ここまで美に狂った本があっただろうか――美学文芸誌『エステティーク』創刊

17人のさまざまな分野の識者によって語られる「美」の世界に酔いしれる。

» 2014年06月03日 10時55分 公開
[宮澤諒,eBook USER]
『エステティーク』 『エステティーク』

 日本美学研究所は6月1日、美学文芸誌『エステティーク』を発売した。名前は仏語で「美学」の意。

 日本美学研究会は、美術や文学、哲学、宗教などあらゆるカルチャーを通して「美とは何か」を探求し、広く世に広め、人類の文化活動に貢献することを目的とする集まり。メンバーはグラフィックデザイナーや漫画家、サウンドクリエイターなど5人からなっている。

 『エステティーク』は、美について考え、語る場を作ることで、同研究会の研究目的である人類の文化活動に貢献し、理念に掲げる「世界を、より美しく」を遂行していくことを目指す。コンセプトは「美の標本箱」。創刊号の特集は「美」。舞踏家、画家、僧侶、調香師など、さまざまな分野で活躍する総勢17人の識者によって美が語られている。


編集長の言葉 編集長の言葉

 現在はネットショップ運営サービス「BASE(ベイス)」で先行発売が行われている。価格は902円(税別)。送料は無料。

目次

  • 金子國義(画家) 『エロスの額縁』 巻頭インタビュー
  • 最上和子(舞踏家) 『人間の体は美しい』
  • 小林信之(美学研究者) 『美の非情性』
  • 田中雅志(作家・美術史家・翻訳家) 『アンドロギュヌスの美の系譜―あるいは星々への回帰』
  • 大岡 淳(演出家) 『オスカー・ワイルド「サロメ」演出ノート
  • 深澤紗織(詩人) 『わたしという宮、または身体詩』
  • 三浦和広(編集者) 『聖なる言葉』
  • 辻 大介(調香師) 『香りからみた娼婦と美学』
  • 谷崎榴美(魔女) 『このましくない感じ』
  • 華藤えれな(BL作家) 『儀式』
  • 鵺神 蓮(緊縛師) 『淫縄美縛』
  • 森 功次(美学者) 『失礼な観賞』
  • 岩渕竜子(漫画家) 『美少年の骨は白』
  • 平林幸壽(僧侶・現代アーティスト) 『近代日本美術史のおける文化的遺伝子としての仏教』
  • 佐々木克己(劇作家) 『演劇にとって美とは何か』
  • YUKO−KAT(ミュージシャン) 『ピルグリマージュ・ヌミノース―畏怖巡礼―』
  • 野尻英一(哲学者) 『美と弁証法』

【挿絵】

  • 阿波村奈央
  • 銀河博覧会

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