本について語り合う場を――夜の渋谷に図書館のようなバ―「森の図書室」がオープン

» 2014年06月13日 12時00分 公開
[宮澤諒,eBook USER]

 「いつか、自分の図書館をつくる」ある男性の中学生時代の夢が、もうすぐ実現しようとしている。

 場所は渋谷・道玄坂。ファッションや音楽など、若者を中心とした文化があふれるこの街で6月16日、本が読めるカフェ&バー「森の図書室」がオープンする。オーナーは森俊介さん。店名の「森」は自身の名前から取られている。



 森の図書室を作ろうと思ったきっかけは、中学生のころ読んだ本。田舎で私設図書館をつくったおじいさんに憧れ、自分も好きな本に囲まれる暮らしがしたいと思うようになったという。

 森の図書室に期待を寄せる人は多い。それは4月25日〜5月30日にかけて「CAMPFIRE」で実施されたクラウドファンディングの結果から知ることができる。当初の目標金額は10万円。しかし、最終的にふたを開けてみると、集まったお金は950万円を超え、パトロンの数は日本のクラウドファンディング最高となる1737人を記録した。「こういう場所があったらいいなと思っていた」「本に囲まれてお酒が飲めるなんて最高」など、森さんの下には数百、数千のコメントが届いた。応援の声に感極まり涙したこともあった。



 40〜50席ほどの店内には、足元から天井近くまで約5000冊の本が並ぶ。「本との偶然の出会いを大切にしてほしい」との想いから、あえて本のジャンル分けはされていない。


ガレージをイメージしたという店内

足を伸ばしてくつろげるソファー席

パトロンおすすめの本が並ぶ棚 ここには約600冊陳列できるという

 店の奥には、高さ3メートル弱の大きな棚がある。ここに並ぶ本は全て、クラウドファンディングでパトロンとなった人がおすすめしたものだ。

 本は店内で読む以外に、借りることも可能。「リブライズ」というサービスを使って貸し出しを行うため、借りるにはFacebookへの登録が必要となる。本の貸し出しは無料。

本を読みながら飲むビールは格別

 店内ではドリンクやフードも提供。アルコールはビール・カクテル・サワーなどで、学生時代にバーテンダーをしていた森さんが、自ら腕を振るうという。フードメニューはまだ未定だが、建物の構造上あまり本格的な調理はできないという。なお、席の利用には席料500円が必要。有料会員(会員権1万円)になれば席の利用にお金はかからない(更新費用 1000円/年)。月2回以上通う人は会員になったほうがお得だ。


森の図書室の看板 本が3つで森

 「読書家の語り場として、普段本を読んでない人に本を手に取ってもらう場として、人と本が出会う場所になってほしい」と語る森さんの目は、まるで無邪気な中学生のように輝いていた。

 なお、記事の最初にオープンは6月16日と記したが、6月中はクラウドファンディングでパトロンとなった人と、その友人のみ入店可能。また、6月中の営業時間は午後6時〜午前1時だが、7月1日からは昼の営業も予定しているという。

森の図書室

住所:東京都渋谷区円山町5-3 3F

TEL:03-6455-0629

MAIL:info@morinotosyoshitsu.com

Twitter:@morishun428

Facebook:facebook.com/morinotosyoshitsu

オープン:2014年6月16日(6月中はパトロンとその友人のみ)

定休日:なし

営業時間:午後6時〜午前1時

料金:席料500円(会員0円、非会員500円、会員権1万円)


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