iBook Storeで販売している電子書籍は、iOS端末(iPhone、iPod touch、iPad、iPad mini)と、Mac OS X 10.9(Mavericks)以降で読むことができます。Android、Windows PCからの購読には未対応です(☆-0.5)。他の電子書店がほぼマルチデバイス対応している中、Apple製端末以外では読ませない垂直統合システムを堅持する姿勢を貫き通し続けています。
ただ、iTunes Storeサービス規約によると、1つのアカウントでダウンロードできる関連デバイスは最大で10台まで(コンピュータは最大5台)となっており、他の電子書店に比べると制限はゆるやかです(☆+0.5)。ずっとApple製品を使ってきた方にとっては、特に不自由さはない環境だと言えるでしょう。
また、ライブラリの「コレクション」情報や、最後に読んだ位置、マーカー・ブックマークなどは自動的にiCloud上に保存され、他の端末とも同期されます。Macで読んでいた続きを、外出先でiPhoneから読むといったことも簡単にできます。この機能は、iBooks Storeで購入した本に限らず、自分の保有しているDRMフリーのEPUBファイルにも対応しているのが嬉しいところです。
MacのiBooksは、基本的な機能はiOS版とほとんど同じです。ただ、複数の本を同時に開くことができるのはiOS版と大きく異なる特徴となっています。また、ライブラリのコレクションで本をドラッグ&ドロップで整理できたり、右クリックでメニュー表示といった操作はマウスカーソルを使ったUIならではです。
iOSアプリは、前回調査時から細かな点が幾つか変更されています。フラットデザインに変わったこと、[スクロール表示]への切り替えがスイッチになったこと、ダウンロード可能な辞書の数が増えたことなどです。基本的な機能はMac版とほとんど変わりません。
目次・しおり・マーカー・メモ・辞書・ウェブ検索・本文検索や、文字の大きさ・フォントの種類・配色・明るさの変更など、他で採用されている基本的な機能はほとんど全て備えている、比較的高機能なビューワです。引用してSNSへ投稿する機能がDRMフリーの場合のみに限定されている点が、ソーシャルメディア時代には少し残念な点だと言えるでしょう。
評点:☆3.0
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