出版業界ニュースフラッシュ 2014年4月第2週

出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。4月第2週は海外事業者への公平な課税適用を求める動きなどが話題となりました。

» 2014年04月14日 11時18分 公開
[新文化通信社]
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紀伊國屋書店の高井昌史社長、電子書籍販売事業の公平課税訴える

 4月10日、日本出版インフラセンター主催の「海外事業者に公平な課税適用を求める緊急フォーラム」のあと、高井社長は消費税が免除されているAmazonなどとの税制格差が10%になった時点で「電子書籍販売事業を継続できなくなる。もう白旗を上げるしかない」と話し、海外事業者に対する公平課税を「1日でも早く実現してほしい」と訴えた。

 「1000年続いてきた日本文化が破壊されかねない」と警戒感を露わにし、各方面に消費税法改正への協力を呼びかけた。

「進撃の巨人」、講談社過去最高の初版275万部で

 講談社は4月9日、諫山創「進撃の巨人」13巻の初版部数を同社過去最高の275万部で発売した。最高初版部数の更新は1987年に発売されたきうちかずひろ「ビー・バップ・ハイスクール」8巻の227万部以来26年ぶり。同シリーズの累計部数は3600万部を突破する。

 また、かねてより企画されていた「進撃の巨人」関連のプロジェクトも相次いで発表。劇場版アニメ映画「進撃の巨人 編〜紅蓮の弓矢」は冬に公開。俳優・三浦春馬氏が主演する実写版映画は来年、全国東宝系で公開されることが決まっている。

 さらに、上野の森美術館(東京・台東区)では今冬に「進撃の巨人展」を開催。ミューザ川崎(川崎市)のラゾーナ川崎プラザ ルーファ広場では4月10日から3日間、「進撃の巨人 プロジェクションマッピング」が行われた。

文藝春秋、有田哲平さん効果で『イニシエーション・ラブ』が100万部に

 4月7日、乾くるみ『イニシエーション・ラブ』(文春文庫)の重版を決め、累計100万部に到達した。

 同書は2007年4月刊行だが、今年3月3日放送の日本テレビ系「しゃべくり007」でお笑いコンビ・くりぃむしちゅーの有田さんが「最高傑作のミステリー」と絶賛したことでブレイク。放送後1カ月で5刷・21万3000部を増刷し、ミリオンセラーとなった。

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