで。

期間限定で開店した「パブ シャーロック・ホームズ」 期間限定で開店した「パブ シャーロック・ホームズ」
ホームズ関連のポスターも多数展示 ホームズ関連のポスターも多数展示

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