ある種の書籍が読了されず放置されるのはなぜか?

読もうとして購入したのに数ページ読んで放置している作品、そんな経験はあなたにもあるのではないだろうか。それはなぜ起こるのだろうか。

» 2014年06月04日 15時00分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader

 わたしたちが「いつか読もう」と思っている本は多い。時には、「読むかもしれない」と、わざわざ外出して購入したりもする。それは古典だったり、最近出版されてメディアを通して耳にしたことのあるタイトルかもしれない。本を数ページ読んで放置したり、まったく読まなかったりするのはどうしてだろうか。

 ソーシャル読書サービスの「Goodreads」は最近、購入した本を放置する心理に関する調査結果を公開した(記事末のインフォグラフィック参照)。これは海外のケースだが、この調査によると、『Catch 22』『Lord of the Rings』『Ulysses』『Moby-Dick』『Atlas Shrugged』が最も放置される頻度が高いという。

 最も放置される頻度の高い、最近の書籍トップ5にはJ・K・ローリング氏の『The Casual Vacancy』のほか、『Fifty Shades of Grey』『Eat Pray Love』が含まれており、『The Girl with the Dragon Tattoo』『Wicked』もよく放置されるという。

 本を数ページ読んで放置し、数年後に再び読み始めるのはなぜだろうか。一般的な読者は特定の作者が書いたものをすべて読むのか、あるいは自分の好きなジャンルに限定して読むのだろうか。相当数のユーザーがこのテーマについて考察している。

 「ハリー・ポッターシリーズは大好きだが、好きな作者が書いた本をすべて読むわけではなく、ローリング氏の場合、(3冊のハリー・ポッター関連本を除いて)ほかの小説、『The Casual Vacancy』『The Cuckoo’s Calling』を読もうとは思わない」。

 ほかのユーザーの考察によると「楽しむため、現実世界から逃避するために読書するが、それにより自身を高めようとは思わない。まじめな本を読むことでより良い人間になることは分かっているが、読んだことがないので、わたしはより良い人間ではないし、ゆえにそれらの本を読むことはないだろう」という。

 さらに、ほかのユーザーもこんな考えを寄せている。

 「読みきれない本はたくさん存在している。どんな本かといえば、生きていくにはあまりにも馬鹿な(あるいは付き合うには相当いらいらさせられるような)ヒロインか、パートナーの死に深く傷つき、自身を責めるヒーローが出てくるような本。思いがけなく伴侶と離婚し、若い男性との愛を見出した中年女性の本。機能不全に陥った一族の女族長となる20世紀初頭のアイルランド人貧困層の女中の本。誰が犯人か簡単に分かってしまうミステリー。章全体がプロットに関係なくセックスシーンに費やされる本(ローレル・K・ハミルトンのことだ)。実生活で知っていたら好きになれない人々の生活を描き出すことで人間の条件について考えさせるはずの『重要な』本。内容への興味を台無しにしてしまうほど大量の脚注が入った本などだ」。

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