本屋探訪記:大阪本町ビジネス街のど真ん中にあるアートに強い古本屋「colombo」

BOOKSHOP LOVER=本屋好きがお届けする詳細な本屋レポ。本屋が好きならここに行け! 今回はビジネス街の真ん中にあるアートに強い古本屋「colombo」を紹介する。

» 2013年12月20日 12時00分 公開
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 今回の本屋探訪記は本町のビジネス街にある素敵古本屋「colombo(コロンボ)」。ここは、二匹のゾウの店主に「僕の好みに合うかも」と勧めてもらった古本屋さん。職場の近くにこんな良い本屋があるとは知らなかった!(最後の写真は2012年2月23日時点のもの。文章は2011年8月30日時点の記録だ)。

まとめ

colombo

 分かりやすいよう、始めにまとめを。

  1. 品ぞろえ:すべて古本。デザイン・アート系に特化。見て楽しめる本ばかり
  2. 雰囲気:カントリー
  3. 立地:御堂筋を難波神社を前にして曲がってすぐ。ビジネス街にあるということもあり知らないと見つけるのは厳しいかも

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店まで

 御堂筋線本町駅を降りて大阪センタービルの横に出る。御堂筋を左手に見ながら、なんば神社の横道を右に折れ1つ目の曲がり角。白塗りの建物が「colombo」だ。

店舗 外スペース

 交差点の角にある「colombo」は、店舗以外のスペースが広い。というのも、テイクアウト専門のカフェでもあるからだ。

 ちょうど交差点の角が正面玄関に当たるのだが、その目の前にベンチが2つ。店舗横にはテイクアウト用のカウンターがあり、その前にもベンチが2つ。入り口を挟み込むように本棚が2つあり、雑誌や写真集など大判本が300円均一で販売されている。

 内容は美術系が多く、『ブランド大繁盛』や雑誌『ブルータス』のバックナンバー、『世界のデザイン誌アイデア』『資料 マークシンボルロゴタイプの70年代』、雑誌『流行通信』などが並べられている。

レイアウトと雰囲気

 中に入ると驚いた。外見からは西洋風かと思いきや意外とカントリ−風の内装だ。BGMもカントリーだし、壁にネイティブアメリカンの刺繍が飾られていたりする。左に広い店内には、本が正面の壁いっぱいの本棚と目の前のテーブルに面見せで置かれており、他は雑貨が売られている。

 奥の棚は天井まで届く高さのが3つあり、上段部分は面見せがメイン。目の高さから下の段に、棚挿しでぎっしりと本が並べられている。

店舗奥の本棚

 向かって右側の棚にはハードカバーが多く、『カフェの文化史』や『ブダペストの古本屋』など本屋系の本が数冊、上段には洋書のペーパーバックだ。

 下段にはデザイン・アート系の洋書が多数。真ん中の棚と左奥の棚はほとんどがデザイン・アート系の洋書と日本の大判本で、アラーキーの写真集や雑誌『アサヒカメラ』が並んでいた。

店舗中央のテーブル

 店内中央にドンと置かれている木製のテーブルには、本が1冊ずつ置かれている。森山大道の本などだ。スペ―スの使い方が贅沢である。これで、本は終わりで、ほかは雑貨となっている。

他 雑貨スペース

 入って右手の窓の下にはなぜか靴下があり、ほかにアクセサリーが置かれている。左手の窓の下にもアクセサリーだ。

 レジカウンターは左手の奥にあり、レジカウンター横の窓がそのままテイクアウト用のコーヒー紅茶を出す場所になっている。このスペースでカフェまでやるなんて素晴らしい心意気である。レジカウンターの前面部分はガラス張りでマグカップなどが置かれている。

「colombo」はビジネス街のオアシスである

 店内をすべて見たことになるが、何せ6畳ほどで、さらに雑貨にもスペースを割いているので、本の量はそれほど多くない。だが、「colombo」の良いところはそこではない。それは以下の2点と言える。

  1. 写真集など「見て楽しめる」品ぞろえ
  2. 雰囲気重視のカフェ兼古書店

  ビジネス街のど真ん中にこんなところがあるだなんて!

 そう「colombo」は大阪・中崎町や神戸元町のトーワロードにあってもおかしくないような素敵スポットなのである。「都会のオアシス」という使い古された言葉が見事に当てはまる稀有な場所だった。

著者プロフィール:wakkyhr

本屋開業を目指す本屋好きサラリーマン。ブログ「BOOKSHOP LOVER」を中心に活動。このほか、電子雑誌「トルタル」や本と本屋とつながるWebラジオ「最初のブックエンド」、本を贈る文化をつくる活動「贈本計画」に参加。「Cannes Lions 2013 Book Project」ではプロデューサーを務める。理想の本屋さんを開くべく本の世界で縦横無尽に活動中。好きな作家はクラフト・エヴィング商会。一番好きな本屋は秘密。ネット書店を近日中に開店予定。

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