出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。3月第4週は書店向け“デジタルラック”や、村上春樹氏の新刊が発売前に重版などが話題になりました。
文藝春秋は4月18日に発売する村上春樹氏9年ぶりの短編集『女のいない男たち』(本体1574円)について、発売前に10万部の重版を決めた。初版20万部と合わせて、早くも30万部に到達した。
同社では3月15日から同書の発売情報を解禁。書店やネット書店での予約が相次いでいることから重版を決めた。
本や書店に関するトークと音楽ライブを融合したイベント「ブックンロール2014」が6月27日、東京・杉並区の阿佐ヶ谷ロフトAで開催される。今年のテーマは「それでも『本屋』で、生きていく」。主催はサイト「空犬通信」を運営する編集者の空犬氏。
トークの部には、山下書店南行徳店の高橋佐和子氏、MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店の樽井恭子氏、BOOKSルーエの花本武氏、大盛堂書店の山本亮氏が参加。いずれも現場で活躍する中堅の30代。司会はリブロ池袋本店の辻山良雄氏が務める。
料金は前売1000円、当日1300円(ドリンク代として別途500円)。5月10日から予約を受け付ける予定。
3月27日、取締役会でトップ人事を決めた。松原眞樹常務(60)が新社長に、佐藤辰男社長(61)が取締役相談役に就いた。松原新社長は紀伊國屋書店会長を務めた故松原治氏の長男で、現在、紀伊國屋書店の社外取締役も兼任している。
KADOKAWAの2014年度が4月からスタートするにあたり、期首から新体制で臨むことになった。
日販グループで、Web制作や電子出版を手掛けるクリエイターズギルドは3月27日、電子書籍レーベル「キニナルブックス」を創刊した。ビジネスマン向けに自己啓発や雑学などを提供。価格は250〜500円程度。まずはAmazonのKindleストアで配信する。
創刊ラインアップは『1時間であなたの魅力が驚くほどアップする技術』『欧米の小・中学校で教えている人を動かす知的論理トレーニング』など8タイトル。その後は毎月5〜10タイトルずつ配信していく。
創刊を記念して、Facebookに特設ページも開設、「いいね!」を押した人の中から抽選で100人にAmazonギフト券1000円分をプレゼントする。
雑誌編集者ら98人が投票して決まった。大賞は『週刊文春』8月8日号に掲載された「シャブ&飛鳥の衝撃―飛鳥涼は『覚せい剤吸引ビデオ』で暴力団に脅されていた!」。今回から企画賞を新設し2作品を選んだ。授賞式は3月28日、午後6時半から東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で。各賞の受賞作は次の通り。
SBクリエイティブはインテルの協力を得て、書店向けデジタルサイネージ「インテリジェント・ブックシェルフ」を開発した。本棚と情報発信機能を装備した“デジタルラック”。スマホやタブレットに専用アプリを入れた来店者が近づくと、新刊・関連書籍情報が提供される仕組み。その場で電子書籍も購入できるようにした。
同社は2500点の電子書籍の配信ライセンスを取得しているハーレクインとタッグを組み、既存のハーレクイン専用ラックを置いている約500店舗を目標に順次拡大していく。現在、紀伊國屋書店やリブロの4店舗が導入することを決めている。
SBクリエイティブでは、電子書籍の売り上げの一部を導入した書店に還元する考え。
Copyright 2015 新文化通信社 All Rights Reserved.