すると、突然スタッフの1人が会場に現れ、大泉さんから預かったというメッセージを読み上げた。
戸次くん
この度は小説『ワンワン』の発表おめでとうございます。犬の話でどこまで持っていけるのか心配です。
失礼しました。間違いました。
この度は小説『ワン』の発売おめでとうございます。君がそんなにワンについて書きたかったことを初めて知りました。僕はあまりワンに詳しくないので……
東京湾、相模湾、伊勢湾……くらいかな……
湾についてどこまで教えてくれるのか楽しみです。
そして、なぜ戸次さんが「残念な男」と言われてしまっているかのエピソードへと変わる。
大学時代から残念な男と言われ続けた君が小説を発売するまでになるとは思ってもいませんでした。
大学時代何度も乗せてもらった車にはいつもエンプティランプが光っていた戸次くん。
ガソリンスタンドでレギュラー100円分! と言っていつもスタンドの方と険悪なムードになっていた戸次くん。
もらったばかりのアルバイト代をお尻のポケットに差し込み、友だちのバイクの後ろに乗って飲みに行き、その間にバイト代を尻から全部落としていた戸次くん。飲み屋に着いた時には1円も持ってなかった戸次くん。
もちろん、出版に関する先輩として、小説へのエールも忘れていなかった。
そんな戸次くんの書いた小説
『ニャン』
これが面白くないわけがありません!!
ただこれは僕が心の中で思ってる余談ですが、こんなに厚い本はあんまり売れないと思います。
最後になりますがお集まりの皆さん!
大泉エッセイをこれからもよろしくお願いいたします。
以上簡単ではございますが戸次重幸初小説
『お椀』の発表お祝いコメントとさせていただきます。
「大泉エッセイ」こと『大泉エッセイ 僕が綴った16年』は26万部を売り上げた2013年4月発売の、本人による大泉の素顏が詰まったエッセイだ。「26万部も売れたのなら、何かおごってもらったりしたのでは?」との記者からの質問に「いいえ、何も」と答えつつ、「でもまあ、僕の本がそれを超えたら、僕は心の広い男ですからね。吉牛でも何でもおごってあげるつもりです」と豪語していた。
また、先ほどの大泉さんからのメッセージは「プロモーションとして、全然プラスになっていないですよね?!」と言いつつも、「でも僕の本、『大泉エッセイ』の“続編”っていうことにしているんです。なので、『大泉エッセイ』を買った26万人の方、“続編”の『ONE』もよろしくお願いします」とちゃっかりアピールしていた。
最近の残念な体験については、映画「チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像」の撮影のために、大映スタジオに行かなければならないのに、東宝スタジオに間違えて行ってしまったという。(編集部注:同映画は東宝配給。残念である。)
会見後、サイン本お渡し会が行われ、同書の購入予約をしていた読者が戸次さん本人から名前入りサイン本を受け取った。訪れた人は「大ファンです」「3冊買いました」など口々に述べ、これが“残念な男”なのかと思わせるような人気ぶり。次回はぜひとも残念談義をまとめたエッセイ本を出してほしい、と思った。
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