Screwpulpはブックレビューの救いとなるか

消費者は本に対するどのフィードバックを信頼するかで苦労している。海外ではあるスタートアップがそうした現状の改善につながるかもしれないサービスを立ち上げた。

» 2014年05月12日 14時59分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader

 さまざまなソースに由来するブックレビューをめぐって、読者と著者は非難の声を上げている。Amazonで頻繁に目にする怪しげなレビュー(レビュー投稿者が消えてしまっていたりすることもある)、好意的なレビューを購入する作者に関するニュースなど、消費者は本に対するどのフィードバックを信頼するかで苦労している。

 これらの問題を解決するため、というわけではないが、あるスタートアップ企業がこうした問題の大部分を解決する仕組みを考案した。グーテンベルクのオリジナル印刷機の名前と、安価だが魅力的な読み物を指す用語のマッシュアップであるScrewpulpは、書籍の実際の価値に応じて値付けを行うことで本との新たな出会いの場を作ろうとするものだが、これはブックレビュー全体の構造改革につながり得るものだ。

 「そもそものアイデアは適切に書籍の値付けを行う方法を考え出すことでした」とScrewpulpのリチャード・ビリングスCEOはGood e-Readerのインタビューに答えて説明した。「Amazonなどで本の価値は低く評価されていると感じており、需要と供給は典型的でありながら、市場が負担できる費用を示すメカニズムは存在しないようです。電子書籍は無限に供給されており、大手出版社でさえ値付けに問題を抱えています」。

 Screwpulpの仕組みはこうだ。著者や出版社が同サイトに書籍をアップすると、レビューが25件に達するまでそれらの本は無料で読むことができる。レビューがその数を超えると、価格は1ドルに上がり、その後はレビュー数に基づき段階的に上昇し続ける。

 この仕組みを逆手に取った偽りのレビューが氾らんしないよう、Screwpulpはレビューの重み付けを行っている。読者や作者は、明らかに本を読んでいないようなレビューに対しては、レビューを削除するためのフラグを立てることができるようになっている

 現在、プラットフォームはβ版だが、正式公開されれば誰もが作品をアップロードできるようになる。不快なコンテンツや盗用コンテンツを調査する事前審査プロセスは設けられているが、基本的には誰もが自分の作品の提出を歓迎される。また、デザインツールやプロモーションなどのツールも今後整備されるようだ。

 「われわれは、インディーズ作家をスタートアップ企業に見立てて、ビジネスを成立させるために実現可能なすべてのツールを彼らに提供したいと考えています」。

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