読者は無料の電子書籍から離れていく

» 2014年07月25日 15時30分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader

 2009年から2013年までの電子書籍ブームの間に、多くの人がデジタルに切り替えた。オンライン書店はレコードビジネスを行い、セルフパブリッシングのシステムを提供する多くの新規企業がマーケットに参入したのである。

 著者たちが自らの作品を出版するために採った方法の1つは、無料で配ることだった。そして、それらが始めから無料か、あるいは特定の間だけ無料かに関わらず、人々は次々と電子書籍をダウンロードしていった。最近の調査によれば、電子書籍の無料配信は、もはや売上を伸ばすためには効果的でないらしい。

 セルフパブリッシングプラットフォームを提供する米Smashwordsが先日発表した年次調査などは興味深いデータといえるだろう。同社がAppleのiBooks Storeに供給している作品の販売傾向データによると、無料配信による販売促進効果は、2012年を100とすれば、2013年は91、2014年は39と、まだ効果的だとはいえ、その力は弱まってきている。

 電子書籍市場自体は間違いなく成長している。AAP(全米出版社協会)の調査では、いわゆる一般書に当たるジャンルにおける電子書籍の売上高は、2012年に比較して2013年は3.8%増、年間合計で13億ドルとなった。

 自ら電子書籍を売る作者たちは、無料で本を売るという考えが通用しなくなっていることに気付き始めている。もはや無料にしたからといって、多くの読者に読まれることは期待できないのだ。

 もし無料配信が機能しないとしたら、最も効果的な価格はいくらなのだろう? 上述の調査によれば、2.99ドル、次いで3.99ドルや0.99ドルが最も多く使われる価格だという。

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